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第36回:運動量を測る「メッツ/エクササイズ」とは



肥満など生活習慣病を改善する新たな指標

 歩数計やフィットネス機器などの健康家電を中心に、「メッツ」や「エクササイズ」という単位を見かけることがあります。

 メッツ/エクササイズは、身体運動の強さと量を表す単位です。厚生労働省が2006年7月に策定した「健康づくりのための運動指針2006」(別名「エクササイズガイド 2006」、以下エクササイズガイド)というレポートにて定義されています。

 あまり聞き慣れない言葉ですが、このメッツ/エクササイズは、近年問題視されることの多くなった、肥満や高血圧などの「生活習慣病」を予防するために策定されたものです。


歩数計では「エクササイズ」値を表示する製品が増えている(写真はシチズン「peb TW600」) フィットネス機器でもメッツ/エクササイズを表示する製品がある(写真は三洋電機「ホームリフレッシュマシン e-jog HRM-DS1」)


メッツは「身体活動の“強さ”」、エクササイズは、「身体活動の“量”」を表わす

 まずは「メッツ(METs)」について解説しましょう。これは「身体活動の“強さ”」を表す単位です。エクササイズガイドでは、座って安静にしている状態での身体活動の強度を1メッツと定義し、ウォーキングやジョギングなどの運動が、安静時に対して何倍の身体活動に相当するのかを「○メッツ」と数値で表すことになります。

 日常生活の行動では、座って本や新聞を読んでいる状態は「1.3メッツ」、通常の歩行時が「3メッツ」、早歩きや自転車に乗ってる状態が「4メッツ」、荷物を上の階に運ぶのが「9メッツ」と定義されています。スポーツでは、バレーボールが3メッツ、バドミントンが4.5メッツ、登山が7.5メッツ、ランニングが15メッツとなります。運動が激しくなるほど、メッツの値も大きくなります。ちなみに「METs」は“METabolic equivalentS(代謝当量)”の略語になります。

 一方の「エクササイズ(EX)」は、「身体活動の“量”」を表わします。この数値が多いほど、運動でカロリーを消費したことになり、ダイエットに貢献できるわけです。エクササイズを算出するには、メッツが基準となります。例えば、1時間歩行をした場合のエクササイズ値は、3メッツ×1時間=3エクササイズとなります。【○メッツ×△時間=☆エクササイズ】という計算式で算出します。

 またスポーツでは運動時間からもエクササイズが分かります。1エクササイズを達成するには、バレーボールでは20分、バドミントンでは13分、登山では8分、ランニングでは4分となります。

 エクササイズ値からは、カロリーの消費量を換算することもできます。式は【1.05×☆エクササイズ×体重(kg)】で、例えば体重60kgの人が2エクササイズの運動を行なった場合のカロリーの消費量は、1.05×2×60=126kcalとなります。


1エクササイズに相当する身体活動の一覧(エクササイズガイドのPDFファイルより抜粋)

「カロリー」ではなく、「メッツ/エクササイズ」を用いる理由

カロリーは、同じ運動でも個人の体重差によって消費カロリーが異なるため、統一的な指針には向かない
 ところで、なぜエクササイズガイドでは、「メッツ」や「エクササイズ」という、見慣れない、浸透していない単位を採用したのでしょうか。消費エネルギーを表わす単位としては前述の「カロリー」があり、こちらの方が一般的に浸透しており、向いていそうな気もします。

 しかしカロリーは、それぞれの人の体重によって、同じ運動をしても消費される数値が異なってしまうため、統一的な指針としては向きません。

 例えば、体重45kgのAさんと、体重90kgのBさんがいるとして、両者が3エクササイズの運動をしましょう。消費エネルギーは、Aさんが約142kcal、Bさんが約284kcalとなります。つまり、「*kcalを消費する運動をしましょう」と呼びかけてしまうと、AさんはBさんよりも痩せているにもかかわらず、倍以上の運動をしなければいけないことになります。

 そこでエクササイズガイドでは、個人の体重の違いに関係なく、生活習慣病を予防するために必要な身体運動量を示すことができるように、メッツ、エクササイズという単位を用意したというわけです。


