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電気自動車が家につながるとなぜ快適なの? トヨタbZ4Xと始める安心な暮らしを体験
- 提供:
- トヨタ自動車株式会社
2026年2月6日 08:00
大きな災害に見舞われるたびに住宅は進化しています。1995年の阪神・淡路大震災の後は耐震性能、防耐火性能が改めて注目されました。また、発生からまもなく15年となる東日本大震災を経て、避難所での暖の取り方などの生活面や、デジタル機器を使った情報交換などが焦点となりました。そして熊本地震や北海道胆振東部地震では、災害時の電源確保と「ライフライン復旧までの避難方法」の重要性が再認識されました。
住宅に太陽光発電、自動車は電気自動車(以下BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が普及していく中で「災害に強い住宅」に1つの理想的な形が出てきました。それがエネルギーを自給自足できる住宅「ZEH」(ゼッチ:Net Zero Energy House)や、電気自動車の走行用バッテリーを住宅の電源としても使える「V2H」(ブイツーエイチ:Vehicle to Home)の仕組みです。
そして、いま注目したいのが、自動車事業と住宅事業の両面を熟知したトヨタが開発を続ける、上記2つを融合した「V2ZEH」(ブイツーゼッチ)です。普段は再生可能エネルギーである太陽光発電でエコに暮らし、災害時は避難拠点として家族と安心・安全に暮らせる「V2ZEH」は、私たちを災害からどのように守ってくれるのでしょうか。取材&体験してきました。
クルマは「巨大な予備バッテリー」にもなる?
訪れたのは、愛知県春日井市にあるトヨタホームの春日井事業所。トヨタの住宅事業の研究開発拠点であり、国内3カ所にある工場の1つです。
トヨタが考えるV2ZEHとは具体的にどのような住宅で、どんなメリットがあるのかを、トヨタホーム株式会社 執行役員で技術・商品開発本部 商品開発部 部長の宇佐美 正さんに聞きました。
宇佐美さんは「V2ZEHのコンセプトはクルマと家の電力を双方でやりとりできるV2HシステムとZEHを組み合わせることにより、日常の省エネ・快適性と災害時のレジリエンスを兼ね備えた住宅です」と説明します。
日常の省エネというと太陽光発電を中心に据えた住宅なのでしょうか? 宇佐美さんは「エネルギーロスも最小限にします」と教えてくれました。
「トヨタホームは太陽光発電を標準採用し、エコな電気での暮らしを提案しています。発電した余剰電力は住宅用定置型蓄電池にためて、夜間や悪天候時に利用できるようにしています。ZEHは自宅で消費する電力の分を自ら発電することで相殺し、電力会社から購入するエネルギーを実質的にゼロにする住宅です。そのため発電だけでなく、宅内で消費するエネルギーが最小限な住宅になっています」
具体的には、どのような住宅になるのでしょう。宇佐美さんは続けます。
「高断熱で高気密な住宅です。たとえばガラスです。通常は2枚ガラスなのですが、窓はエネルギーロスが多いので、私たちは不活性ガス入りの3枚ガラスで断熱性を高めています。また、外壁には断熱材のグラスウールを当社従来比2.5倍の250mm厚も充填した『プレミアム断熱仕様』を取りそろえています」
さらに、トヨタホーム独自の高効率な全館空調「スマート・エアーズ PLUS」も大きな特徴の一つ。
「全館空調のスマート・エアーズ PLUSは、部屋ごとにエアコンを設置せず、フロアごとに1台のエアコンを設置します。住宅自体が高断熱なので、宅内どこでも快適でヒートショックの予防にもなりますが、同時に省エネ性も向上します。万が一、片方のエアコンが壊れても、もう片方がバックアップするようになっています」
災害時の電源確保の定番は、住宅用定置型蓄電池のほか、最近だとポータブル電源も注目されています。トヨタホームの蓄電池にはどんな特徴があるのでしょうか? 宇佐美さんは「トヨタの強みである自動車を最大限に活かします」と説明します。
「住宅用定置型蓄電池の容量は10kWh程度です。(小型の)ポータブル電源に比べれば数倍の容量がありますが、災害時の生活を考えるとかなり苦労を強いられてしまいます」
そこでトヨタの強み、自家用車というわけですね。
