フジ医療器、モダンなインテリアと合うマッサージソファ

~奥山清行氏がデザインを担当
「KEN OKUYAMAモデル KN-15」のデザインを担当した奥山清行氏

 フジ医療器は、奥山清行氏デザインのソファ型マッサージチェア「KEN OKUYAMAモデル KN-10/KN-15」を9月1日より発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は198,000円前後。

 同社によると、近年マッサージチェアの市場はフルスペックの「高級機タイプ」と、コンパクトでインテリア性の高い「ニュースタイルタイプ」の二極化が進んでいるという。同社ではこれまで、多機能な高級機タイプを中心に展開してきたが、昨年発売したソファ型のタイプが好評だったのを受けて、今回さらにインテリア性の高いモデルとしてKEN OKUYAMAモデルを投入する。

 デザインを担当したのはゼネラルモータースやフェラーリなどのデザイナーとして著名な奥山清行氏。現在は自身のデザイン会社KEN OKUYAMA DESIGNの代表を務める。

 本体は「シンプル・モダン・タイムレス」をコンセプトとしたデザインで、マッサージ機能を使わない場合にはソファとして使用できる点が特徴。脚のマッサージをするオットマン(脚載せ台)部分とリクライニング部分はそれぞれ電動で収納・操作できるほか、ソファとして使用する際には背面のもみ玉が背中に当たらないように、もみ玉収納スペースが設けられたクッションが付属する。

マッサージ機能を使わない時の本体マッサージとして使用する時はオットマンを引き出し、リクライニングを倒すことができる本体正面
室内のインテリアと合うようなデザインを採用した本体側面本体背面
マッサージする時は付属のクッションを外すクッションを外すともみ玉は飛び出た状態になっている。クッションにはもみ玉を収納するスペースが設けられているため、クッションの上から座った場合はもみ玉を感じることはないという本体付属のリモコン

 上半身のマッサージ機能としては、自動的に肩の位置を感知する「肩位置センサー」、4つの「もみ玉メカ」を搭載する。もみ玉メカはでは「もみ」「たたき」「ローリング」のほか、もみ玉を細かく動かしながらコリをほぐす「さざなみ」の4種類のマッサージに対応。

 下半身のマッサージでは、エアークッションによる座面マッサージ、左右4枚づつのもみ板による脚部マッサージ、足裏用のローラーを備える。本体には3つの自動コースを備えるほか、47種類のマッサージモードを搭載する。

上半身のマッサージでは肩位置センサーで自動で肩の位置を合わせる機能、もみ玉による4種類のマッサージ機能が搭載される下半身では、座面のエアークッションによるマッサージ、もみ板によるマッサージのほか、足裏にはローラーも備えられているリクライニングやオットマンは電動で操作できる
製品使用イメージオットマンではふくらはぎと足裏をマッサージする

 リクライニング角度は最大160度までで、オットマンは体系に合わせて前後10cmまで調節できる。また、女性一人でも本体を移動できるように本体後部にはキャスターを付けた。

本体を移動する際は本体を後ろに傾けて、本体後部のキャスターを使う本体後部のキャスター

 インテリアや好みに合わせて選べるように、本体カバーには2種類の素材を用意した。1つは車のシートなどにも採用されている「ラッセル」という素材。伸縮性があって、光沢感があるため、本体が立体的に見えるという。カラーはレッドとブラックの2種類。

 もう1つは、ソファなどでよく使われている「ファブリック」を採用した。肌触りがよく、ソファなどと組み合わせて置くのに向くという。カラーはブラックとベージュの2種類。素材は型番によって異なり、ラッセルは「KN-15」、ファブリックは「KN-10」となる。 

ラッセル素材を使ったモデル。光沢感があって立体的に見えるという。色はレッドファブリック素材を使ったモデル。インテリアに馴染みやすく、柔らかい肌触りが特徴。カラーはホワイトで本体と同時発売されるクッションカバーが装着されているファブリックのブラック。アクセントとしてジッパー部分に赤が採用されている
奥山清行氏

 デザインの概要については奥山清行氏自らが解説した。今回のコラボレーションついては「数年前に腰を痛めてからマッサージチェアを愛用しているが、自分の欲しいと思うようなデザインと機能のバランスが良いものがなかった。今回の製品は、マッサージチェアの老舗であるフジ医療器さんとコラボレーションしたからこそ生まれた製品」と語った。

 デザインについては「まずはモダンなインテリアに合うデザイン、さらにソファとして一級の性能を持つものを目指した」と話した。また、本体のフォルムについては丸みがあって優しく手に取りたくなるような存在としてテディベア(くまのぬいぐるみ)をイメージした丸みのあるラインを採用したという。

 今後の展開については「交換用のカバーや、本体に合わせた家具などを考えている」と話した。また、今回の製品についても9月1日より専用のクッションカバー3種類を発売するという。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4,980円前後。

奥山氏はこれまでにフェラーリなどの高級外車のデザインを担当しているほか、2013年導入予定のJR東日本「E6系新幹線」のデザインも手掛ける奥山氏は「フジ医療器が持つマッサージ機器のノウハウがあったからこそ実現した企画」と語った。写真はKEN OKUYAMAモデルと木原会長、奥山氏本体のフォルムとしてイメージしたのはテディベアだという
今回本体と同時発売されるクッションカバー。今回は3種類としたが、今後さらに増やす予定もあるという今後の展開として、和室に合うモデルや、応接室やオフィスにも置けるモデルなども視野に入れているという

 オットマン収納時の本体サイズは700×1,070×1,130mm(幅×奥行き×高さ)、リクライニング使用時は700×1,800×740(同)。重量は約62kg。消費電力は110W。定格時間は20分。

フジ医療器 会長 木原定男氏

 フジ医療器 会長 木原定男氏は、製品開発のきっかけについて「新聞で働く女性の欲しいものランキングのベスト3にマッサージチェアが入っていたことが大きなきっかけになった。これまで高機能の製品を追求してきたが、消費者が今求めているのはそこではなく、30代前後の女性が喜ぶようなデザイン性の高いものではないかと感じた。今回の製品は、アラサー世代や働いている女性などを意識したデザインやカラーを採用した」と話した。

 また、奥山氏は特に海外で評価が高い工業デザイナーだが、同製品の海外展開の可能性はあるのかとの質問には「1年以内の海外進出を考えている。どうせやるなら徹底的にやる。日本の文化の1つであるマッサージチェアを世界に広めたい」との意気込みを語った。




(阿部 夏子)

2010年7月23日 17:38