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日本の洗濯機をリードしてきた旧三洋からアクアへ。洗いの匠が生んだ「Prette」のスゴさとは?
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- アクア株式会社
2021年1月12日 07:00
「洗濯機の三洋」をご存じだろうか? 2007年からの数年間にかけて、かつての大手家電メーカー三洋電機の事業再編成などで、三洋というブランドは事実上消滅したため、20代くらいの方々なら、三洋の名前を知らない人も多いかもしれない。
しかし、その三洋の冷蔵庫と洗濯機事業は、現在は大型家電で世界ナンバーワンのメーカー「Haier」(ハイアール)グループの一員となって進化を続けている。それが「AQUA(アクア)」だ。旧三洋電機時代から数多くの製品を生み出してきた技術力や開発力を活かし、独自性のあるブランドとして日本市場で展開している。
とくに2020年に入って、AQUAブランドは製品の品質と価格のバランスで家電量販店でも目立つ通路側に展示されることが多くなった。爽やかな青いロゴを家電量販店で見かけた人も多いはずだ。
なかでも2016年ごろから注目されているのがAQUAの洗濯機だ。多くの縦型洗濯機は洗濯中の様子が見えない。しかしAQUAの縦型洗濯機はフタが広く透明になっており、洗濯中に洗っている様子が見えることからも人気に火がついた。小さなことだがAQUAが起こした1つの”革命”といってもいいだろう。
そして2020年秋に登場した「Prette」シリーズは、新たに“3つの革命”を起こし、家電量販店では老舗の国内メーカーに並んで販売されている。
“洗匠”たちが起こした革命は、数え切れない!
日本初の洗濯機は、バケツ型の東芝ともパナソニックともいわれているが、どちらも海外のライセンスを受けてのもので、洗濯槽の底にある棒がギッコン、バッタンとシーソーのように動くだけで、ほとんど汚れは落ちなかったという。
その翌年の1953年、三洋は、日本で始めてモーターで水流を作る「噴流式洗濯機」を発売した。
なんと最初は、縦型洗濯機の底で水流を作り出す「パルセーター」は、側面についていた。そして2年後の1955年には、パルセーターを底につけ、少ない水で洗える洗濯機「渦巻き式水流」を日本で初めて製品化する。
以来60年以上、現在まで縦型洗濯機の基本構造は変わっていない。さらに1956年には、内蔵ポンプで大量の水を滝のように流す機構を日本で初めて開発。これも今人気の某社の洗濯機で採用されている機構だ。例を上げればキリがないが、パルセーターを左右に回すようにしたのも、脱水機をつけたのも、全自動にしたのも、糸くずフィルターをつけたのも、超音波で気泡を発生させたのも、全部三洋が日本初。中には世界初という機能もあるほど。「洗濯機といえば三洋」というのは、これらのことが起源だ。
AQUAの洗濯機には「汚れはしっかり落として、衣類ダメージを軽減する」という開発コンセプトがある。
洗濯機という超アナログな機械を開発してきた歴代の、洗いの匠たち“洗匠”は、汚れを落とすだけでなく、生地にもやさしく、着心地のいい仕上がりを目指して開発している。これがAQUAが掲げるもうひとつのコンセプト「心地よさ、という品質。」だ。
AQUA 2020年革命【1】洗剤自動投入と超音波で汚れを弾き出す部分洗い
おそらく洗濯板を使っている時代から何百年も変わっていないのが“部分洗い”だ。汚れの激しい部分に石鹸や洗剤をつけて揉み込む。しばらく置いてから部分洗いして、本洗いするという流れ。
こうした中、AQUAは「超音波部分洗浄機」を使った部分洗いを、今回のPrette全モデルに搭載。洗濯機の奥にある引き出しを引っ張ると見えるのが、小さなトレーと蛇口のような突起。このトレーには、部分洗いにちょうどいい濃さに調整された洗剤液が自動的にたまり、蛇口のような部分には、超音波で1秒間に4万回振動するパーツを内蔵。これは生地を痛めないアルミの金属板でできている。
たとえば皮脂汚れのついたエリを、トレーの洗剤液につけながら部分洗浄機で1秒に4万回振動する超音波に当てれば、30秒ほど※エリを左右に動かしているだけで、手では取れなかった汚れまでキレイに! 衣替えの時に気になる、あの黄ばみ汚れの元を落とせるというわけだ。
※ワイシャツのエリを洗浄する時間の目安。同社実験による。衣類の素材、汚れの量・種類により洗浄時間が異なる。
コロナ禍の昨今は、マスクにファンデーションが付いたり、口紅が付くことから、おしゃれより機能性で使い捨てマスクを選ぶ女性もいると聞く。でもPretteがあれば、お気に入りの布マスクに付いたファンデや口紅が、面白いほど落ちる!
