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北海道電力、火力発電所のトラブル原因解説を掲載

~重ねての節電を要請

 北海道電力は15日、同社管内の火力発電所の現状に関する情報をWebで公開した。

 この記事は、節電を要請するコンテンツの一部として「急増する火力発電所トラブルの早期復旧を目指して」と題して公開されたもので、先月からたて続く、火力発電所のトラブルについて、その原因と対策を解説している。

 火力発電所のトラブルが増加している基本的な原因としては、東日本大震災を受けて泊原子力発電所が停止していることがある。

泊発電所稼動時と停止後の電源別ロードカーブ。原発が停止した分を火力で補っている
火力発電所の設備利用率の状況(4~12月)。2011年3月の東日本大震災以降、火力発電所の稼働率が高まり、泊原発の停止以降は常時稼動に近い状態になっている

 本来の発電計画では、原子力発電所をベースに、電力需要の増減に応じて火力発電所が稼働して発電量を調整している。しかし、ベースとなる原子力発電が停止したため、火力発電所を常時稼働させる必要があり、高出力の連続運転によるトラブルが発生しやすくなっているという。

 年度ごとのトラブル件数では、2010年度の39件に対し、2011年度は52件に増加した。さらに、2012年度は76件と、2010年比で約1.9倍に達している。

計画外停止・出力抑制発生件数(4~12月)

 また、具体的なトラブル対策についても紹介されており、早期に復旧させる必要があるため、通常時とは異なる特別な対応が取られていることがわかる。

 北海道電力では、「安全を最優先に、24時間体制でトラブルの早期復旧に向け全力で取り組み、供給力の確保に努めています」とし、一層の節電を呼びかけている。

 北海道電力の管内は寒冷な地域で、冬期に最大需要期を迎えるという特徴がある。このため、今冬は電力会社では唯一、7%という数値目標のある節電要請を行なっている。節電期間は、3月8日までの平日で、1日のうち8時~21時が対象時間帯となっている。

伊達 浩二