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日本の家になじむポータブル電源「AORA」なぜ誕生した? BLUETTIに聞いた

BLUETTIの「AORA」シリーズ「AORA80」と同1,152Whの「AORA100」

ブルーティパワーは、2月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催されていたPV EXPO(スマートグリッド展)に、ポータブル電源ブランド「BLUETTI(ブルーティ)」のブースを出展。会場では3月4日に発売される、バッテリー容量が768Whのポータブル電源「AORA80」と同1,152Whの「AORA100」が公開された。

いずれもリン酸鉄リチウム電池を採用し、サイクル寿命は「AORA80」が3,000回以上で「AORA100」が3,500回以上。最長10年の長寿命を実現している。また家のコンセントを使えば、45分で80%の充電を、90分で100%の充電を完了させる高速充電を可能にした。

容量768WhモデルAORA80の魅力は、持ち運びやすい軽さながら1,000W出力で日常使いしやすい点。一方の1,152WhのAORA100は「あらゆる家電を動かせる」とするハイパワーの1,800W出力を備え、より用途が広い中型モデルという位置づけだ。

長く使うために重要な安全面では、6重にわたるBMS(バッテリーマネジメントシステム)の保護機能を持つ。そのほか、BLUETTIアプリを使ったスマートフォンでの遠隔操作にも対応し、リアルタイムでの状況確認や、ソフトウェアアップデートも可能なことも、使い続ける上での安心感につながっている。

AORA100の外装には、「UL94V-0」認証を取得した、難燃性能が最高グレードの「ABS-94V-0」材質を採用し、高い耐熱性、耐衝撃性、電気絶縁性能を備えている。一方で40dB以下という低騒音設計も、使い続ける中でうれしい部分。冷蔵庫やオーブンといった電気を使う家電にも使いやすく、より幅広いシーンで活きるモデルといえるだろう。

東京ビッグサイトで開催されたPV EXPO(スマートグリッド展)
BLUETTIの出展ブース

大容量なのに軽い「Premium 200 V2」にも秘密が

BLUETTIブースには、そのほかにもバッテリー容量が2,073.6Whで、出力が2,200Wの「Premium 200 V2」も展示されていた。同機はBtoB製品で、この容量から想像する重さとは大きく違って、持って分かるくらいに本体が軽かった。

Premium 200 V2

ブルーティパワーの顧問・川村卓正さんによれば「これはレーシングカーに使う、一般的なものよりワンランク上のバッテリーセルが搭載されています。そのためエネルギー密度が高く、同じボディサイズの市販モデルと比べると『Premium 200 V2』は、バッテリー容量が多いんです」とのこと。

放充電サイクル数は6,000回としていて、仮に毎日放充電を繰り返したとしても16年以上持つ計算になるほど、長く付き合える製品。また、AC充電であれば1.7時間で満充電になる急速充電や、動作音の静かさ(最小16dB~最大50dB)、切替時間0.015秒のUPS機能も備える。

さらに専用のスマホアプリでは充放電の確認や充電モードの切り替えなどの設定ができるといった、最新のポータブル電源ならではの機能が詰まっている。

タフ仕様のIP65防水防塵「AC60P」にも注目

コンパクトなポータブル電源AC60P(上)と、拡張バッテリーのB80P(下)はどちらもIP65防水防塵仕様

Premiumシリーズのもうひとつの注目製品が「AC60P」。ポータブル電源ではまだ珍しいといえるIP65の防水/防塵機能を備えており、屋外利用時の急な雨や砂ぼこりの影響を受けにくいのが特徴だ。

本体のバッテリー容量は504Wh、出力は600Wで持ち運びしやすいコンパクト設計。さらに同じくIP65の防水/防塵機能を持つ拡張バッテリー「B80P」(1台あたり容量806Wh)を最大2台接続して、容量アップできるのが魅力だ。

拡張バッテリー追加により最大2,116Whに容量を増やせることで、より幅広い用途や生活シーンに対応可能。本体購入後に容量を増やしたくなった場合なども柔軟に対応できる、ユーザーメリットの大きい製品だ。

AORAシリーズは日本人に合ったデザインと使いやすさを追求

BLUETTIは、アジアはもちろんヨーロッパや北アメリカを中心に110以上の国と地域に展開し、350万人以上のユーザー数を誇るブランドだ。そんな同ブランドが、日本という地域限定のモデルを発売するのは初めてのこと。ブランドの草創期から関わってきた、ブルーティパワーの顧問・川村卓正さんが、徹底的に日本人に向けた製品を開発してほしいと、指示したという。

110以上の国と地域に展開し、ユーザー数は350万人以上というBLUETTIのポータブル電源

「これまでは他と同じで、グローバルモデルを少しローカライズして日本で販売していました。でも、私を含めて日本人は、黒くて重厚感のある大きな物を家の中に置いておきたくないですよね。そこで色々と検討した結果、本体カラーを日本のリビングに置いても違和感を抱かない、今回のハーブグリーンに決定しました」(川村さん)

最初に紹介した「AORA」シリーズは、光沢のないマットなクリーム色に若干の緑色が入った、トレンドのくすみカラー。展示ブースの木目調の什器にも自然と溶け込んでいる。

