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「省エネ性能カタログ」の表紙(画像はすべて省エネルギーセンター配布の「省エネ性能カタログ」PDFファイルより抜粋)
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省エネ性能カタログとは、財団法人 省エネルギーセンターが発行する、家電の製品分野ごとに省エネ性能の順位付けをするカタログのことです。年間の電気代の参考値も記載されているため、購入前では気付きにくいランニングコストが一覧で比較できます。要は“省エネ番付”です。
カテゴリーは、エアコン/テレビ/DVDレコーダー(地デジ対応)/冷蔵庫/ジャー炊飯器/電子レンジ/蛍光灯器具/温水洗浄便座の8つが用意されています。これらの家電を購入しようと考えている人は、購入前に一度目を通しておくことをお勧めします。
省エネ性能カタログは、家電製品のほか、ガス石油機器、パソコン、業務用エアコン、業務用コピー機の5分野に分けられています。このうち家電製品分野の省エネ性能カタログは、平成9年より年に2回(6月に夏版、12月に冬版が)、ボーナスの時期に合わせて発行されています。価格は無料です。
● 家電製品8品目の省エネ性能が高い順に並べられた“番付表”
省エネ性能カタログの最新号となる2008年冬版では、計56社、約1,300機器の家電が掲載されています。国内で名の知られているメーカーの製品はすべて載っていると言っても良いでしょう。
ランク付けされる基準となる数値は、テレビ/DVDレコーダー/冷蔵庫/炊飯器/電子レンジ/温水洗浄便座の6ジャンルでは年間消費電力量となっています。ただし、エアコンではAPF(冷房能力が5.0kW以上の機種ではCOP)、蛍光灯器具では消費電力1W当たりの明るさ(エネルギー消費効率、lm/W)が基準値となるなど、製品によってキーとなる値が異なります。
上記の8つに分かれたジャンルの中でも、性能やサイズによってさらに細かい分類が用意されています。冷蔵庫なら定格容量ごと、テレビなら画面のサイズごと、温水洗浄便座なら貯湯式か瞬間式か……といった具合に分かれています。中にはエアコンのように、冷房時の適応床面積と本体のサイズの2つの基準を用いてさらに細かく分類するものもあります。
これは比較基準を統一することで、よりランキングの実用性と信頼性を高めるためです。例えばエアコンの省エネ性能を比較するとしても、6畳用の製品と12畳用の製品を同列に比較しても、基本能力に明らかな差があるため、比較の意味がありません。このように、機能や能力などによってランキング分けをすることで、簡単に製品を比較できるようになっています。
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最新号となる2008年度冬版では、以下の56社による約1,300の製品が掲載されている
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こちらはエアコンの省エネ性能カタログ。上にランキングされている順に省エネ性能が高い。冷房能力と本体サイズの2つの基準で細かく分類されている
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ランキングの表には、メーカー名と製品名、型番に加えて、年間消費電力量や年間電気代などの様々な省エネ情報が記載されています。加えて、エアコン、テレビ、冷蔵庫の3品目については、省エネ性能を5段階の星印で表示する「統一省エネラベル」の情報も含まれています。
これら省エネ情報は、各メーカーが発行する製品カタログなどにも記載されていますのが、各社のカタログをいちいち比較するのはとても面倒です。そこで、省エネ性能カタログで一度に多くのメーカーの製品を一度に比較することで、手軽に省エネ性能を判断でき、購入時の判断に役立てられます。
● 家電製品の上手な使い方や省エネに関する情報も記載
省エネ性能カタログには、製品ごとの省エネランキングだけでなく、なぜ省エネをしなければならないのかという基礎情報や、電気代を抑えるための上手な家電の使い方などの情報が記載されています。「家庭で最も電力を消費する家電の1位がエアコン、次いで冷蔵庫、照明器具」といった知ってそうで知らなかった情報や、「家庭一世帯当たりの待機電力の電気料金は1年で平均約6,800円」といった具体的なお金の話も出てきます。
さらに、省エネ法で制定されている省エネ基準に関する解説や、省エネラベリング制度、統一省エネラベルの意味や見方なども記載されています。こちらでは「省エネ基準達成率が106%のエアコンと76%のエアコンでは、年間の電気代が約10,800円おトクになる」といった、購入してからではないと気付きにくいランニングコストの情報も掲載されています。
単に家電製品の省エネランキングが記載されているだけでなく、省エネに関する知識を高めたい、お金を節約したいといった場合にも有効に活用できるカタログとなっています。
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省エネに関する基礎的な知識も掲載されている。画像は家庭におけるCO2の排出量と、排出している家電の割合
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家電の賢い使い方や、「年間の電気代が約10,800円おトクになる」といったお金に関する情報も載っている
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● 無料だが送料が必要。インターネットならHTML/PDFで閲覧可能
最後に、この省エネ性能カタログの入手先ですが、発行する財団法人省エネルギーセンターに、必要な部数と送付先を明記して申し込むことで、無料で貰うことができます。ただし、冊子自体は無料であるのに対し、送料に1部240円がかかってしまう点には注意です。
お金がもったいない、冊子が到着する前に情報を知りたい、という人には、省エネルギーセンターのホームページを参考にすると良いでしょう。ここでは省エネ性能カタログが、最新号も過去に発行されたものも含め、HTMLまたはPDF形式で公開されています。商品カテゴリや能力別に絞り込みができるため、冊子バージョンよりも使いやすいでしょう。
【省エネ性能カタログ】の、ここだけは押さえたいポイント
・家電製品を省エネ性能に優れた順にランキング掲載したカタログ ・年間の電気代の目安など、購入前には気付きにくいランニングコストの情報が掲載されている ・家電製品の上手な使い方や、省エネに関する豆知識も記載されている ・インターネットで無料で閲覧可能
2009年1月30日 初版
■URL
財団法人 省エネルギーセンター
http://www.eccj.or.jp/
省エネ性能カタログ
http://www.eccj.or.jp/catalog/index.html
省エネ性能カタログ(HTML版)
http://www.eccj.or.jp/catalog/2008w-h/index.html
省エネ性能カタログ(PDF版)
http://www.eccj.or.jp/catalog/2008w-h/pdf/00_all.pdf
現代家電の基礎用語 バックナンバー
http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word_backnumber/
■ 関連記事
・ 第8回:省エネ達成率とは(2008/07/02)
・ 第24回:年間消費電力量とは(2008/11/07)
2009/01/30 00:02
平澤 寿康 1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。 |
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