「トヨタには大容量の走行用バッテリーを搭載したBEV、PHEVが多々あります。その走行用バッテリーを家庭の電力として簡単にかつ相互で使えるようにしました。災害時でも車から住宅に給電するため、家の冷蔵庫や照明がそのまま使えて、コンセントの差し替えは不要です。全館空調スマート・エアーズ PLUSで暖冷房もできます」
住宅から自家用車への給電も「充電だけではない」のがポイント。
「日常生活では日中太陽光で発電した電力に余剰があれば、自家用車を充電できるので、事実上は電気代が無料で充電が可能になります。太陽光発電によるエコな電気ですから、どれだけ走っても環境負荷はゼロです。さらに大容量のモバイル(移動可)家庭用蓄電池としても使えるのです。住宅事業と自動車事業の両輪を持つトヨタだから、ZEH住宅と自動車のバッテリーを相互間で使うV2Hを組み合わせたV2ZEHをワンストップで提供できるんです」
「売れば損」の時代、賢い家は電気を自給自足。V2ZEHがもたらす圧倒的コストパフォーマンス
V2ZEH対応の住宅は、日々の家族との生活を安心・安全に、また太陽光発電でエネルギーを自給自足できるエコな暮らしが可能になります。また電気自動車と組み合わせることで、エコなカーライフが実現できると宇佐美さんは説明します。
「太陽光発電のピークは昼間ですが、使い切れない余剰電力は定置型蓄電池に充電されます。やがて定置型蓄電池も満充電になってしまうので、実は電力会社に売電している場合が多いんです。通年では、太陽光発電量の60%が宅内で使いきれずに売電されます。これは特別に大きい太陽光発電を設置している場合ではなく、一般的な5kWの太陽電池で年間約5,000kWh発電しているご家庭での話です」
太陽光発電が注目された2012年ごろは、電力会社から電気1kWhを購入すると23円程度でした。一方、太陽光発電の余剰電力を売ると国の制度にもとづき1kWhあたり42円と高額買取だったのです。つまり太陽光発電の電力は売れば売るほどお得という時代でした。
しかし、住宅用太陽光発電の売電価格は年々抑制され、2024年度で16円/kWh、2025年9月までは15円/kWhとなりました。2025年10月からは早期の投資回収を目的に初期の価格を高く設定したスキームに変更にはなっていますが、1~4年目:24円/kWh、5~10年目:8.3円/kWhとなっています。
一方で電力会社からの買電価格(いわゆる電気代)は、電力会社にもよりますが31円/kWh程度まで高騰しています。太陽光発電の余剰電力を売っても以前ほど利益が得られなくなっており、売電するよりも自宅で使ってしまったほうが経済的メリットを得られるようになってきました。
宇佐美さんは「今こそ、V2ZEHをBEV・PHEVと組み合わせることで価値が出ます」といいます。
「売電価格が安い今、自宅で発電した電力はすべて自宅で有効に使うのが一番お得になります。そこでV2ZEHの出番です。ほとんどのご家庭では、自家用車を自宅に停めてあるでしょう。そこで昼間の余剰電力で走行用車載バッテリーを充電するのです」
「簡単に電気代を計算してみますね」と宇佐美さん。
「もし電力会社から買電して充電するとbZ4X(ビーズィーフォーエックス) Zグレードなら2千円ほどの電気代がかかります。でも太陽光の余剰電力で充電すれば0円です。余剰電力として売っても1千円ほどにしかなりませんのでその差は2倍。BEV・PHEVを充電することで、より大きな経済価値を持つことになるんです」
自動車や住宅用蓄電池への充電、太陽光発電のコントロール、宅内での消費電力に応じた売買電はすべてHEMSという専用のシステムで自動的に行なわれます。
震度7でも「ほぼ無傷」? 消防署レベルの頑丈さを支えるユニット工法
災害から家族を守るためには、災害に強い住宅が必須です。耐震住宅は、ハウスメーカー各社が特色をうたっていますが、トヨタホームの強みはどのようなところでしょう?
「耐震等級3を標準としているところです※」と宇佐美さん。
耐震等級とは、建物の頑丈さを示す指標で、一般の住宅は建築基準法によって耐震等級1が求められています。公共性が高く災害時の拠点となる学校や病院では、一般家庭の1.25倍の強度を持った耐震等級2が求められます。耐震等級3は、警察や消防署に求められる最高基準で、強度は一般家庭の1.5倍。
その頑丈さは、どのようにして担保しているのでしょう?
