コクヨなど3社、置くだけでパソコンやスマホが充電できるデスクを試作
コクヨファニチャーは、モバイル機器へのワイヤレス充電が可能なオフィス用デスクを、インテルと村田製作所と3社協働で試作したと発表した。今後、実用化に向けて開発を進めていくという。
コクヨファニチャー、インテル、村田製作所が試作したオフィス用デスクのレイアウトイメージ |
試作されたオフィス用デスクは、村田製作所が開発したワイヤレス充電システムの送電モジュールを内蔵しており、デスク上に同システムの受電モジュールを搭載するノートパソコンやマウス、タブレット端末、スマートフォンなどの機器を置くことで、ワイヤレスで充電できるというもの。25Wのワイヤレス電力伝送が可能で、伝送効率は70~80%になるという。
村田製作所によると、ノートパソコンなどのモバイル機器へ充電するためには、20Wを超える高い電力伝送が必要となるが、発熱やモジュールの小型化が困難なことから、これまで実現できなかったという。しかし新モジュールでは、送受電の電極間に発生する電界を利用してエネルギーを伝送する「電界結合方式」を採用し、電極部分の発熱を無くした。
また、デスクやモバイル機器に組み込みやすいよう、独自の回路設計技術によってモジュールを小型化。モジュールの電極の厚みはわずか0.1mm程度とした。これにより送電側では、充電台をデスク内に組込みやすくなり、位置の自由度を高めた。受電側では、受電モジュールのサイズは97×11×46mm(幅×奥行き×高さ)となり、モバイル機器の厚みを変えずに搭載できるという。
デスクには、モバイル機器の設置場所を指示する「インジケート発光」機能と、充電開始を知らせる「アナウンス発光」機能を搭載している。
デスクの形は2通り用意した。それぞれサイズは2,400×700mm(長さ×奥行き)と、1,852×966mm(同)。
開発の背景には、近年のモバイル機器の持ち運び利用が増え、ACアダプタを必要としない、ワイヤレス充電のニーズが高まっていることがあるという。コクヨファニチャーではこのデスクによって、バッテリーの残量やACアダプタの携帯を気にせずにモバイル機器を使用でき、新しい働き方や環境を提案するとしている。
(小林 樹)
2012年9月27日 12:40