ダイソン、自在にコントロールできる“ボール型”サイクロン式掃除機

「DC36 carbon fibre turbinhead(カーボンファイバータービンヘッド)」と、ジェームズ ダイソン

 ダイソンは、ボール型の本体形状を採用したサイクロン式掃除機「DC36」シリーズ3機種を発売した。希望小売価格はオープンプライス。

 オンラインストアでの販売価格は、ヘッドにモーターを搭載した、最上位モデルの「DC36 carbon fibre moterhead(カーボンファイバーモーターヘッド)」が89,800円、ヘッドのブラシが気流で動く「DC36 carbon fibre turbinhead(カーボンファイバータービンヘッド)」が84,800円、犬などのペットのケアツールが付属する「DC36 carbon fibre pet care(カーボンファイバーペットケア)」が94,800円。

最上位モデルの「DC36 carbon fibre moterhead(カーボンファイバーモーターヘッド)」犬などのペットのケアツールが付属する「DC36 carbon fibre pet care(カーボンファイバーペットケア)」「DC36 carbon fibre turbinhead(カーボンファイバータービンヘッド)」
本体正面本体側面本体裏面
本体背面連結部は可動式になっている操作ボタン

 独自のルートサイクロン技術を搭載したダイソンのキャニスター型掃除機の新モデル。DC36では、本体の操作性を向上させるためボール型の本体形状「ボールエンジニアリング」を採用している点が特徴。

 同社によると、従来のキャニスター型掃除機は、ホイールが固定されているため、自分の意図していない方向に動くことが多く、方向転換が難しかったという。DC36では、360度方向転換可能なボールエンジニアリングを搭載することで、この問題を解消。モーターや排気口、フィルター、電源コードなど主要部品の全てを格納するほか、車輪としての役割も兼ねる。本体をボール形状にすることで、本体重心が低くなり、狭いスペースでの方向転換も可能だという。

製品の各部品の説明製品カットモデルボールエンジニアリングのカットモデル

 スムーズな操作を可能にするため、ボールの中心部分を軸とした「セントラル・ステアリング構造」を採用、車輪部分には4つのベアリングを搭載し、360度の方向転換に対応する。また、急な動きに対応するため、ホースとの連結部分にはスプリングを内蔵。左右50度まで自在に動かせるため、よりコントロールしやすいという。

従来のキャニスター掃除機では難しかった、直角の方向転換360度方向転換できるボールエンジニアリングによってスムーズな操作が可能連結部も左右50度まで自在に動かすことができる
自らプレゼンテーションを行なうジェームズ ダイソン

 新モデルのプレゼンテーションは、ダイソンの創業者でもあるジェームズ ダイソン自らが行なった。新技術のボールベアリングについて「ベアリングを使ったことによってより滑らかな動きが可能になり、方向転換も楽に行なえるようになった」と話した。

 DC36では、同社の製品技術の核でもあるサイクロン技術も見直し、新たに「ラジアルルートサイクロン技術」搭載した。ラジアルとは、放射線状を表す言葉で、ラジアルルートサイクロン技術では、本体に14搭載されているサイクロン構造を放射線状に、均一に配置している。これにより、気流が均一に流れるようになり、より強力な遠心力を発生できるようになったという。

 また、遠心分離を行なう前に大きなゴミを捕える「シュラウド」部分の素材を変更。従来より網目の小さいメッシュ素材を採用したことで、分離効率が向上したという。これらの変更により、内蔵されているフィルターのお手入れ頻度が、従来の2年に1度から、4年に1度に変更されたほか、運転音は最大4dB小さくなった。

新たに搭載れた「ラジアルルートサイクロン技術」14あるサイクロンが均一に配置されている内蔵されているフィルターのお手入れ頻度が4年に1度になった

 ジェームズ ダイソンは、サイクロン技術について「日本の様々なメーカーも、サイクロン技術により吸引力が落ちないということを言っているが、ダイソンのサイクロン技術は全てが特許取得済み。つまり、吸引力が落ちないサイクロン技術はダイソンにしか、実現できない」とし、サイクロン技術の分離率(サイクロン技術によってゴミと空気がどれくらい分離されているかの割合を示すもの)を調査したグラフを公開。

 グラフでは、東芝やシャープ、パナソニックなどサイクロン技術を搭載した日本メーカーの掃除機とダイソンの掃除機の分離率を比較。それによると、ダイソンのゴミ分離率が99%であるのに対し、日本メーカーのサイクロン式掃除機は25%~60%といずれの低い数値を示していた。

製品のカットモデルを手に熱弁するジェームズ ダイソンダイソンが独自に調査したゴミの分離率

 「ダイソンのサイクロン式掃除機は、ほかのどの掃除機よりも多くのゴミを吸い取ることができる」と独自の技術への自信を見せた。

 また、DC36は日本限定モデルとして発売される。「日本のユーザーに物を作るのはとてもエキサイティングなこと。世界のどの国よりも、日本のユーザーが製品の完成度を求めている。今日、ここ日本で新製品を発表できるのは、とても幸せ」と話した。

ブラシは床面の帯電を抑える効果がある「カーボンファイバー(炭素繊維)ブラシ」を採用する

 ヘッドブラシは、床面の帯電を抑える効果がある「カーボンファイバー(炭素繊維)ブラシ」を採用。静電気により床に付着した微細なホコリまで取り除くことができるという。

 本体サイズは3機種とも同じで、223×438×290mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6.26kg(ホースや電源コードを含む)。替えブラシとしてミニT字型ノズル、コンビネーションノズルが付属する。

 なお、今回の新製品発表会は、東京国立博物館 法隆寺宝物館で行なわれた。会場にはDC36を使ったオブジェなども展示され、幻想的な雰囲気を演出していた。以下、写真でご紹介する。

今回発表会が行なわれた東京国立博物館 法隆寺宝物館
建物の前には、DC36を使ったオブジェが展示されていたクリアな台座の上にDC36が置かれている夜になると、全く違う雰囲気を醸し出す





(阿部 夏子)

2011年8月30日 12:51