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シャープ、家電製品の品揃え強化で国内販売に弾み
~市松模様のアート冷蔵庫「MiYABi」も投入
(2014/11/19 13:14)
GDP低下も製品を強化することで、影響はなし
シャープは、年末商戦向けの国内営業戦略について説明した。
シャープ 執行役員 国内営業本部長の宮永良一氏は、「合展や個展などを通じて、顧客や販売店の声を聞き、製品化につなげるという体制が強化されたことで、お茶プレッソをはじめとするヒット製品や、市場ニーズを捉えた製品が登場。かつてのような『目のつけどころがシャープ』といわれる製品が出揃ってきた。GDPのマイナス成長が発表されるなど停滞感を感じさせる要素もあるが、『目のつけどころがシャープ』といわれる製品を出し続けることで影響はないだろう」などと述べた。
また、シャープ 国内営業本部副本部長兼シャープエレクトロニクスマーケティング社長の細尾忠弘氏は、お茶プレッソの好調ぶりを改めて強調。
予想以上の販売実績となっていることを示したのに加え、「お茶プレッソはシャープにとって第1弾のチャレンジ商品。これに続く第2弾商品製品のコードレスサイクロン掃除機のFREEDは、軽量であり、コードレスでどこでも誰でも利用できるという特徴が評価されている。高齢者にも利用できる掃除機であり、掃除機の文化を変えるものである。そして、チャレンジ商品の第3弾となるのがプラズマクラスターイオン発生機のIG-GTA20。トイレの天井にあるE26形状の口金に直接取り付けるだけで、LED照明として利用するとともに使用していない時にはプラズマクラスターイオンで臭いを取り、トイレを清潔な環境にすることができる。プラズマクラスターイオン発生機が一家に一台以上の提案につながる」と、新たに投入した製品が好調であることに言及。
「チャレンジ商品は、新たな需要を創出するとともに、新たな価値を創造する商品となっている。これは、販売店による顧客総訪問活動を支援する商品であり、顧客の家庭などへの持ち込み提案が行なえる商品アイテムを拡大できた。文化を変える提案だけでなく、これからは文化を超える提案をしていく」などと述べたほか、「2013年度に家庭で支出が増えているのは、通信費、電気代、医療費など。これを減らすことができる提案が必要である。また、健康寿命への関心の高まりや女性の社会進出増加に伴う家事労働負担の減少に対する提案が、家電に集まっている。シャープは、より快適で、より健康で、より楽しいライフスタイルの提案を行なっていく」などと述べた。
市松模様を施したアート家電
さらに、新たな製品戦略として、アート家電の「MiYABi」を投入したことにも言及。赤と黒の市松模様を施したメガフリーザー冷蔵庫「SJ-GTR500」として限定数量で販売する。基本性能はメガフリーザー冷蔵庫SJ-GT50Aと同等だ。
「冷蔵庫の普及率は100%近いが、キッチンとリビングがひとつになるなかで、冷蔵庫をはじめとする家電のデザインを気にする人が増えている。健康調理を追求した機能性と操作性、そしてデザイン性を兼ね備えた製品として限定数量を販売していく。量販店だけでなく、百貨店などでも販売をしていくことになる」(シャープエレクトロニクスマーケティングの細尾社長)という。メガフリーザー冷蔵庫は、シャープ八尾工場で国内生産を行なっているが、「ガラス表面の赤と黒の塗装も国内で行っており、国内生産だからこその発色を実現している」という。
MiYABiでは、お茶プレッソ、ジュースプレッソ、ヘルシオオーブン、ヘルシオ炊飯器の各ヘルシオシリーズのレッドカラーを基調とした製品との組み合わせによって、トータル提案を行なっていく。
また、細尾社長は、今後、コードレスサイクロン掃除機のラインアップを強化していく姿勢を示したほか、来年春には、新たなロボット掃除機を投入する計画であることを明らかにし、「海外メーカーに負けない商品を揃えていく」と語った。
電力自由化に向けて弾みをつけたい
一方、太陽光発電については、クラウド蓄電池による提案を加速。ソリューション型のビジネスを強化する姿勢を示した。
シャープ 国内営業本部副本部長兼シャープエネルギーソリューション社長の真鍋政尚氏は、「クラウド蓄電池およびクラウドHEMSにより、効率よくエネルギーを活用する環境を提案。さらにブラックソーラーによる太陽光発電モジュールでは、66万軒にのぼる施工事例をデータベース化し、そこから屋根の形に最適化した提案が可能。コーナーモジュールをうまく活用することで、同じ屋根の大きさでありながら発電量は1.5~1.6倍に増やすことができ、さらに美観にも優れたモジュール設置ができるようになる。2016年度の電力自由化により、7兆5,000億円の市場が開放されることになる。そこに向けてどんな提案ができるのか。それに向けて弾みをつけたい」と語った。
来年1月からはエネルギーソリューションのテレビCMを開始する予定であり、シャープの太陽電池モジュールやクラウド蓄電池を核にした提案を加速する考えだ。
また、合展の会場では、クラウド蓄電池を体験してもらうために、「蓄電茶屋」コーナーを設置。クラウド蓄電池を使って稼働させたお茶プレッソで煎れたお茶を飲みながら、蓄電池の有用性などについてじっくりと説明する場を提供。これが商談成立に効果を発揮しているという。
国内営業本部長の宮永良一氏は、「国内営業部門では、AQUOS 4Kやプラズマクラスターイオン発生機などを中核にしたBtoC、ソーラーや蓄電池、HEMSによって実現するZEH(ゼロエネルギーハウス)によるエネルギーソリューション、デジタルサイネージやオフィスソリューションによるBtoBといったそれぞれの分野において、特長商品や特長ソリューションを開発。それらをテレビCMや交通広告、店頭販促、フェア、合展によるトータルプロモーションによって実売を強化していく。とくにAQUOSは3年ぶりのテレビCMを開始し、4Kやクアトロンプロの強みを訴求する」と年末商戦に向けた意気込みを語った。