パナソニック、「アラサー」のシングル層向け家電シリーズを披露

~開発陣も“アラサー世代”が結集

「100% Design」にて展示された、ナイトカラーシリーズ
 パナソニックは、同社が11月1日より発売するシングル層向け家電シリーズ「NIGHT COLOR(ナイトカラー)」について、東京・神宮外苑で行なわれているデザイン展「100% Design」にて、10月30日、商品説明会を開催した。ラインナップの詳細は、以下の表の通り。

品名型番発売日店頭予想価格
スチームオーブンレンジNE-A26211月1日5万3千円前後
IH式炊飯器SR-HA1023万3千円前後
空気清浄機F-PJD353万5千円前後
スティック型サイクロン式掃除機MC-U52J12月20日2万円前後
全自動洗濯機NA-FS60H112月25日6万5千円前後
冷蔵庫NR-C379MG2010年1月15日16万円前後


基本的には黒一色だが、部分的に、模様が描かれた「コモンブラック」デザインとなっている。
 ナイトカラーは、「夜の家事パートナー」をコンセプトに、30歳前後のいわゆる“アラサー”世代へ向けた家電シリーズ。洗濯機では運転音を抑えた低騒音設計、炊飯器では少量のごはんが炊けたりなど、仕事の後でも使いやすい機能を備えている点が特徴となる。また本体の一部には、遠くから見ると黒一色だが、近くで見ると小紋柄の模様が見える「コモンブラック」カラーを採用している。

 ラインナップは、スチームオーブンレンジ「NE-A262」、冷蔵庫「NR-C379MG」、スティック型サイクロン式掃除機「MC-U52J」、IH式炊飯器「SR-HA102」、空気清浄機「F-PJD35」、全自動洗濯機「NA-FS60H1」の6商品。洗濯機と炊飯器と空気清浄機は、現在発売中の製品のカラーを変えたものだが、冷蔵庫とオーブンレンジと掃除機は新製品となる。

冷蔵庫


冷蔵庫「NR-C379MG」は、内容量365Lの冷蔵庫。本体サイズは590×624×1,800mm
(幅×奥行き×高さ)
表面はガラス素材を採用しており、記者が写真を撮影する姿が反射している。コモンブラックの模様は扉全体にあしらわれている冷蔵庫内部のようす。冷蔵室の容量は216L。野菜室は83Lで、冷蔵室は66L。年間消費電力量は11月2日現在、明らかにされていない

オーブンレンジ


「NE-A262」は、庫内容量26Lのスチームオーブンレンジ。“ヘルシーメニュー”として、きのこのサラダや野菜炒め、焼きそばや鶏のから揚げなどのコースが用意されている本体下部に搭載されているのが、スチームを発生するためのタンク部分。タンク容量は300ml

IH式炊飯器


IH式炊飯器「SR-HA102」は、“茶碗1杯”という0.5合から5.5合まで、幅広い炊飯が可能本体上部の操作パネル。コモンブラックの模様がある炊飯器内部。釜には「大火力銅釜」を採用する炊飯メニューは白米のほか、無洗米/おこわ/おかゆ/玄米/雑穀米などにも対応する

洗濯機


洗濯機「NA-FS60H1」は、洗濯容量6kgの洗濯機。送風による簡易乾燥機能を備えている本体上部から見たところ。操作部にコモンブラックの模様が配されているフタは静音性を重視した二重構造。運転音は洗濯が33dB、脱水が44dBとなっている。運転時間は約48分

空気清浄機


空気清浄機「F-PJD35」。適応床面積は16畳まで。加湿機能は備えていない除菌/脱臭効果のあるイオン機能「ナノイー」の発生装置も搭載しているスクエア形のデザインが特徴

スティック型サイクロン式掃除機


スティック型掃除機の「MC-U52J」。ノズルにはパワーブラシを備えている。運転音は約67dB使用中のようす。未使用時は部屋に立て掛けられるので、使いたいときにすぐ使えるというメリットがある集塵容量は300ml。サイクロン式のため、紙パックは不要

作る側も“アラサー”、自分たちにピッタリの商品を

コミュニケーショングループ 宣伝企画チーム 岡橋藍氏
 30日に行なわれた商品説明会では、ナイトカラーの開発陣が登壇。ナイトカラーの開発陣も“アラサー”世代が中心となっているという。

 「私たち“アラサー世代”はライフスタイルが多様化しており、シングルやDINKS世帯が増えています。その一方で生活家電に関しては、“夫婦プラス子供”のファミリー層に向けた表品提案やプロモーションが中心。そこで、社内の商品企画やデザイン、プロモーション部門からアラサー世代のメンバーが集まって、『自分たちにぴったりの、まさにコレが欲しい』といった商品を作り、提案していこうという話になりました」(パナソニック コミュニケーショングループ 宣伝企画チーム 岡橋藍氏)

