20代の口腔状態が最も深刻、フィリップス調べ

 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、20~60代の男女1,030人を対象に「お口の老化と歯間ケアに関する調査」を実地した。調査によると、口腔の老化が最も進んでいるのは20代で、若年層ほど口の老化が進行していることが明らかになった。

 調査では、口腔状態をチェックするために宝田歯科医院 宝田恭子医師監修のもと「お口の老化チェックリスト」を作成。歯のケアや口内状態、ライフスタイルや環境についての設問を11個用意し、チェック数に応じて現状の口腔状態を分類した。「歯を磨かずに寝てしまう、もしくは深夜24時以降に歯磨きをすることが多い」、「口臭がある(気になる)」「偏った食生活になりがちだ」などの項目が並ぶ。

 20~60代の対象者にチェックリストを実地したところ、歯肉炎が進行して口腔の老化が始まっている可能性の高い「口内老化注意報」に該当する人が全体の56.9%と最も多く、初期の歯周病で口の老化が進行している「口内老化警報」(38.6%)、歯周病が進行している「口の末期症状」(4.2%)と続き、口内になんらかのトラブルを抱えている人が多いことが明らかになった。

 世代別では、口腔状態がより深刻な「口内老化警報」「口の末期症状」「口内崩壊」のいずれかに該当する人が最も多かったのは「20代」(48.6%)が最も多く、「30代」(48.1%)で、「40代」(44.2%)、「50代」(43.7%)、「60代」(31.1%)と年代が高くなるほど該当者数が少なく、年層ほど口の老化が進行しているという結果になった。

 また、「口腔内のことでなんらかの悩みがあるか」との設問には67.3%の人があると回答。最も多い悩みは「食べ物などがつまりやすい」で、半数以上の55.4%が挙げている。次いで、歯周病や虫歯知覚過敏などの口腔疾患(43%)、口臭(39%)、歯の着色(37.7%)となった。

口腔状態がより深刻な「口内老化警報」「口の末期症状」「口内崩壊」のいずれかに該当したのは、20代が最も多く、若年層ほど口の老化が進行しているという口の悩みで多かったのは、「食べ物が詰まりやすい」(55.4%)だった

 一方、食べ物などのつまりを取り除くためにデンタルフロス、歯間ブラシ、糸幼児、電動口腔洗浄機などを使った歯間ケアをどれくらいの頻度で行なっているかを尋ねると、44.5%の人が「ほとんど(または全く)していない」と回答。その理由としては「面倒くさいから」(59.2%)が半数以上を占め、フィリップスでは歯間ケアに対する煩わしさが心理的ハードルになっていると指摘する。

歯間ケアは面倒、手間がかかると感じている人が多い歯間ケアの頻度と口腔内の状態を比較していみると、口の老化が進行しているほど、歯間ケアをしていない割合が高いという結果になった

 今回の調査を監修した宝田恭子医師は、歯間ケアについて「歯周病や虫歯は、歯ブラシがうまく当たらない歯と歯の間から発症する傾向が強く、ブラシがあたらない箇所は2日で50%もの食べカスが歯垢のもとになるほどです。歯と歯の間こそ、最も気にかけてケアをすべきところなのです」とコメントする。

 なお、口の老化が進行している人の食生活の傾向を調査してみたところ、73.8%の人が「甘いものがすき」と回答、また「外食しがち」(52.1%)、「インスタント食品やファーストフードをよく食べる」(49.4%)など、偏った食生活を送る人が目立った。歯周病の原因菌である歯垢(プラーク)は、糖分をエサに増殖するため甘い物を多く摂取する食生活は歯周病のリスクを高めるという。

 フィリップスでは、審美的に老化を避けたいと思う顔のパーツで「歯」と答える人が半数以上いたことから、今後歯のアンチエイジングも一般的になってくるのではないかとみている。

口の老化が進行している人の食生活は、糖分が多く、偏っている傾向が強かった老化を避けたい顔のパーツはという質問で最も回答が多かったのは、歯で63%だった





(阿部 夏子)

2012年5月17日 14:04