日立、本格的な小籠包が作れるスチームオーブンレンジ

餃子や小籠包など従来のレンジでは作れなかったメニューを搭載

焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-JV300

 日立アプライアンスは、本格的な小籠包が作れるスチームオーブンレンジ「焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-JV300」を、6月10日より発売する。価格はオーブンプライス。店頭予想価格は14万円前後。

 一台でスチーム/オーブン/レンジ/グリル/過熱水蒸気調理ができるスチームオーブンレンジ。日立のヘルシーシェフは、マイクロ波で皿を発熱させて食品を焼く「はかって両面グリル皿」と、皿内にスチームを充満させる「焼き蒸しふた」を使って行なう、レンジ加熱とスチーム加熱を組み合わせた焼き蒸し調理が特徴。これにより、ギョウザや野菜炒めなど、従来のスチームオーブンレンジでは難しかった焼き調理にも対応する。

製品本体。パールレッドパールホワイト扉を開けたところ
カットモデル本体側面部水を入れて使用するスチーム用のタンク
独自の「焼き蒸しふた」がついた「はかって両面グリル皿」グリル皿はメニューによって高さを変えて使用する焼き蒸しふた。スチームを充満させるため、独特の形をしている
餃子などこれまでのオーブンレンジでは難しかったメニューも可能ヘルシーシェフで作った餃子。焼き目もついて、食感もパリっとしている

 新モデルのMRO-JV300では、従来の焼き蒸し調理に過熱水蒸気を加えた新たな加熱方法を搭載した。これにより、蒸気の温度コントロールが難しい小籠包なども作ることができるという。新たな焼き蒸し調理では、スチームをふた内に充満させてから、オーブン加熱することにより、スチームを高温な過熱水蒸気に変化させる。これにより、ふた内を高温に保つことができるため、蒸気の温度管理が難しい小籠包も作ることができるという。

スチームとオーブン加熱を組み合わせることで高温の過熱水蒸気を充満させる小籠包は、温度管理が難しく、蒸気の温度が低いと皮が破けてしまうという。MRO-JV300では、安定した高温の過熱水蒸気により安定した加熱ができるMRO-JV300で作った小籠包。肉汁が溢れだす本格的な仕上がりだ

 また、庫内底面の3カ所に重量センサーを配置した「トリプル重量センサー」を従来から継承している。これにより、自動で加熱時間を調整するほか、使用する食器の重量をあらかじめ量っておくと、食器の重さを差し引いた加熱を行なう「わがや流あたため」機能なども搭載する。

庫内底面3カ所の重量センサーで火力と加熱時間を自動でコントロールする重量センサーのモデル

トレンドを押さえた充実の371オートメニュー

 新たな加熱方法を搭載したことで対応するメニュー数も増えた。MRO-JV300では小籠包などの新メニューに加え、健康志向、マカロンなど洋菓子のトレンドなどを押さえた371のオートメニューを搭載する。本体付属のクッキングガイド掲載のレシピと合わせるとメニューは合計478になる。

食に関する意識や今後作ってみたいメニューなどの調査を基に、搭載メニューを決めたという小籠包など独自の技術を活かした新メニューのほか、マカロンなどトレンドを押さえた洋菓子も追加した

操作しやすさにこだわったタッチパネルを採用

 使い勝手の面では、豊富なメニュー数にも対応できるように操作性に優れたタッチパネルを新たに採用した。オートメニュー画面では材料だけでなく、使用する付属品や設置の仕方まで図入りで表示するほか、オートメニューを探しやすくするためメニュー番号/調理分類/使ったメニュー/材料別など4通りの検索方法を設けた。タッチパネルは、操作しやすいように前に15°傾斜している。

本体操作部多彩なオートメニューも分かりやすく使えるようにタッチパネルを採用オートメニュー検索には4通りの方法を設ける
タッチパネルのホーム画面画面では使用する付属品や、使い方も絵で説明する材料なども画面で確認できるため、レシピブックを見なくても使えるという

 また、使用頻度の高い手動レンジ加熱では「簡単レンジモード」を新たに採用する。操作パネルから「簡単レンジ」ボタンを選択すると、600W/500Wの出力選択画面が大きく表示されるほか、加熱時間の選択もタッチパネルを使って簡単に操作できるという。

庫内灯消灯など、充実した省エネ機能

 省エネ性では、運転状況に応じて排気用のシャッターを開閉する「ecoシャッター」機能、庫内温度を素早く上昇させる「ダブル光速ヒーター」などを搭載する。予熱時にシャッターを閉じることで、庫内温度を早く上げることができ、無駄な消費電力を抑えられるという。

 また節電機能として、調理中は通常点灯している庫内灯を消灯するように設定変更できる機能を採用する。この設定をすることで、年間約1,170Whの節電ができるという。また、運転中にタッチパネル液晶のバックライトを消灯することもできる。

省エネ機能としては「ecoシャッター」機能、庫内温度を素早く上昇させる「ダブル光速ヒーター」などを搭載運転状況に応じて自動で開閉する「ecoシャッター」

 本体サイズは500×449×408mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は21kg。庫内容量は33L。レンジ出力は1,000W(最大3分)/800W/600W/500W/200W相当/100W相当に対応。オーブン温度は100~250℃、300℃、発酵温度は30℃/35℃/40℃/45℃。年間消費電力は66.2kWh。本体カラーはパールレッドとパールホワイト。

「MRO-JV200」左からパールレッド、パールホワイト

 下位機種としてタッチパネル、ecoシャッター、簡単レンジモードなどを省略した「MRO-JV200」を同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は11万円前後。

災害を乗り越えて作った思い入れのある製品――家電事業部長 石井氏

日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏

 日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏は、まず発表会冒頭に「今年度は特別な年になる。今までに経験したことのない特殊な年になる」と発言。日立アプライアンスでは、主力生産工場である茨城県・多賀工場が被災、生産ラインにも大きな影響があったという。石井氏は、「従業員をはじめ、周りの皆さんのご支援もあり、地震の10日後にはラインを再開、さらにその3~4日後には通常営業を再開した。今回のオーブンレンジはそのような状況を乗り越えての思い入れの深い製品」と語った。

 また、今回の地震による部品不足などについては「電子部品などについては調達が難しかったが、関連企業などの協力もあって、これまではなんとか生産を続けている。しかし、今でも綱渡り的なところもある。お客様に製品を届けたいという使命感を持って取り組んでいる」と話した。

 今後の戦略については「省エネの徹底追及を前提とした実質価値を重視」するとして、「できることから、みんなで節電」という同社の節電メッセージを発表した。

 日立アプラインアンスでは、これまで基本的な機能に“新しい価値”を提供するとした「プレミアム戦略」を軸としてきたが、「今回の震災の影響で、無駄の排除、贅沢を控えるなどといった気持ちやムードが高まっている。本質的な価値を追求するといったこれまでの基本姿勢はそのままに、本当に使いやすいものを提供していきたい」とし、「実質価値」を追求していくとした。

日立アプライアンスでは、これまでのプレミアム戦略から基本的な姿勢は変えないとしながら「実質価値」を重視するという家電全体の節電メッセージとして「できることから、みんなで節電」を掲げる




(阿部 夏子)

2011年5月18日 16:51