東芝、沖縄宮古島市で「全島エネルギーマネジメントシステム」を構築へ

~来間島では再生可能エネルギーの“100%地産地消”を目指す

 東芝は、沖縄県宮古島市における、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを取り入れたシステム構想「宮古島市全島エネルギーマネジメントシステム(EMS)実証事業」と「宮古島市来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」の委託事業者となったことを発表した。事業期間は2011年度から2014年度までの4年間。

 沖縄県宮古島市は、沖縄本島から約300km離れた場所に位置する。市の総面積の78%を占める宮古島のほか、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島から成る。島内には現在、沖縄電力の発電所があるが、エネルギー資源の多くを島外に依存しており、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを活かすことが課題となっていた。

 宮古島市における全島エネルギーマネジメントシステム(以下、全島EMS)実証事業は、全島のエネルギーを集約管理し、地域内の電力需要を制御するシステムを実証するというもの。太陽光や風力といった再生可能エネルギーを導入し、効率的に運用していくことが目的となる。再生可能エネルギーの系統電源との連係や、電力需要に合わせた運用、ピークシフトなどへの対応策や、エネルギー消費の見える化を通じた省エネの実現などのサービスモデルも検討する。

 具体的には、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)からなる全島EMS、ビル5棟分の設備や機器の運転を管理するBEMS、計測した電力量をディスプレイで表示し、家庭200戸分の電力消費データを収集するスマートボックス(AMIシステム)などを配備。地元テレビ局の宮古テレビと連携し、システムを設計していくという。

宮古島市全島エネルギーマネジメントシステム(EMS)実証事業

 来間島における再生可能エネルギー100%自活実証事業は、来間島内の電力消費量の比率を再生可能エネルギー100%にすることを目指すもの。

 来間島は、宮古島の南西約1.5kmに浮かぶ人口約200人の島で、宮古島からは橋で結ばれている。

 来間島に適したEMSのあり方や、蓄電池の最適容量、最適配置を検証したうえで、島内エネルギーの“100%地産地消”の実現性を検討するという。

宮古島市来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業

 東芝では、地域や電力会社と連携して、エネルギーの需要供給を集約して管理する環境配慮形都市「スマートコミュニティ」構想を打ち出してきた。既に実証事業として、「横浜スマートシティプロジェクト」や「イタリア・ジェノバ市スマートシティプロジェクト」、「フランス・リヨン市スマートコミュニティ実証事業プロジェクト」などにも参加している。

 これらの経験を活かし、宮古島市における“日本初の島嶼型スマートコミュニティ”の事業モデルを創出するとしている。






(小林 樹)

2011年10月27日 14:00