本体カラーには、ハーブグリーンを採用している
ブルーティパワーの顧問・川村卓正さん

「日本のインテリアは、真っ白な壁紙というのは少ないですよね。少しクリーム色が入っている家が多いです」と川村さん。

確かにホワイト系の壁紙といっても、よくみれば真っ白なのは珍しいだろう。それにコンセントやスイッチのカバーは、少しくすみのある色という家も多いだろう。こうした色の方が、日本人にとっては過ごしていて落ち着くのかもしれない。

「本体カバーに印字されている文字や、ディスプレイ表示される文字も、できるだけ分かりやすいように変更しました」(川村さん)

よく見ると、確かにWhやHzといった単位表記は別として、「入力」や「出力」、「合計」などがすべて日本語になっている。川村さんが説明するように、人によっては「それだけ?」と感じるかもしれないが、「Input」や「Output」などと表記されているよりもシンプルに分かりやすい。

「入力」や「出力」、「合計」などがすべて日本語
ディスプレイ表示も、できるだけ日本語が使われている

災害時に役立つ製品開発への思い

このAORAというシリーズ名は「日本の青空」をイメージしたもので、クリーンエネルギーがもたらす未来の明るさと希望を象徴している。シリーズ第一弾となるAORA80とAORA100は、この名前が示す通り、日本のニーズやライフスタイルに合わせて設計。日本の室内空間にマッチするデザイン性と実用性を持たせた。

AORA80とAORA100は、BLUETTIが長年培ってきた技術がベースとしてあって、さらに日本のユーザーの声をフィードバックすることで、細かな部分まで日本らしさを追求した。

環境に配慮したデザインや日本語対応の操作パネルは、日本の消費者のライフスタイルによりなじみやすい製品に仕上げることを目的としたもの。機能面などの高い信頼性を損なわずに、こうした使いやすさの面も配慮したのが魅力といえるだろう。

日本市場に向けた限定モデルを開発した理由を、川村さんは次のように語る。

「地震や台風、または大雪など、自然災害の多い日本では、各家庭に一台ずつくらいポータブル電源を備えておいた方がいいと思うんです。日常生活の中に違和感なく溶け込んで、そして、電気に詳しくない人でも使いやすいものにしたいと思いました」

こう語る川村さんは、2011年の東日本大震災の際に、宮城県の女川町で災害支援のボランティア活動を行なっていたそう。その時に、多くの人たちが携帯電話を充電できずに困っていたことから、当時はまだ市場になかった、持ち運べる電源(今のポータブル電源)の必要性を実感。その川村さんの経験から、同社がポータブル電源を開発するに至っている。

BLUETTIブランドを立ち上げる前に開発された、リチウムイオン電池を採用した世界初の量産ポータブル電源

2024年の能登半島地震の際も、BLUETTIはすみやかに反応し、ポータブル電源やソーラーパネルを無償提供している。

「その時に、役所やボランティアの方が、ポータブル電源を被災現場へ手で持っていくのは大変だなと思って、日本でも販売を開始したのが『Handsfree』シリーズです」(川村さん)

同製品は、もともと登山などアウトドア向けに開発されたもの。名前のとおり、バッテリーを収納できるうえ、他の荷物も入れられるバックパックだ。容量は「Handsfree 1」が268.8Whで、「Handsfree 2」が512Wh。

「Handsfree 2」については、約100分でフル充電が可能。充放電サイクル数は6,000回と長寿命で、10Whのスマートフォンを約20回充電できる。

奥が「Handsfree 1」で、手前が「Handsfree 2」
バックパックの中にバッテリー専用の収納スペースが用意され、歩いてもガタガタと揺れないよう、マジックベルトで固定できる

また、同じく能登半島地震の際に必要性を実感したというのが、自動車のバッテリーを使って、被災地まで行く間の車の中で、バッテリー本体を素早く充電できる仕組み。これまでのシガーソケットでの充電では、遅々として充電が進まなかった。かといって、充電してから被災地へ向かうのでは時間がかかりすぎるからだ。

この課題については、オルタネーターDC充電器「Charger 1」を既に発売している。自動車に取り付けることで、560Wでポータブル電源を急速充電できる。なお同機は、BLUETTIだけでなく他ブランドのポータブル電源にも対応する。

これにより、例えば災害時に支援拠点から被災現場へ向かう途中の数時間で、ポータブル電源を十分に充電できる。

オルタネーターDC充電器「Charger 1」

前出の川村さんは、BLUETTIはこれまでも他社に先んじて最新技術を搭載したポータブル電源を発売してきたと語る。例えばリン酸鉄を採用したのも、AI搭載のバッテリーマネジメントシステムも、IP65準拠の防水/防塵性を備えたモデルも、同社が世界初だったという。今後も、より安全でより使いやすいポータブル電源が開発されていくことを楽しみにしたい。

BLUETTIスプリングセール3月26日まで開催!

ビックカメラ・コジマにおいて、BLUETTIプレミアムシリーズが、期間限定のセール価格で販売されます。アウトドアや防災に頼れる「AC60P」(IP65防水/防塵仕様)のほか、大容量モデル「AC180P」(容量1,440Wh、出力1,800W)などをお得に手に入れるチャンス!

セール期間:3月4日~3月26日
対象店舗:ビックカメラ・コジマの店舗 & ECサイト
対象製品:AC2P、AC60P、AC70P、AC180P、AC200PL、AC240P

販売ページ
ビックカメラ(AC60P)
コジマ(AC60P)

(提供:BLUETTI)