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パナソニック、光の取り出し効率を2.5倍にした高効率有機EL素子を開発

~LED照明器具と同等以上の発光効率を実現

発光面積25平方cmの素子

 パナソニック エコソリューションズ社は24日、世界最高効率の白色有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)を開発したと発表した。発光面積は1平方cmで、114lm/Wの発光効率は世界最高としている。

 また、発光面積25平方cmの有機EL素子でも、110lm/Wの高い効率を実現した。

 有機ELの発光層は、ガラスや空気よりも光の屈折率が高く、内部で反射して閉じ込められてしまう光が多かった。今回の素子では、フィルム、ガラス、空気の配置が最適になるように積層することで、光の閉じ込めを抑制し、従来素子の約2.5倍の光を取り出せるようにした。光の取り出し効率は約50%に向上している。

 今回開発された高効率素子を用いた有機EL照明器具は、市販されている蛍光灯器具(約60~80lm/W)やLED照明器具(約80lm/W)と同等以上の発光効率が得られる。これにより、一般家庭向け照明器具を含む広い範囲への応用が期待されるとしている。

 有機ELは、面発光するため広い範囲を照らすことに向いており、直視してもまぶしくないという特色があり、次世代の照明器具への応用が期待されている。また、今回の素子では、素子寿命が約10万時間という長寿命を実現している。

 今回の素子は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて、出光興産、タツモ、長州産業、山形大学、青山学院大学と共同で実施している「次世代高効率・高品質照明の基盤技術開発プロジェクト」の技術開発成果となる。また、使用している高効率リン光材料は、米Universal Display Corporationから提供されている。

伊達 浩二