三菱、出力が210Wにアップした太陽電池モジュール

~台形モジュールで屋根にフィット
標準モジュールと、下段左から台形(左用)モジュール、正方形(ハーフ)モジュール、台形(右用)モジュール

 三菱電機は、出力が210Wに向上した単結晶太陽電池モジュール「単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール210Wシリーズ」4機種を10月28日より発売する。希望小売価格は標準モジュール「PV-MA2100C」が149,940円。台形モジュール「PV-MA1050LC/PV-MA1050RC」と正方形モジュール「PV-MA1050HC」がいずれも74,970円。

 単結晶太陽電池モジュールで、出力が従来の200Wよりも5%高い210Wとなった点が特徴。1つ1つのセルの受光面積を増やすために、「グリッド電極」と呼ばれる受光面の集電電極を従来比約20%細線化した。これにより受光面積が増え、電流値が増加したことで、出力性能が向上した。また、光の取り込み量を増やすため、モジュールの表面には、低反射ガラスを採用し、光反射を約3%抑えた。

 さらに、さまざまな形状の屋根や、狭い都市部住宅の屋根にフィットするよう、モジュールの形状も増やした。用意されるのは、長方形タイプの標準モジュールのほか、正方形タイプ、左右の台形タイプの計4種類。これにより、屋根の形に合わせ、スペースをたっぷり使って設置できるという。また、寄棟屋根のような、4方向に勾配を持つ屋根にもフィットする。

標準モジュールのみ使用した場合正方形・台形モジュールも使用した場合

 モジュールには、耐候性・耐湿性・密閉性に優れた「3層構造バックフィルム」を採用。耐蝕性メッキを施したフレームやネジ類を使って作られているため、塩害地域にもそのまま設置できるという。

 施工には、屋根の野地板ではなく、垂木に固定する「垂木固定施工方式」を採用。少ないネジ本数でもしっかり設置するという。また、雨水の浸入を防ぐため、防水シート/コーキング材/取付金具のブチルシート/木ネジパッキン部分による4重の防水処理がなされている。

3層構造バックフィルム屋根の野地板ではなく、垂木に固定する、垂木固定施工方式

 端子ボックスには、多結晶タイプよりも光電気変換効率が高く電流値が増加することから、放熱効率が多結晶タイプよりも約10%高いボックスを採用した。

 同社ではこれまで、多結晶タイプの190Wシリーズと、単結晶タイプの200Wシリーズを展開してきた。新たに出力210Wの太陽電池モジュールをラインナップすることで、“業界最高”の電力変換効率97.5%を謳う「三菱住宅用太陽光発電システム向けパワーコンディショナ」と組み合わせて、都市部住宅などの限られた屋根面積を有効活用する「屋根たっぷり発電」を提案していくとしている。

 長方形タイプの標準モジュール「PV-MA2100C」のサイズは1657×858×46mm(幅×奥行き×高さ)。重量は17kg。セル枚数は50枚。

【お詫びと訂正】初出時、太陽電池の種類を「CIS薄膜」としておりましたが、正しくは「単結晶」です。訂正してお詫びさせていただきます。






(小林 樹)

2011年8月31日 15:16