941のイクメン徒然

第10回:かわいいから抱っこしたいのはわかるけど、アレには注意!!

 毎度どうも、くしいです。このイクメンコラムも10回目に突入したようで、いやぁ花粉きてますね。杉ぜんぶ引っこ抜きたい。

 さて、前回はベビーカーの話をして「なんだかんだで娘はベビーカー乗らなくなっちゃいました」みたいなかんじで終わったけれども、ベビーカーに乗らなくなるということは赤ちゃんをどう移動させるかおわかりになられますでしょうか。そう、抱っこです。抱っこばかりしているとどうなるか、鋭い方ならピーンときましたか。そう、腰をやっちまいます。というわけで今日は我が家の腰事情。

 育児の先輩である兄2人が「おめでとう」の後に言ったのは「抱っこしたいと思うけどほどほどにな、腰やるぞ」ということでした。

 「ハッハッハ、オーケーオーケー、だが俺の腰は小学生から高校生までの間に励んだ柔道のおかげでそんなヤワじゃないぜ!」と当時は思っておりました。いやぁ、9カ月前に戻って自分を殴りつけてやりたい。先達の言うことは聞いておくもんだって。腰なんて一瞬だって。奥さんギックリになるぞって。

~ここから回想~
 あれはそう、10月の終わり、娘が6カ月の頃じゃった。まだ多少はグラつくけど1人でお座りが出来はじめた頃。我が家はマイカーを持たない生活をしているけれども、週末に義両親が出かけるというので車を借りた。ちょっと腰に違和感があるという奥さんのためにマッサージ屋の空き時間をチェックしてから、たまには焼肉でも食べようぜと近所の焼肉屋へ。子連れだといつ泣き叫んでしまうかわからないのでピーク時を外そうと11時半くらいに入店。「こうして落ちついていられるのも歩き出すまでかな」なんて思いながら、じっと座って待っている娘。親子3人で初めての外食を満喫した。

生後6カ月頃は背筋ブームがきてた
この頃1人座りが安定してきた

 ランチの後は家具屋へ行きダイニングテーブルを物色。娘もこれからハイハイするようになり、今使っている座卓だと上に置いてある物を蹴散らしてくるのは明白。今はまだ小さい未来の怪獣さんのために安全対策も兼ねてダイニングテーブルを買おうというわけ。家具屋に着くと奥さんが珍しく「腰が痛いので少し休憩したい」と言うので休み休みテーブルを物色。置こうと思っている場所のサイズを計ってあったので予算に合いそうなものがどの程度のものか確認したり、ベビーチェアに娘を座らせてみて「はぁ、何をしても可愛い……天使がおるわ」とベタなことを言ったりして、とりあえず家に帰って再度検討しようということで撤収。

 なんだか歩き方がヒョコヒョコしてる奥さんと駐車場へ向かい、お茶でもしばきますかーというわけで手頃なお店を探しながら帰宅コース。「そういやイトーヨーカドーにスタバ入ってたっけねー」とイトーヨーカドーの屋上にある駐車場へ車を停める。キャラメルフラペチーノでも飲みますかね~なんて思いながら店舗の入り口に入ろうとした瞬間「痛い! 痛い!」と普段大きな声を出さない奥さんが腰砕け状態で這いつくばってる。

 一瞬なにが起きたかわからず、自分は娘を抱きかかえていて手がふさがっているのでどうしようと思っていたら通りかかった方が「赤ちゃん抱いていてあげますよ」と声をかけてくれて、一旦娘を預かってもらい奥さんをお姫様抱っこで抱きかかえてとりあえずお店のソファーへ。とにかく少しでも動かすと痛いというので、これは噂に聞く「ギックリ腰」ってやつだろうなと思いつつ対策を考える。

 いま119番をしても病院へ搬送になるだけだろう、そして今日は日曜だ。やっている病院も限られているはず。まずは最寄りの消防署の電話番号を調べて電話をかけ、症状を伝えて対応が可能な近隣の病院を教えてもらう。いくつかの病院を教えてもらい、そのうちの1つが連絡とれたので行ってみることに。僅かな振動でも激痛が走る腰を気遣い、まわりに迷惑にならない程度にゆっくりカーブを走ること十数分。病院についてストレッチャーに乗せてもらいレントゲンを撮ってもらう。病院に着いてしまうと何も出来ないので娘を抱っこしながら出かけている義両親へ電話で状況を連絡した。

 レントゲンを見る限り骨折などではなく、症状を見てもギックリ腰に間違いないであろうとのことだった。出来ることは安静にすることだけで、痛み止めを飲んで湿布を貼り経過を見守るしかないという診断。だが問題なのは授乳中なので、おそらく影響はないとされているものの薬は飲めないし注射も出来ないとのこと。ううむ、困った。結局、かなり軽めの(気を紛らす程度の)痛み止めを出してもらえることになったのだが休日だったからか、それだけでも随分と待たされる。

 やっと薬を飲むものの、すぐにはよくならないので空いているスペースで1時間ほど待たせてもらう。入院できる設備はあるものの、空いているベッドがないので入院は出来ないという。じゃあしょうがないのでもう少し待たせてもらって、気合で車に乗りましょうということになった。なんとか頑張って車に乗り込んでみようと15分ほど格闘している間、ベビーシートで待たされている娘はギャン泣き。大泣きの娘、激痛で叫ぶ奥さん、そろそろ泣きたくなってきてる俺。

 なんとか車に乗せ、しばらく義実家にお世話になることに。一旦自宅に寄って奥さんの服や娘の細々したものをピックアップ。義実家は階段を登る必要があるので、奥さんをお姫様抱っこして階段を登りゴール! なんだか長い一日だった……

 結局その後は2週間ほどほぼ寝たままの状態で安静にして、なんとか歩ける状態まで回復した。腰をやっちまうとかなり大変なことになるので本当にご注意いただきたい。よっこらせ、と腕だけで抱きかかえるのは腰に相当負担がかかるのでグッと引き寄せて腰に乗せるかんじで抱くといいかと思います。あとは長時間抱っこしたままにならないことですね。

 この2カ月後に奥さんのギックリが再発し、調べてみたらヘルニアだったのはまた別のお話。

櫛井 優介