宇佐美さんは「ユニット工法で、工場で高品質に作りこむことにより頑丈に建築できる」と説明します。
「ユニット工法とは、建築の要となる鉄骨の梁や柱をあらかじめ工場で溶接して組み立てる工法です。工場の精度と自動化技術などでしっかり接合し、ボックス型のユニットを作り上げます。現場ではユニット単位の組み立てが行なわれるので、熟練した一流の職人さんが建設したような正確さ、精密さ、頑丈さを担保した住宅ができます。どんなに複雑な間取りでも、どんなに広い家でも、ユニット工法なら頑丈な家になります」
頑丈な家は建物を支える柱や梁、耐震壁などの構造体が増えて、部屋の中央にドーンと柱が立ったり、大きな空間が作りづらく、壁や仕切りが多く、窓の小さい間取りになりがちです。しかし、今回体験した家の間取りを見る限り、大空間のリビングに大きな窓がありますが、これでも耐震等級3を満たせる秘密があるのでしょうか?
「開口部を大きく取れて設計の自由度が高い『鉄骨ラーメン構造』を使っています。ほかの構造だと耐震壁や斜めに渡すブレース(筋交い)などで強度を高めるための壁が必要になり、ドアや窓を作れません。基本的には壁や柱の数が建物の強さとなるため、大空間が作れないのです」
「鉄骨ラーメン構造は耐震壁やブレースではなく、梁と柱の接合部で構造を支えます。しかもその接合部は、工場の機械でユニット単位で正確・確実に溶接します。ですから同じ鉄骨造でも建設現場で接合するより、より高いレベルで接合できるため、お客様が大空間・大開口を希望されても、災害に強い耐震等級3を担保できるわけです」(宇佐美さん)
余裕のある空間は、家族が顔を合わせて毎日生活する上でも、快適性と開放感があり気持ちがいい。災害時には家族が1つになって、互いの顔を確認しながら避難ができるので安心にもつながるだろう。
避難所ではなく、ストレスの少ない自宅で家族と過ごす「在宅避難」
政府や地方自治体のガイドラインなどを見ると、現在は大規模災害時に自宅で避難する「在宅避難」が推奨されています。これは地域の世帯が一斉に公民館などに集まり過ぎると、プライバシーや衛生面、ストレスなどの問題が起きてくるためです。合わせて在宅避難者が支援から漏れることのないように制度の見直しも行なわれています。
宇佐美さんは「トヨタホームは在宅避難にも対応しています」と説明します。
「耐震等級3の建物が家族の皆さんを守ります。さらに震度7でも倒壊しないように設計されているので在宅避難も可能です。耐震性だけでなくZEH住宅の特徴を活かし、冬の防寒性にも優れています。寒い雨風や気温をシャットアウトして、日常に近い状態で家族みんなと顔を見ながら在宅避難ができます」
公民館や体育館などで凍える夜を過ごす映像がニュースなどで流れますが、寒冷地にも対応する高断熱住宅なので、着込めば十分に暖を取れるのがトヨタホームの特徴です。とくに小さな子供やお年寄りがいる家庭で、防災時でも寒さをしのげるのは重要です。
ニュースでたびたび登場するトイレ問題も、在宅避難なら大幅に問題解消されます。安全に在宅避難でき、寒さや衛生面も解消、なにより震災でストレスが増える生活の中でも、日常に近い自宅で避難できることがストレス軽減につながります。
スマホ充電からエアコンまで! 停電中も「いつも通り」が続く安心感
避難生活でもう一つ重要になるのは通信情報です。けが人や救急患者の搬送を依頼したり、救援物資や安否情報の確認など、地域に密着した災害情報を入手するのにスマホは欠かせません。しかしそのスマホも充電なしに使うことができないので、電気は非常に重要なインフラとなります。
過去の国内の大きな災害において、ライフラインが供給可能世帯の90%まで復旧するのにかかった日数のデータを振り返ると、電気の復旧が最も早く平均で7日間、長期化すると10日間ほどやり過ごせれば復旧するようです。水道は「あちらを塞げばこちらが漏れて」を繰り返すため復旧まで時間がかかるとみられます。ただし過去の災害では、当日~3日間以内に給水車の支援がありました。これが災害時に備えて3日分の水を用意する理由です。
一方、都市ガスは分断されると復旧まで数カ月間かかる場合があるようなので、電気で代用する手段があると安心です。
宇佐美さんは「トヨタホームは、V2Hや『クルマde給電』などにより在宅避難中に最重要な電源を確保できます」と説明します。
「V2Hを利用し停電時でも普段と同じように電力が使えます。電気自動車の充電器を車に接続し、車の走行用車載バッテリーを家に供給するモードにすると、家のすべてのコンセントがいつもと同じように使えます。居間や廊下の照明は、壁のスイッチを入れると点灯しますし、冷蔵庫はコンセントに差しておけば、そのまま使い続けられます。寒い夜なら、エアコンを使って暖房も可能です」
しかし、バッテリー残量には限りがあります。実際にはどれくらいの時間使えるのでしょうか?
