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第40回:電動歯ブラシとは



ブラシの振動で簡単かつしっかりとブラッシング。高速振動の「音波式」が主流

現在主流となっているのが音波式歯ブラシ。写真はパナソニックの電動歯ブラシ「音波振動ハブラシ ドルツ イオン EW1046」
 電動歯ブラシとは、モーターでブラシを振動または回転させて歯を磨く機器のことです。通常の歯ブラシでは、手を動かしてゴシゴシと歯を磨くわけですが、隅々まできれいに歯垢を落とそうとすると、かなりの時間がかかります。そこで、自動で動くブラシの振動を利用し、短時間でしっかりと歯が磨けるというメリットがあります。

 現在市販されている電動歯ブラシには、100円ショップで売られているような低価格のものから、実売価格で1万~2万円程度の高価なものまであります。同じ電動歯ブラシでありながら値段に差があるのは、その電動歯ブラシが「音波式」かそうでないか、という点が深く関わっています。

 電源に乾電池を使うような、低価格の電動歯ブラシ――“非音波式”では、ヘッドの振動数は1分間で2千~1万回程度となっています。一方の「音波式」では、1分間の振動数が約2万~4万回と、高速で振動する点が特徴です。音波という名前は、振動数が「音波」と呼ばれる領域(20~20,000ヘルツ)に入ることから呼ばれています。 (ヘルツは1秒間の振動数を表わす単位[Hz]。1秒間に10回振動した場合は10ヘルツ)

 音波式歯ブラシは、ブラシの首の部分がモーターで左右に細かく振動することで、口の中に泡や水流が発生します。その泡や水流が歯垢除去を助ける役目を果たそ、ブラシの届きにくい歯の間などの歯垢除去能力が高める効果があります。運転中は、手に振動が伝わりますが、普通の歯ブラシのように腕を振らずに、歯にブラシを当てて位置を変えていくだけで歯が磨けるため、簡単に、しかもキレイにブラッシングできるというメリットがあります。

 実際の製品で見てみると、パナソニックの「ドルツ」やフィリップスの「ソニッケアー」では、1分間あたりのブラシの振動数が約31,000回(約260ヘルツ)となっており、音波歯ブラシに該当します。ブラシが左右に反転する“回転式”のブラウン「オーラルB」では音波式を名乗っていませんが、1分間に縦に約4万回振動していることから、音波式の部類に入ることになります。


フィリップスの音波式電動歯ブラシ「ソニッケアー」のブラシが動くようす

超音波式は手を動かす必要あり

 このほか、振動数が音波を超える「超音波歯ブラシ」もあります。例えば東レの「ウルティマ」では、ブラシの振動は160万ヘルツと高い振動数となっています。超音波式ではブラシから発生する超音波の微振動で口内菌の連鎖を破壊する効果が謳われていますが、ブラシの振動が音波式よりも細かいため、ゴシゴシと手磨きをする動作が必要になります。


紫外線除菌器やブラッシングを指導する液晶端末など……付属品にも注目

 1万円以上の高価格な電動歯ブラシでは、ほとんどの機種で高い歯垢除去能力を謳う機能を備えています。例えば、ドルツならイオンとリニアのパワー、ソニッケアーなら「ソニックテクノロジー」という技術……などなど。しかし、ユーザーが購入前に電動歯ブラシを試す機会は少なく、また実際にどれが最も優れているかを判断する客観的な基準もありません。どれを選んだら良いのか、判断はなかなかつきません。

 しかし、付属品に限って見てみれば、各社とも独自の個性を出しています。

 フィリップスの「ソニッケアー」では、最上位機種の「フレックスケアー」において、紫外線でブラシヘッドを除菌する除菌器兼充電器が特徴です。歯ブラシのヘッドは、使用後に濡れたまま置いておくことで、菌が発生しニオイがするケースもありますが、この除菌器を使えば、充電ついでにブラシを除菌することができます。“歯をキレイにするブラシはきれいであってほしい”という方には、特にオススメです。

 パナソニックの「ドルツ」には、歯茎をマッサージするためのシリコンブラシが付属しています。このブラシで歯磨きならぬ“歯茎磨き”をすることで、歯と歯茎をともにケアできるというメリットがあります。また、最上位機種のEW1046Pでは、正しいブラッシング方法を指導するDVDも付属します。歯と歯茎を総合的にケアしたい方、電動歯ブラシ初心者の方には向いているでしょう。

 ブラウン「オーラルB」は、最上位機種の「デンタプライド スマートガイド」にて、液晶端末が付属します。これが電動歯ブラシ本体と無線で通信することで、磨き時間の目安となる2分をカウントしたり、無理に強い磨き方をした場合は警告を出す、といった指導をしてくれます。こちらも電動歯ブラシ初心者に向いています。さらに、舌の汚れを取るブラシも付属しています。

 簡単かつしっかりと歯を磨くなら音波式ですが、その中でどれを選べば良いかに迷ったら、それぞれに異なる付属品に注目してみてはいかがでしょうか。


フィリップス「ソニッケアー フレックスケアー」には、充電ユニットにブラシを除菌する装置が付属する パナソニックのドルツには、歯茎をマッサージするためのブラシ(写真上の右側のブラシ)が付属する。また、正しいブラッシングを指導するDVD(写真下)も同梱される 「オーラルB デンタプライド スマートガイド」なら、正しい使用法を促す小型液晶(写真左下)が付属。ブラッシング時間をカウントしたり、力を入れすぎた場合は警告を表示するなどのサポート機能を備えている



【電動歯ブラシ】の、ここだけは押さえたいポイント
・歯にブラシを当てるだけで、簡単かつしっかりと磨くことができる
・性能重視なら歯垢除去能力の高い音波式を選びたい
・迷ったら、アクセサリで選ぶとよい

2009年3月27日 初版


URL
  現代家電の基礎用語 バックナンバー
  http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word_backnumber/

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2009/03/27 00:03
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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