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北海道電力、今冬の電力供給状況の中間まとめ

~厳寒期を前に一層の節電を要請

 北海道電力は9日、今冬の節電期間中の電力供給状況をまとめた。

 同社の管内は寒冷な地域であり、冬期に最大需要期を迎えるという特徴がある。今冬は、電力会社の中で唯一「2010年度比で7%以上」という数値目標を持った節電要請を行なっている。

2010年度と今年度の最大電力推移グラフ。下の段の気温グラフと見比べると、気温が下がると電力需要が増えるという関係がわかる

 今回発表されたレポートによれば、10月~12月分では2010年度比で4~5%程度の節電という実績が上がっている。

10月~12月までの需要は、2010年比で4~5%のマイナス

 しかし、2012年12月27日には最大出力が548万kWに達し、電力需要が7%の節電目標の基準である538万kWを越えた。当日は記録的な寒波による暖房器具や融雪機器の高稼働が原因とされている。

12月27日は12月としては記録的な寒波だったため、暖房器具などが稼働したとみられる

 また、12月30日には、計画されていた苫小牧火力発電所1号機の補修計画による停止(25万kW)に加え、伊達火力発電所1号機(35万kW)の計画外停止と同2号機の出力抑制(17.5万kWに低下)が加わり、供給力が518万kW程度まで低下した。

 当日は、気温が高めだったことと、年末年始時期だったため供給に問題はなかったが、12月27日のような高い電力需要があった場合には需給が逼迫した可能性があったとしている。

12月27日のような寒い日に、12月30日のような計画外停止が発生すると、需給が逼迫する可能性がある

 北海道電力では、一般的な節電の呼びかけに加え、供給力の強化や企業向けの緊急節電要請スキームなどを進めているが、これから厳冬期を迎える時期だけに一層の節電を呼びかけている。

11月2日の時点でも、発電設備の計画外停止リスクに注意を喚起していた

伊達 浩二