もちろんソースなどのシミ汚れも、生地に優しく、部分洗浄機で洗える。シミであきらめていたおしゃれ着がもう一度着られるなら、とてもうれしいことだ。
さらにエンジニアが胸を張って教えてくれたのが、部分洗浄機の強度だ。
「Pretteのいちばん便利な機能なので、何回も引き出して使用される方が多いと思います。そこで部分洗浄機を長く使い続けられるように、フレームやスライド部分などに金属の部品も多く使って、頑丈に作っているんです!」
強度もさることながら、使い勝手もよくするために、いろんな試作機を作って、何度もユーザー調査をして、最終的にこのカタチになったという。この本気具合は、ガチだ!
こうして歴代の試作版を見ていくと、百戦錬磨の“洗匠”たちではあるが、一発で決まらないときもあるようだ(笑)。
AQUA 2020年革命【2】国内最大※の14kgで週末まとめ洗いもどーんと来い!
洗濯機は時代とともに大容量化してきたものの、ここ数年は最大12kgタイプで停滞。しかしコロナ禍は、たくさんの家族が家にいるだけでなく、共働きだったり、食事をつくるのに大変でなかなか洗濯まで手が回らなかったりで、週末のまとめ洗いが増加。土日となると「洗濯の日」とばかりに、何回も洗濯機をまわすのが日常になった家庭や、コインランドリーを利用する人も多いはず。
2020年に発売されたPretteは、最大容量がなんと14kg! 国内最大容量※のモデルまで用意されている。しかも量販店にもお客さんにも好評なのだ。その人気の秘密が、12kgサイズと同じサイズで洗濯容量が2kgも増えているという点。
※国内全自動洗濯機において(2020年9月16日現在。アクア調べ)
よく見ると規格の洗濯パンに収まるように、12kgと14kgモデルだけ下部の設計が異なっているのだ。
5機種を同時リリースするのは、他メーカーではまずありえないこと。なぜなら売れ筋が分散し、製造が面倒になるから。しかしAQUAは「心地よさ、という品質。」を追求する会社。後述の通りできるだけ部品を共通化し、世界に製造拠点を持つHaierグループの一員となったことで、各ご家庭にジャストサイズの5機種を同時リリース可能だったという。
AQUA 2020年革命【3】液体洗剤・柔軟剤自動投入機能をサイズそのままに搭載!
従来の本体サイズのまま、液体洗剤と柔軟剤自動投入機能と、それぞれのタンクを本体の中に内蔵できたのもの大きな特徴。
もし、内蔵型ではなく取り外し式の洗剤と柔軟剤のタンクを採用していたら、前後や左右が数cm大きくなっていただろう。しかしAQUAは機構を見直してデッドスペースを有効活用することで、Pretteに洗剤と柔軟剤が丸々1パック入る約800mlのタンクをそれぞれ備えることができた。
また、洗濯機の洗剤投入口には、毎回の自動投入機能で洗剤や柔軟剤が経路に詰まらない機構を設けた。洗剤などの投入口にちょっとした工夫があり、ワインのコルクほどの部品を洗うことで、洗剤が詰まりやすい部分を、効果的にお手入れできるのだ。
そのため洗剤と柔軟剤のタンクは、本体内蔵でメンテナンスがラク。洗濯機から取り出す必要がなくなり、洗濯機のサイズを変更することなく、合計約1.6Lのタンクを内蔵することに成功したのだ。
しかも洗剤自動投入機構は、8kgモデルから14kgまですべて共通ユニットで標準化されている。そのため、品質も安定し、コストや製造工程を抑えられる。
こうした洗匠たちの基礎研究とエンジニアリングで、洗剤を入れ過ぎることもなく、またボトルの向きを間違えて洗剤をこぼしてしまうこともなくなった。コレは主婦にも主夫にも喜ばれるポイントだろう。「大抵のユーザーは洗剤を指定の1.5倍入れる」という洗剤メーカーの統計もあることから、多くの人は洗剤が長持ちし、すすぎの回数も減って水道代の節約にもなりそうだ。
洗濯をエンタメに。Pretteでおろしたての毎日
樹脂ではなく1枚ガラスのフタは、AQUAの洗濯機の象徴ともいえる。掃除機においてもサイクロン式のほとんどが、取れたゴミが見えるようにしている今、洗濯機も、よく使い込んでいる人ほど「中が見えるのがいい」という声が多いようだ。
Pretteの自動洗剤投入には、「パワフル泡浸透」機構を採用している。これは洗剤を洗濯槽に入れる際、水を何本かの滝状に流し、そこに大量の空気と洗剤を混ぜることで細かな泡を発生させ、繊維の奥まで洗剤を浸透させるもの。ドロドロと粘り気の多い高濃度洗剤は、通常はなかなか繊維の奥まで染み込まないため、この機構も洗浄力アップに貢献しているという。