「V2H非対応の一般的な家庭用定置型蓄電池の容量ですと10kWhほどかと思います。あとは1日にどれだけ消費するかで変わってきますが、スマホの充電やテレビ、照明などに加えて冷蔵庫を動かすとなると1日4kWhは必要になるので2.5日程度ですね。しかし、V2HでたとえばトヨタのbZ4X Zグレードをつなげると、最大で74.7kWh確保できます。住宅用蓄電池も合わせると84.7kWhになるので、単純計算で21日分の電源に相当します」
先の電気の復旧事例では10日間ほどだったので、その倍の電力を確保できる計算です。これなら寒い夜はエアコンで暖をとっても安心して家族で在宅避難できそうです。
「自家用車を、自由度の高いポータブル電源のようにも使えます」と宇佐美さん。
「V2Hを使わなくても、もっと簡単に車から家に安全に給電する『クルマde給電』を新築とリフォームで提供しています。トヨタのハイブリッド車などについているアクセサリーコンセント(非常時給電システム)を専用ケーブルでつなげることで、最大1,500Wの電力が家の特定の部屋で使えます」
家に給電しない場合でも、アクセサリーコンセントはポータブル電源のように手軽な使い方もできるので、レジャーから災害の規模に合わせて使い分けもできそうです。
災害のニュースで必ずといっていいほど報道されるのが、給油するために何時間もガソリンスタンドに並ぶ光景でしょう。停電時でも太陽光発電で車に充電できるのでしょうか?
「日常生活と同じように、太陽光発電の電力で車を充電できます。近所に住んでいる親族宅への行き来や通院、支援物資の受け取りなどで車で移動することもあります。しかし電気自動車ならガソリンスタンドで給油する必要がなく、災害時でも身近な存在としての愛車を使えることは安心につながります」
そのほか、電気自動車なら電気を運ぶことができるのもメリット。被災の影響が少なかった町で急速充電して、電気を家に持ち帰るという使い方も。電気の復旧に時間がかかる場合などは、こうして電力を確保することもできます。
日常も非常時にも活躍。電気を賢く使って環境にも配慮した生活はすぐそこ
bZ4Xを充電するには、先ほど説明したV2Hスタンド以外に、トヨタ純正の充電器を使う方法もあります。
「トヨタ6kW充電器」は、ケーブルと一体のコネクターを電気自動車に差し込んで、簡単に充電できるものです。壁掛けできるコンパクトサイズで場所を取らず、夜に充電しておけば翌朝には満充電の状態で出かけられます。
最後に、宇佐美さんがV2ZEHの印象的な将来像を語ってくれました「自家用車が家庭の蓄電池になると、発電量が天候や時間帯により変動する再生可能エネルギーを自家消費できるので、電力会社の電力網の安定運用にもつながります。つまり、V2ZEHは未来のモビリティ社会を支える社会インフラのひとつとなるポテンシャルがあるのです。家とクルマをあわせて、暮らしと移動の自由をセットにし、脱炭素社会に貢献したいと考えています」
ここまで説明したように、魅力的なV2ZEHと電気自動車の組み合わせ。導入の前にもう一つチェックしておきたいのが補助金の制度です。
ZEHや電気自動車、V2Hには国や東京都などの自治体による補助制度が利用できる場合もあります。制度により実施時期や条件が異なるため、利用できる可能性のある補助制度を早めに確認して上手に活用したいところです。
太陽光発電とV2ZEH、そして電気自動車はとても相性がよく、非常時だけでなく日常でも価値を生みだすエコな生活をサポートしてくれます。この取材を通して、そう遠くない近未来の住宅と生活を体験できました。
※プランにより異なる場合があります
撮影:木村和敬

















