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パナソニック、GOPANで作った玄米パンの試食会を秋田県庁で開催

 パナソニックは、ライスブレッドクッカー「GOPAN(ゴパン) SD-RBM1001」で作った玄米パンの試食会を秋田県・秋田県庁で開催した。

試食会が開催された秋田県庁
3月1日発売の「GOPAN(ゴパン) SD-RBM1001」で作った玄米パンの試食が行われた
玄米パンの材料には、秋田県産のあきたこまちが使用された

 このイベントは、米の消費拡大を目的として、秋田県と合同で開催したもの。GOPANは、2010年に三洋電機が発売した生の米をすりつぶしてお米パンを作る「ライスブレッドクッカー」で、その独自の技術により、発売当初から、注目を集めていた。GOPANは、パナソニックによる三洋電機の統合後も、独自のブランドとして展開しており、3月1日に発売するSD-RBM1001で三代目となる。

 秋田県はGOPANを米の消費拡大を図るためのツールとして着目。初代GOPAN発売当時から、自治体による購入補助金制度を設けるなど、GOPANを活用してきた。背景には、秋田県のブランド米「あきたこまち」を全国に広げる狙いなどがあり、秋田県では、GOPAN専用あきたこまちなどを2011年11月からインターネットで販売している。

2011年11月からインターネットで販売しているGOPAN調理用のあきたこまち。計量済みでこのまま本体に投入できる
秋田県の特産品を使った「あきたオリジナルGOPANレシピ」などの冊子も用意されている
いぶりがっこなど秋田県の特産品を使ったレシピが並ぶ

 今回の試食会は、新しいGOPANの発売のタイミングにあわせて、1月31日、2月1日の2日間に渡って行なわれた。会場は、秋田県庁地下一階にある食堂の前で、お昼時の11時から13時まで開催された。今回試食を行なったのは、新モデルのSD-RBM1001で作ったあきたこまちの玄米パン。SD-RBM1001は、ホームベーカリーとしては初めてインバーターモーターを採用したモデルで、本体サイズと運転音を従来より大幅に低減した点が特徴。設置面積は約25%コンパクトに、運転音は従来の60dBから50dBに抑えた。

新モデルに搭載されている改良後の羽根。分解可能で、お手入れしやすいという
左の従来モデルの羽根に比べるとかなり形状が異なっている。新モデルではミル羽根の凹凸形状により、静音性能を向上している
右が従来モデル、左が新モデル。設置面積は約25%コンパクトになった

 試食会では、秋田在住の料理研究家 渡辺恵美さんが、発案した7種類のレシピが用意された。レシピは、いぶりがっこや、ハタハタのメンチカツなど、秋田県ならではの特産品と組み合わせたものや、納豆や大葉など、玄米パンならではの組み合わせも。試食会に訪れた県庁職員や、県庁に訪れた人からは、「いぶりがっことパンがあうなんて」、「玄米そのままだと食べにくいけど、パンにすると食べやすい」などの声が挙がっていた。

試食会で提供された6種類のレシピ。左上から時計回りに、納豆、ハタハタのメンチカツ、りんごと生姜の甘酒煮、豆腐+塩麹+すりごま+鮭、豆腐+塩麹+すりごま+とんぶり、クリームチーズ+いぶりがっこ(写真では、クリームチーズ+いぶりがっこが2つ並んでいる)
試食会の様子。県庁職員や県庁に訪れた人などで賑わっていた
それぞれ好みのパンを手にしていた

 試食会には秋田県知事の佐竹敬久(さたけのりひさ)氏も来場。佐竹氏は、自身が工学部出身ということもあり、玄米パンの味はもちろん、本体サイズや運転音が小さくなったGOPANについて、担当者にしきりに質問していた。また、会場には、秋田県・男鹿市の民俗行事に登場する「なまはげ」も訪れ、会場を盛り上げていた。

秋田県知事の佐竹敬久(さたけのりひさ)氏も来場
秋田県・男鹿市の民俗行事に登場する「なまはげ」も訪れた

 秋田県では、早い時期からGOPANを積極的に推奨してきたという経緯もあり、ほかの県に比べ認知度が高い。来場者は、展示されていた新モデルを前に「こんなに小さくなったんだ」と、前モデルからの変更点にも敏感に反応していた。中には「ここで買えないのか」という人もいたという。

パナソニック コミュケーショングループ プランニングチームの中和田美紗氏

 自治体や農家と連動した今回のような取り組みは初代GOPAN発売当時から、積極的に行なわれていたもの。パナソニック コミュケーショングループ プランニングチームの中和田美紗氏は、今回の取り組みについて「GOPANの基本コンセプトとして、発売当初から掲げている米の消費拡大に乗っ取ったもの。メーカーだけでなく、自治体などと一緒にすることに意味がある」と語る。

 また、同社では、GOPANのマーケティングとして資生堂やユニクロなどの企業で玄米パンを使った「ヘルシーランチ」を提供するサービスなども実施。「発売当初は、まず米からパンが作れるということだけで、話題になっていたが、今後は製品の定着化を進めていきたい。米パンを食べる理由や米パンである必要をユーザーに提案することで、GOPANの価値やメリットを浸透させていき、一般的なホームベーカリーとの差別化を図っていきたい。そのために、まずは玄米パンなどのヘルシー提案、そして産地がわかる米をを使えるというメリットを活かして、食の安全性という点でも訴えかけていきたい」と語った。

 今後の展開については「今回のような試食会の事例をたくさん作ることで、さらに製品の可能性を拡大させていきたい」と語り、今後は農林水産省での試食会も予定しているという。

阿部 夏子