また、三洋時代から70年以上も研究し続けているのが、底にあるパルセーター。立体水流を作りだし、ムラを抑えながら、しっかりと揉み洗いをするが、生地には優しいという最適な水の流れと洗濯物の揉み洗いを極めている。縦型洗濯機でよくある、汚れ落ちに特化した洗いだけでなく、生地に優しいドラム式のような洗い方も兼ね備えているのだ。
洗いを極めるため細部にまで同社が手を入れている例のひとつが、洗濯容量によるパルセーターの形状の違い。実は同じPretteシリーズだが、容量によって水流が変わることから、何種類ものパルセーターを使い分けている。
外側のデザインも人間工学的に考え抜かれており、通常は手前にある操作ボタン類を奥に配しているのが特徴。洗濯槽に洗濯物を入れたり出したりという動作のために、できるだけ洗濯槽を手前に配置して使いやすさを追求している。ボタンはそれほど長時間操作するものではないため、多少奥にあっても洗濯物の出し入れに比べれば楽。そこでボタンを奥に配置したようだ。
操作ボタンを奥に設置すると、フタを開けたときガラスに阻まれて操作できなくなっては問題だ。そこでPretteは操作部分のガラスを切り欠いてあり、フタを開けた状態でも操作が可能になっている。また、デザイン面では電源を押すとボタンがライトで浮かび上がる仕組みを、Pretteに備えている。これにより、電源OFF時はシンプルな佇まいになるのも特徴だ。
多くの洗濯機のフタはアクリルやポリカーボネイトで、使っているうちにくすんできたり変色してしまうと残念だが、Pretteは強化ガラスのため何年経ってもクリアでピカピカ。またフタがバタン! と急に閉まらないように、衝撃吸収のバネ(ダンパー)も付いていて、ケガの心配もなく安心だ。
AQUAの魅力はとにかくシンプル「高性能なのにコスパ抜群!」
三洋時代の製品からそうだったが、AQUA製品の良さは、高性能&高品質なのにリーズナブルなこと。Pretteの乾燥機能は本格的なものではなく簡易乾燥機能という点はあるものの、洗剤自動投入機能が付いた他社のモデルと比べると、2~3割は低価格に設定されている。
【Pretteの実売価格】 編集部調べ
8kgモデル 85,000円前後
9kgモデル 95,000円前後
10kgモデル 110,000円前後
12kgモデル 130,000円前後
14kgモデル 140,000円前後
これまでの説明でお分かりいただけたと思うが、AQUAの製品が高機能なのは、国内の“洗匠”たちが「時代の変化によりそい、心地よさという品質」を求め続けてきたからだ。ではなぜ他社より安く作れるのか?
その秘密は、親会社であるHaierが世界ナンバーワンの大型家電メーカーという点にある。生産台数が桁違いで多いため、部品や材料を大量に仕入れており、コスト競争力がとても高い。国内有名メーカーでも、製造や部品調達を各国から行なって、品質を担保した上で安く作ろうと頑張っている。その一方でAQUAの洗濯機に使われる部品の数々は、グローバルに部品を調達しているHaierのサプライヤーに支えられている。つまり全世界レベルで品質のよい部品を大量に仕入れることができるのだ。
その部品は、ネジやモーター、バルブといったものから、プラスチック樹脂や鉄板、ガラスやゴムなどの原材料にいたるまでさまざま。最終的な組み立ても、中国だけでなく世界各国に展開されている工場で生産される。
とくにAQUAの日本向けの製品については、熟練工しか立てない専用ラインで生産され、日本のスタッフと工場との密な連携によって、日本特有の品質基準を守っているというわけだ。
今回、新たに作られた「洗剤・柔軟剤自動投入ユニット」は、実はどの容量の洗濯機にも合うように汎用的な設計がされている。ハイアールグループ内での技術交流は盛んに行なわれており、今後、世界中にある他のハイアールブランドの洗濯機にも搭載されるかもしれない。
「洗濯機はAQUA」が世界の共通認識になる日も近い?
洗濯機に数々の革命を起こし続けてきた、かつての三洋と今のAQUAが、今度は「部分洗い」に革命を起こした。世界的にマスクが必要なこの時代、超音波部分洗浄機による部分洗いの必要性は重宝されるだろう。そしてシミ汚れ落としに悩んでいる人は、日本人だけではないのだ。もしかすると、この部分洗いが世界のこれからのスタンダードになるかもしれない。
Pretteという革新的な洗濯機で、AQUAという日本の会社が知られることが多くなった2020年。そのファンの数も増えており「洗濯機ならAQUA」といわれる日が来るのも近いかもしれない。それは、Pretteで採用された長年のノウハウの蓄積や、新しい独自技術の数々から見ても、あながち間違いじゃないことがお分かりいただけるだろう。
協力:アクア株式会社