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安倍首相、施政方針演説で原発再稼働を明言

 安倍晋三首相は28日、衆議院本会議で行なった施政方針演説において、「安全が確認された原発は再稼働します」と明言した。

 今回の施政方針演説は、第2次安倍内閣発足後初めて行なわれたもので、政権の方針を明らかにする役割を持っている。安倍首相は、東日本大震災からの復興、経済成長への意志、外交・安全保障など、広い範囲に渡って語った。

 そのなかで、経済成長のためには、企業にとって日本が魅力的な場所であることが必要であるとして「世界の優れた企業は、日本に立地したいと考えるでしょうか。むしろ、我が国は、深刻な産業空洞化の課題に直面しています。長引くデフレからの早期脱却に加え、エネルギーの安定供給とエネルギーコストの低減に向けて、責任あるエネルギー政策を構築してまいります」と述べた。

 そのためには、「東京電力福島第一原発事故の反省に立ち、原子力規制委員会の下で、妥協することなく安全性を高める新たな安全文化を創り上げます。その上で、安全が確認された原発は再稼働します」として、現在、関西電力の2基を除いて稼働を停止している原子力発電所の再稼働を明言した。

 また、「省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、できる限り原発依存度を低減させていきます。同時に、電力システムの抜本的な改革にも着手します」として、再生可能エネルギーや電力システム改革へも言及した。

 国内の原子力発電所は、2012年5月5日に北海道電力泊原発3号機が定期検査入りして、すべて停止した。しかし、その後、政府が関西電力大飯原発の再稼働を認め、3号機が7月5日7時に定期検査から復帰し、続いて再稼働した4号機とともに発電を行なっている。

伊達 浩二