生活習慣病の予防には「週23エクササイズ」の身体活動が必要

バンダイの歩数計「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト〜歩いてイスカンダルへ〜」でのエクササイズ値の表示画面
 エクササイズガイドでは、生活習慣病の予防のために必要な、平均的な身体活動量の目標も示されています。その内容は「週23エクササイズの活発な身体活動(運動・生活活動)を行ない、そのうち4エクササイズは、活発な運動を行なう」というものです。

 この目標で示されている「活発な身体活動」「活発な運動」とは、3メッツ以上の生活活動および運動を対象としており、3メッツ未満の身体活動は対象外となります。このことからもわかるように、やはり生活習慣病の予防には、ある程度の負荷のかかる運動が必要不可欠なのです。

 下に示している図は、主な3メッツ以上の生活活動や運動とともに、その生活活動や運動で1エクササイズに相当する身体活動量を得るために必要な継続時間が示すものです。つまり、こういった生活活動や運動を、1週間あたり23エクササイズに相当する時間だけ実践すれば、生活習慣病の予防につながることになるわけです。例えば、1週間のうちに歩行を380分、軽い筋力トレーニングを80分行なえば、目標となる23エクササイズに到達します。

 この目標は、健康な成人を対象としたものです。普段ほとんど運動を行なっていない人が無理に負荷の高い運動を行うことは危険です。自分の体力と相談しつつ、徐々に目標に向かって運動するのが良いでしょう。

 また、目標値だけを見ると、達成するのは難しいように感じるかもしれませんが、楽しみつつ運動するような習慣をつければ、徐々に目標に到達できるようになっていくはずです。例えば通勤や帰宅時に1つ前の駅で降りて歩くようにしたり、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使うようにするだけでも、十分に効果があります。小さな積み重ねが、体力を向上させるとともに、生活習慣病の予防につながることになります。

 最近では3メッツ以上の歩数をカウントし、エクササイズ値を計測する歩数計が多く出ています。みなさんも小さな目標を作りつつ、楽しみながら運動をしてみてください。


【生活活動・運動のメッツ/エクササイズ値の換算表】
メッツ生活活動運動1エクササイズに
相当する時間
1.0静かに座ってテレビまたは音楽鑑賞、車に乗る--
1.3座って本や新聞等を読む--
1.8会話(立ちながら)、電話、読書、手芸--
2.0料理や食材の準備、洗濯物を洗う/しまう--
2.5掃除、料理や食材の準備・片付け(歩行)、植物への水やりキャッチボール、ストレッチ、ヨガ-
3.0普通歩行、屋内の掃除、階段を下りる、大工仕事、子供の世話ボーリング、フリスビー、バレーボール20分
4.0高齢者や障害者の介護、屋根の雪下ろし、自転車に乗る卓球、太極拳、速歩(分速95〜100m)15分
5.0子どもと遊ぶ、動物の世話(歩く/走る)ソフトボールまたは野球12分
6.0家財道具の移動・運搬、スコップで雪かきジャズダンス、バスケットボール10分
7.0-ジョギング、サッカー、テニス、スキー9分
8.0農作業、階段を上る水泳(ゆっくりとしたクロール)、サイクリング(時速20km)8分
9.0荷物を上階へ運ぶ-7分
10.0-柔道、空手、ラグビー、水泳(平泳ぎ)6分
11.0-水泳(バタフライ、速いクロール)5分
15.0-ランニング(階段を上がる)4分
※3メッツ以上の身体活動がエクササイズ値の対象となる




【メッツ/エクササイズ】の、ここだけは押さえたいポイント

・肥満など生活習慣病を予防するために策定された、身体運動量を示す単位
・メッツは身体活動の強さを、エクササイズは身体活動の量を表す
・週23エクササイズの活発な身体活動を行なえば、生活習慣病の予防に効果アリ
・歩数計はエクササイズ値を計測できるものが主流となっている

2009年2月13日 初版





URL
  現代家電の基礎用語 バックナンバー
  http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word_backnumber/
  厚生労働省
  http://www.mhlw.go.jp
  健康づくりのための運動指針2006[エクササイズガイド2006] (PDF)
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou01/pdf/data.pdf

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2009/02/13 00:02
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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