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使いやすいキッチンってどんな形? TOTOで見てきた
2025年12月12日 17:15
TOTOが展開するシステムキッチン「ザ・クラッソ」。8月には、調理家電が手元で手軽に使用できる「コンセント付き2段引き出し」や、マグネット式の収納用品を取り付けられる「マグネット対応パネル」などのアイテムを追加し、使いやすさをさらに向上させている。今回は実際にザ・クラッソのキッチンを体験してきたため、使い勝手などについてレポートしたい。
総務省統計局によると昭和56年~平成2年の日本のキッチンは、壁などでダイニングなどほかの空間と区切られている独立型が30%、DK(ダイニングキッチン)が39%、LDK(リビングダイニングキッチン)が30%だった。それが平成28年~平成30年にはLDKが72%にまで増加。独立型キッチンは15%、DKは11%となっている。
キッチンがリビングと同じ空間に設置されることで、生活空間に調和するデザインが求められるようになったほか、共働き家庭の増加などによりキッチンを利用する人数が増え、「時短」や「共同作業のしやすさ」といったニーズが高まるなど、時代に合わせてキッチン空間も変化してきた。
TOTOのザ・クラッソは「美しい、使いやすい、きれい」をコンセプトとしたシステムキッチン。調査を通じて、キッチンにはデザイン性、使いやすさ、清掃性の3つが求められると考え、好みの空間に調和し、ムダのない動きで調理でき、汚れにくく掃除が簡単なキッチンを目指して開発している。
汚れた手でも使いやすいタッチレス水栓
実際に体験して最も使いやすいと感じたのが「タッチレス水ほうき水栓LF」。水栓側面のセンサーに手をかざして水を出したり止めたりできるため、お肉を触って手が汚れていてもスムーズに水を出して手を洗うことができる。
濡れた手で水栓を触らずに済むため、水栓が汚れにくいのもポイント。またL字形状のため、一般的な斜めに伸びている水栓と比べて大きな鍋が洗いやすいとのことだ。
水栓の隣に配置されているのは「きれい除菌水」の生成器。水を電気分解して次亜塩素酸を含む除菌水を作り出す仕組みとなっている。ミスト状のきれい除菌水を吹きかけることで、排水口の網カゴのヌメリを抑えたり、まな板や包丁、布巾の除菌ができるという。こちらもタッチレスで使用可能。
シンクは排水口に向かって傾斜が付いた「スクエアすべり台シンク」を採用する。シンクに落ちた野菜くずや食べ残しなどが排水口に集まりやすい設計だ。排水口の網かごにも傾斜を設け、ゴミが1カ所に集まりやすいようにしている。
引き出し式キャビネットにも使いやすい工夫が。まず深さがしっかりとあるため、大きめのフライパンなども立てて収納でき、取り出しやすい。また、包丁入れの近くにまな板やラップなどを入れられるスペースが設けられているのも、わざわざ自分で収納グッズを揃えたりする必要がなく便利そう。オプションで収納スペースを仕切れるバーや、ツールスタンドも用意されている。
キッチンの掃除で大変な部分といえば換気扇だが、TOTOの「ゼロフィルターフードeco」は、その名の通りフィルターを搭載しないレンジフードだ。撥油コートを施したファンが回転することでファンに付着した油を弾き飛ばし、油はファン下部に設置されたオイルパックに溜まる仕組み。ファンは10年間手入れ不要で使えるため、普段は整流板とオイルパック、レンジフードの内側を拭き取るだけと手軽にメンテナンスできる。
そしてザ・クラッソの最大の特徴ともいえるのが「クリスタルカウンター」だ。透明度の高いエポキシ樹脂製で、表面をつや消し仕上げにすることですりガラスのような質感に仕上げている。光を反射するため、キッチンを明るく見せるのにも一役買っている。
半透明の樹脂ということで、調味料などをこぼしたらシミになってしまうのではないかと不安になるが、しょうゆやラー油を垂らしてひと晩おいたものでも色移りなどはまったくなく、サッと拭き取るだけできれいになっていた。また、傷が付いてしまった場合でも、一般的なスポンジの不織布面(硬い面)でこすってカウンター表面を薄く削ることで、元通りのなめらかさが復活する。
耐熱温度も360℃と高く、鍋敷きの使用を推奨してはいるが、うっかり熱々の鍋を直に置いてしまっても問題ないとのこと。ガラスのような見た目でありながら、ステンレスのようにガシガシ使える印象だ。カラーバリエーションは12色で、リビングやダイニングのデザインに合わせて選ぶことができる。
理想の暮らしを叶えるキッチン
TOTOの国内住宅設備事業における売上高で約7割を占めるのがリモデル(リフォーム)事業だ。いくつかのデータをもとにTOTOが立てた予測では今後、築20~49年の住宅が増えていくことなどから、リフォームの需要は引き続き堅調に推移するとみている。
同社はキッチンを「リモデルの入口」として据え、ショールームでも最初に目に入るところに展示。多様なニーズに応える製品を展開し、理想の暮らしの実現をサポートしていくという。
ザ・クラッソの価格は、基本プランが91万円~、おすすめプランが116.5万円~、クリスタルプランが136.3万円~、機能充実プランが166.8万円~、マンションリモデルプランが110.3万円~(いずれもI型、間口2,550mの場合)。組立費は別途必要。

















