読者投稿

TEACのオープンリールデッキ「A-2500」

「わたしの思い出家電」は、自宅にある、もしくはあった懐かしい家電製品を、それにまつわる思い出とともに紹介する読者投稿コーナーです(編集部)

メーカー・製品名
TEACのオープンリールデッキ「A-2500」

投稿者
愛媛県 木村パパさん

購入時期
1969年頃

購入時の金額
30,000円くらい

思い出

昭和40年代は僕らが青春の真っ只中にいた頃で、オーディオが一番華やかなりし時代だった。やれ、スピーカーはどこそこのメーカーだ、アンプはラックスマンがいい音を出す、プレーヤーは……などと友達と話していた。

またその頃、ラジオ放送はAMにFMが加わり、ラジオが盛んな時期でよくFM放送を聴いていた。AMとは違って、ステレオでしかも高音質だった。当時、LPレコードは高価で、薄給のサラリーマンだった自分は、せいぜい何カ月に1枚、ボーナス時期に1~2枚買っていたものだ。そんな中でのFM放送は魅力的で、これをエアチェックするのが流行っていた。自分も、小さなセットデッキよりもより高音質のオープンリールデッキを、と求めたのがこのTEACのオープンリールデッキだった。

今でも音を鳴らす優秀なこの製品。当時、オープンリールデッキは高額で、分割払いで買った記憶がある。この頃、市販のオープンリールのミュージックテープは、CBSソニーなどから数多く発売されていた。しかし、ミュージックテープは欲しいのものの、なかなか高額で買えない……。そんな時、このFM放送はありがたかった。

当時の「FMファン」という雑誌、確か2週間か3週間分のFM放送の番組表の他に、当時のレコードなどの音楽事情の批評などが満載で、よく読んでいた。それに、そのFMファンの雑誌の表紙には、いつも当時話題になったレコード(例えば、サイモンとガーファンクルなど)が表紙を飾っていた。その表紙のレコードの演奏がFM放送で流されると、必ずエアチェックしたものだ。

その表紙のレコードの図柄の大きさが、ちょうどオープンリールの箱に合わせた大きさだったので、エアチェックを終えた後は、その箱に貼り付けていた。それからというもの、音楽を聴くのには、このTEACのオープンリールが欠かせないほどだった。それほど、このデッキは活躍した。

今でも、このデッキにテープをセットして聴くことがある。テープをデッキにセットするのはかなり面倒な操作であるが、この面倒さ、手間ひまをかけるのがなんとも言えないのだ。このオープンリールデッキを見ると、当時のことが思い出される。

今でこそあまりFMは聴かないが、当時はFMを聴いて、今どんな音楽が流行っているのか、音楽事情を知る情報源だった。当時、オープンリールのテープは、SONYの「スーパーローノイズハイアウトプット」とかいうテープを使っていた。いい音が出ていた。今、書棚にある埃をかぶったオープンリールテープを見ると、当時のことが懐かしく思い出される。CDやブルーレイオーディオにはないアナログの暖かさがある。

投稿募集

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