各部門の“アラサー世代”が集結し、従来のファミリ向けとは違い、同世代のユーザーに向けた商品を展開していく狙いだがある
 ナイトカラーの一番のターゲットには、家電の買い換え時期を迎えた、アラサー世代のシングル層に設定しているという。


 「アラサーのシングル層のライフスタイルは、平日の昼間は仕事で非常に忙しく、夜に家事をするというのが一般的。そのため夜の家事をサポートできるよう、『こだわりの機能』を搭載しています」(岡橋氏)

 「こだわりの機能」の具体的な内容については、たとえば洗濯機では、「インバーターモーターを採用しているので、とっても静か。夜の洗濯も安心」(商品グループ 家事商品チーム 主事 消費生活アドバイザー 小杉彩氏)という静音性が、またオーブンレンジでは「本格スチームと両面グリルで、ヘルシーメニューがさっと作れる」(小杉氏)という、調理スピードの手軽さが特徴となっている。このほか冷蔵庫では、本体正面のドア材にガラスを採用し、フラットなデザインとなっている。

 本体カラーを黒で統一した理由について、HA先行開発グループ グローバル企画チーム 主任意匠技師の三浦斉氏は、「黒は一見するとかなり個性的だが、実はインテリアにフィットする色。言ってみれば“黒子”のようなもの。アラサー世代のベーシックなライフスタイルや価値観にフィットする上質感がある」と説明。また、コモンブラックというデザインについては「伝統の『小紋柄』を現代風にアレンジしたもの。上質な物を求めるアラサー世代にフィットするように、小粋でオシャレな感じを出す狙いがある」とした。

商品グループ 家事商品チーム 主事 消費生活アドバイザー 小杉彩氏HA先行開発グループ グローバル企画チーム 主任意匠技師 三浦斉氏
ナイトカラーの一番のターゲットは、家電の買い換え時期を迎えた、アラサー世代のシングル層だというコモンブラックのコモンとは、昔ながらの「小紋柄」という意味も込められている


コーネリアスが「NIGHT COLOR」家電の動作音をサンプリング

 ナイトブラックシリーズのプロモーションについては、“色・音・香り”の3点を中心に行なっていくという。

 まず「色」については、黄/青/赤で統一されたそれぞれの部屋に、ナイトカラーの商品を配置するというカラフルなポスターを用意。黄色/青/赤という「光の三原色」を混ぜると黒になることから“いろんなライフスタイルを持った人にフィットする家電”という意味を込めて作成されたという。

 「生活家電のことを白物家電と呼ぶが、ナイトカラーは“黒い白物家電”ということがニュース。この黒い商品を、いかにインパクトを持たせて登場させるかがポイントだった」(コミュニケーショングループ クリエイティブチーム 主事 鈴木拓也氏)

コミュニケーショングループ クリエイティブチーム 主事 鈴木拓也氏NIGHT COLORの宣伝ポスター。鮮やかな色の中に製品の黒さが強調されている(地下鉄の青山一丁目駅にて撮影)

テーマ楽曲を手がけるのは、コーネリアスこと小山田圭吾さん。アラサー世代にはお馴染みのミュージシャンだ
 また「音」では、ミュージシャンのCornelius(コーネリアス)こと小山田圭吾さんによる、ナイトカラーの6製品の動作音をサンプリングしたオリジナル楽曲を用意。広告やイベントなどを繋ぐテーマ楽曲として使用していくという。なお、この楽曲はナイトカラーのホームページにて、11月3日から夜間限定(18時から翌4時まで)で聴ける。

 「小山田さんにはパナソニックのオフィスに来社いただき、実際の商品を使っていただいた。家電の音は地味なので苦労されていたが、とてもマッチする曲を作っていただけた」(鈴木氏)

 「香り」については、アロマショップのニールズヤード レディメーズとの共同で、夜の家事にピッタリ合うという香りのアロマ「NIGHT TIME」を用意したという。

 説明会が開催された「100% design」のパナソニックブースでは、色/音楽/香りをテーマとしたインスタレーション(空間芸術)を用意。テーマ楽曲や香りが楽しめるほか、ナイトカラー製品群も見ることができる。100% designの開催は10月30日から11月3日まで。時間は11時から20時まで(最終日は19時半まで)。入場料は2,000円。

会場で提供された軽食は、すべて黒で統一されたドリンクも黒ビールと黒ウーロン茶という徹底っぷり

11月3日まで開催される「100% Design」では、NIGHT COLORを題材とした空間芸術が展開されている。小山田さんによるテーマ楽曲も聴ける100% Designの会場は明治神宮外苑。最寄り駅は、地下鉄の青山一丁目駅とJR信濃町駅




(正藤 慶一)

2009年11月2日 13:03