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楽天、安い電気を簡単に届ける「電力マネジメントサービス」

 楽天エナジーは、電力の選択を代行して、顧客に安い電気を簡単に届ける「電力マネジメントサービス」を12月1日に開始する。

 楽天エナジーが、顧客に代わって電力の需給契約者となり、既存の電力会社や新電力などから最適な電力を調達し、従来よりも安価に電気を供給する。

電力マネジメントサービスのイメージ
プレゼンテーションで示されたマネジメントサービスの導入例
現在、デマンドレスポンスが実施されている3電力会社

 顧客側は、面倒なシステムの理解や手続きを省略し、ワンストップで安い電力が手に入るという。当初の顧客は、楽天トラベルでつながりのあるホテルや旅館などを想定している。会場のプレゼンテーションや質疑応答では、九州のホテルが実例として紹介された。

 サービスの実地エリアや、現行の電力料金との差などについては、今回は明らかにされなかったが、楽天エナジーが、ピーク時の電力消費を抑えることで対価を得るデマンドレスポンス事業の対象地域が、東京電力、関西電力、九州電力の管内であることから、この3つのエリアでの導入が先行する可能性が高い。

2012年7月に楽天ソーラーを開始して以来の動き。広い分野に手を付けている
楽天が新事業を始める際の規範。その1。エネルギー事業はこれに合致しているという
その2。規制緩和など事業状況が変わるタイミングを重視している
プレゼンテーションで、事業状況の変化の例として示された通信事業の推移
“楽天経済圏”をベースにした規模の大きさが事業の支えとなる
楽天が想定するB2B2Cのコンセプトに沿った電力供給事業の一例

 楽天エナジーは、楽天がエネルギーサービスを行なう際のサブブランド。法人向けに、再生可能エネルギー、エネルギーソリューション、パワーサプライの3事業の提供を目指している。

菅原雄一郎グリーンエネルギー事業長
今回の新サービスは、まだジャブの段階で、次に大きなストレートパンチを用意しているという

 楽天の菅原雄一郎グリーンエネルギー事業長は、質疑応答などを通じて、「楽天エナジーの事業目的は収益を上げること」であると述べた。なお、具体的な売上実績や目標金額などについては公開されず、「単月の赤字はあっても、全体として黒字が確保できるような状態にしている」、「事業として存在感のある存在をめざしている」とのみ述べた。

 また、家庭用のソーラー販売業務である楽天ソーラーについては、「当初目標を上回っており堅調である。最近は、蓄電池や、電気自動車との連携などの案件も増えてきている」という。

伊達 浩二