パナソニックなど、利用者ごとに好みの明かりが演出できる「知的照明システム」

~二子玉川の「カタリストBA」に設置
知的照明システムが導入される、「カタリストBA」の全景図

 パナソニック、同志社大学、東京急行電鉄、東急建設、きんでんは、照明の明るさと光色を人工知能で制御し、利用者の満足度と生産性を向上する照明システム「知的照明システム」を、東京・二子玉川の「カタリストBA(バ)」に設置した。

 今回導入された知的照明システムは、同志社大学理工学部の三木光範教授が研究・開発したもので、“日本初”となる無線式の照度センサーを用いることで、施設の利用者ごとに異なった明るさの設定ができる点が特徴。利用者の好みに応じた「適光・適所」の明かりが演出できるほか、センサーが無線式のため、利用者がフレキシブルに利用場所を選択することも可能となる。利用者の満足度と、労働生産性の向上への寄与も期待できるという。

 また、「会議」や「アイスブレイク/リラックス」、「プレゼンテーション」など、オフィスのさまざまなシーンに合った調光・調色も可能。知識の創造に対する貢献も期待されるという。

 このほか、一般的なオフィス照明に比べて、使用電力量を約半分カットするなど、省エネ面でも貢献できる研究成果もあるとされる。

知的照明システムの全体イメージ。無線の照度センサーを用いることで、個別の照明の制御が可能となる

 具体的な使用方法は、ユーザーが作業を行なう場所に無線センサーを置き、パソコンやスマートフォンなどの個人の端末を使って、WEB上のインターフェースで、センサーの初期値を設定する。この後、必要な明るさと光色が自動的に制御される。各シーンの明かりを選択する場合も、パソコンやスマートフォンなどの各端末から選択できる。

 今回システムが設置された「カタリストBA」は、二子玉川にクリエイティブな産業が集まるよう、都市環境を創出する活動を行なう組織「クリエイティブ・シティ・コンソーシアム」が運営・管理している。次世代のオフィスモデルの研究を実践する場として、ワークショップなど知的創造活動の場として使用されている。同組織の会員のほか、一般の利用も可能。カタリストBAのような利用者を特定しない場所に知的照明システムが導入されるのは、日本で初という。

 カタリストBAの所在地は、東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズのオフィス8階。 利用には事前の申し込みと所定の利用料が必要。

 なおパナソニックは、同システムにおける調光・調色形のLED照明器具を提供している。東京急行電鉄は施主、設計・施工は東急建設ときんでんが担当する。

システムの操作画面のイメージ。「会議」「プレゼンテーション」など、シーン毎に応じた制御も可能。色温度や点灯時間など、細かい制御もできるカタリストBAに導入される、知的照明システムの構成図。パナソニックが照明器具を提供している
実際の照明のようす





(正藤 慶一)

2012年9月7日 00:00