家電製品レビュー
最新の4Kテレビで暮らしが変わった! これなら買い替える価値アリ
by 阿部 夏子(2015/6/26 07:00)
家電 Watchなどという媒体の編集長をやっていると、家電に関しての相談を受けることがとにかく多い。洗濯機やエアコン、冷蔵庫の相談に混じって、多いのが、「最近のテレビってどうなの?」ということ。4KやらLEDやら色々あるけど、買うべきなの? 今あるテレビと何が違うの? と聞かれるのだ。
そうは言われても、テレビに関しては全くわからない。テレビやオーディオ専門媒体のAV Watchのすぐ隣に机を構えてはいるが、テレビ関係は全くの畑違いで、知識もなにもない全くのドシロウト。そんな私だが、ひょんなことからパナソニックの最新テレビ「VIERA 4K TH-60CX800N」(以下、CX800N)を使わせてもらえる機会を得た。テレビに関して知識のない人間から見て、最新製品はどう見えるのかを知りたいというのだ。
せっかくの機会に、これ幸いと自宅で1カ月ほど、最新のテレビを使ってみた。画質? 4K? スマートテレビ? 全てポカ~ンな私だったが、結果からいうと、新しいテレビがめちゃくちゃ欲しくなってしまった。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | VIERA 4K TH-60CX800N |
価格 | オープンプライス |
実売価格 | 461,780円(yodobashi.com) |
なんで60インチ?
我が家にテレビを設置するにあたって、まず驚いたのが大きさ。パナソニックから借りるのは60インチのサイズだというのだ。今使っているテレビはソニーの45インチで、大学時代に購入したもの。当時、8畳ほどのワンルームに住んでいたので、明らかにオーバースペックで、長時間見ていると、目がちかちかしてしまったという苦い失敗がある。
その後、何度か引っ越しして大学時代よりは広い部屋に住んでいるものの、テレビを置くのは、約18畳のL型LDKでファミリー向けマンションとしてはごく一般的な間取り。設置する前は、60インチはいくらなんでも大きすぎるだろうと思ったのだ。
しかし、AV Watchの編集長やパナソニックの担当者に聞いてみると、「今のテレビは、画質がいいから大きいサイズを置いても目が疲れたりしない」という。また、「インチが大きくても、薄くて、横のスペースもないので圧迫感がない」という話も。
「ホント~???」と半信半疑で、60インチをしぶしぶ受け入れた。
実際、リビングに置いてみると確かに大きいが、違和感は感じなかった。幅はあるものの、厚みがないので、「大きいテレビがドーン!」という圧迫感がないのだ。
もう1つ、昔のテレビとの大きな違いが、テレビのデザイン。テレビにデザインも何もないだろうと思っていたのだが、最新のテレビはまずフチのスペースがほとんどない。CX800Nは、ラウンド型の足が付いたデザインで、大きいのになんとなく華奢。テレビを付けていない時でも、リビングに馴染む、都会的なデザインなのだ。
やっぱり画質が全然違う……!
使い始めてすぐに気付いたのは、やはり画質の違い。もともと使っていたテレビは、もちろんデジタルだし、そこまで違いはないだろうと思っていたのだが、はっきり言ってレベルが違う。
50代半ばの母が思わず言ったのが「こりゃ、アナウンサーや女優、タレントさんは大変だわ。毛穴まで全部見えちゃうじゃないの」ということ。薄くて大きな画面の一杯に顔が映し出されるので、確かに肌のコンディションがすぐに分かってしまうのだ。
もう1つ違いを実感したのは、映画などで画面が暗いシーンでも見やすいということ。映画によっては全編に渡って、画面が暗いなんてこともあるが、以前のテレビでは、暗くて何が映っているのか、分かりにくかった。室内を暗くして、カーテンも閉めた状態でないと、何をやっているのか分からないということもあった。それが、CX800Nでは室内が明るい状態でも細部までしっかり見えた。大画面で映画を見るってやっぱりいいよなーと改めて実感した。
huluとか、YouTubeがめちゃくちゃキレイに見える!
