オムロン、体重や血圧をWEBに送り、健康を管理する無料サービス
「ウェルネスリンク」

ウェルネスリンクのロゴ

 オムロンヘルスケアは、体重や血圧などの測定データをWEBに送り、グラフ化するなどで健康管理をサポートする無料の会員制WEBサービス「Wellness LINK(ウェルネスリンク)」を、11月1日にスタートする。

 ウェルネスリンクは、個人の健康管理をサポートするための無料の会員制WEBサービス。サービスの概要は、登録後にウェルネスリンクに対応した通信機能付きの血圧計、体組成計、歩数計を使い、毎日の測定をWEBにアップすることで、生活習慣改善のためのアドバイスが受けられたり、グラフやレポートなどで健康状態が確認できるというものになる。

 ウェルネスリンク対応の測定機器は、同社が11月1日に発売する、血圧計「HEM-7250-IT」、体組成計「HBF-208IT」、歩数計「HJ-205IT」の3点。血圧計と体組成計は、USBおよびFeliCaによるデータ転送を、歩数計はUSBを利用する。FeliCaはNTTドコモの903i/703i以降のおサイフケータイ対応機種のみ対応しており、au/Softbankは現在のところ未対応。価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は、血圧計と体組成計が12,800円前後、歩数計が3,980円前後。なお、これらの機器を使わない場合、手入力でも利用できる。

ウェルネスリンクに対応した血圧計も同時に発売する。写真は血圧計「HEM-7250-IT」体組成計「HBF-208IT」歩数計「HJ-205IT」
体重と血圧の測定後、NTTドコモのおサイフケータイを本体に重ねることで、データが自動でウェルネスリンクにアップロードされる歩数計は、プレートに載せてデータ転送する
血圧計と体組成計は、USBでパソコンと接続してもデータを転送できるデータは手入力も可

 サービスの内容は、血圧・体重・歩数を組み合わせてグラフ化し、相互の関係性が確認できる「マイグラフ」をはじめ、日々の測定データの変化を分析し、生活週間改善のためのアドバイスを自動で表示する「データナビ」、1カ月のデータをもとに、詳しい分析をレポートする「定期レポート」などが用意される。マイグラフは直近6カ月までデータが管理でき、ブログパーツ化することもできる。

血圧・体重・歩数を組み合わせてグラフ化する「マイグラフ」画面。データは直近6カ月まで管理できる日々の測定データを分析し、生活習慣の改善に向けたアドバイスを自動で表示する「データナビ」1カ月のデータを詳しく分析する「定期レポート」も表示できる

 また、楽しく健康管理が続けられるよう、複数の会員が参加し、さまざまな健康法を取り入れたイベント「みんなでイベント」も催される。イベントでは参加者同士がコメントを投稿/閲覧することで、励ましあったり情報交換もできるという。

 このほか、朝と晩の2回体重を測定することで、無理のないダイエットをサポートする独自のダイエットプログラム「朝晩ダイエット」機能も搭載。専用グラフで達成状況を確認し、ダイエットに関するアドバイスも行なわれる。

 オムロンでは、ウェルネスリンクのユーザー数について、初年度で13万人、2012年度で100万人と見通している。

複数の会員が参加する「みんなでイベント」。ユーザー同士の交流もできる独自のダイエットプログラム「朝晩ダイエットプログラム」も利用できる

ウェルネスリンクは、“押しつけ”ではなく“双方向”だから続けられる

オムロンヘルスケア 宮田喜一郎 代表取締役社長

 オムロンヘルスケアの宮田喜一郎 代表取締役社長は、ウェルネスリンクを始める理由について、これまでのWEBを利用した健康管理サービスの問題点を指摘した。

 「これまでにもネットワークを利用した健康管理サービスはあったが、一人では続けにくく、『続かない』『誘惑に負ける』『数値だけ見ても分からない』『成果が出ない』といった問題点があった。しかしウェルネスリンクは、数値という“体の声”を言葉に代えることで、ユーザーにフィードバックする。そのため、自分と自分の体の声を、深いレベルで会話ができる。これがサービスのコンセプトとなっている。機器とサービスを連携することにより、従来の“押しつけ型”ではなく、新しい“双方向型”のサービスを目指す」

 また宮田社長は、ウェルネスリンクを、オムロンが得意とする「センシング&コントロール技術」に例えて解説した。

 「オムロンは、工場の生産工程を自動化する『FA機器』を主力ビジネスとしているが、これは、多数のセンサーを工場内に設置し、取得したデータを解析し、それを機械にフィードバックし制御するというもの。この場合、センサーが“センシング”、フィードバックが“コントロール”になり、これは一体となって大きな価値をもたらす。人間の体にもこれが当てはめられる。体重・血圧といった生態情報をセンシングし、適度に分析してユーザーにフィードバックする。ウェルネスリンクは、気付きを与え、行動を変えていくという点で『人間版センシング&コントロール』になる」

滋賀医科大学 上島弘嗣名誉教授

 発表会には、滋賀医科大学の上島弘嗣名誉教授が登壇。上島教授は、「現在、厚生労働省により(メタボリックシンドロームあるいはその予備軍と判断された人に対して)特定検診・特定保険指導が行なわれているが、受診率は低く、生活指導を受けてもそれが続かない。ここを何とかしないと、生活習慣は変えられない。しかしウェルネスリンクなら、自ら参加することで自らのデータを振り返ることで、動機付けと持続に貢献ができ、また、仲間とともに参加することで頑張ることもできる。(生活習慣の改善に)大きな変革をもたらすと期待している」と述べ、ウェルネスリンクが生活習慣の改善に貢献するという期待を表明した。

上島教授によると現在の健診や保健指導では、受診室の低下や指導が続かないなどの問題点があるというしかし、ウェルネスリンクを使うことで、自ら生活習慣改善の効果を知り、動機付けと持続に貢献できるという

ニュースリリース
http://www.omron.co.jp/press/2010/10/h1026.html



(正藤 慶一)

2010年10月26日 16:48