正直、画質よりなにより感動したのがコレ。テレビをWi-Fiに接続するだけでいつも見ているhuluとか、YouTubeがサクサク、本当に何のストレスもなく、普通のテレビ番組と同じように見れる。
huluは以前から使っていたが、スマートフォンやタブレット画面で見るのがストレスであまり活用していなかった。家のテレビはケーブルテレビを別に契約しているので、自宅で見るときはケーブルテレビのオンデマンドなどを使うことが多かったのだ。CX800Nでhuluを見て、すぐに「ケーブルテレビの契約切ろう」と思った。
テレビでインターネット経由の動画を見たりするのは、すごく面倒、操作もどうやるの? 途中で切れたり、止まってしまったりするんじゃないの? というイメージがあったが、とんでもない。CX800Nにはあらかじめ、huluやYouTubeのアプリが入っているので、インターネットに接続さえすれば、すぐに使い始められる。
同居している母にこれまでhuluというのが便利で楽しいよ、と何度も言ったが、パソコンやスマホで見ようとはしなかった。CX800Nならばリモコンで本当に簡単に操作できるので、毎日のように昔の映画を楽しむようになった。
操作が簡単、だから使いこなせる
これはテレビに限らないが、近頃の家電は本当に多機能なものが多い。1つの機能に惹かれて購入したものの、ほかにどういう機能が搭載されているか分からない、あるいは興味もないので、たくさんある機能のうち、ほんのわずかしか使わないということがよくある。CX800Nでは、電源を入れるとすぐに、この製品で何ができるのかのガイダンスが始まる。それも文字ではなく、動画を多用したもので、「こんなこともできるんだ」とユーザーが納得してから使い始められる。
例えば、付属のリモコンとは別に付いているスマートフォンの様に操作できる「音声タッチパッドリモコン」では、使い方を画面で説明してくれる。うちの母など、新しいものには触ろうとしないが、使い方を覚えてからは音声タッチパッドリモコンばかりを使うようになったくらい、使いやすさがとにかく良く考えられている。
ちなみに、音声タッチパッドリモコンでは、声による操作も可能。テレビ本体に話かけなくても、手元で声を出して操作できるのは便利。ただし、音声による操作頻度は我が家では低めだった。タッチパッドリモコンがあれば思った通りに感覚的に操作できるので、わざわざ声で操作する必要を感じなかったのだ。
またリモコンも使いやすい。我が家はたまたま、パナソニックのブルーレイディスクレコーダーを使っているのだが、リモコンのボタン配置はCX800Nとほとんど変わらない。6年以上前に購入したモデルなのに、だ。テレビやレコーダーのリモコンというのは、ほかの家電製品に比べてもダントツに使用頻度が高い。配置や仕様を変えない、というのもユーザビリティーの1つだなと実感した。
テレビの前に座ることが増えた
正直、最近はほとんど地上波の番組を見ることがなくなり、家族揃ってテレビを見ることも少なくなっていた。見たい番組は、オンデマンドでいつでも見れるし、夫はスマートフォンでサッカーの試合をずっと見ている。それが、大画面でスマートフォンと同じように動画を見られると分かった途端、テレビを見るようになった。
新しい大きなテレビが自宅に来たことで、はからずも家族の時間が増えた。huluで母と一緒に映画やドラマを探して見る、というのもこれまでなかったことだ。
私にとってCX800Nは生活の変化や進化を感じられる画期的な製品。大学時代に初めてiPodを手にした時のように、何か新しい生活が始まるワクワク感を感じられた。大画面でクリアな映像が見られること、インターネットにつながること、ストレスなく操作できること。最新のテレビを使うことで、私たちの生活は確かに変わった。
それだけに!!!! CX800Nを返してしまったのが本当に悲しい!!! もともと使っていた古ぼけたテレビを元に戻したときは、まるで昔の大きなコンピューターを使っているような気分になった。わずかながらボーナスも出たことだし、思い切って新しいテレビを購入しようと考えている。
協力:パナソニック