フジ医療器、18種類の自動コース搭載の高級マッサージチェア

サイバーリラックス AS-840

 フジ医療器は、18種類の自動コースを搭載したマッサージチェア「サイバーリラックス AS-840」を発売した。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は468,000円前後。

 独自のもみ玉機構と、エアークッションで、足裏からふくらはぎ、腕、肩、腰、背中、首などほぼ全身のマッサージを行なうマッサージチェア。

 同社によると、マッサージチェアのニーズはユーザー層の多様化によって二極化しており、若い世代や女性向けとしてはリビングルームにも置ける機能や価格を抑えたカジュアルタイプ、シニア層には高機能の高級タイプが好まれる傾向があるという。AS-840は、シニア層向けに開発を進めた高級タイプのフラッグシップモデルとなる。

カジュアルタイプと高級タイプで二極化が進むという。AS-840はシニア層をターゲットとする最上位機種となる製品本体製品側面
ふくらはぎや足裏のマッサージを行なうフットレスト肩や腰、首、背中のほか、座面のマッサージも行なう
手を置くところ。ここにもエアークッションが内蔵されている肩の両側にもエアークッションが配置される付属のリモコン

 AS-840では、ユーザーの多様なニーズに応えるため、揉み方や強弱の調整幅、さらに自動コースの種類などをより多様化した。

 まず揉み方の点では、首や肩、背中などの筋肉をより広範囲にほぐすために、複数のモーターを組み合わせることで複雑な動きを再現した「極(きわみ)メカ2.0」を新たに搭載した。極みメカ2.0では、従来のもみ玉の動きに、上下運動やたたきの動きを組み合わせることで、従来ではできなかった動きが再現できるという。これにより従来は23タイプだった揉み方に新たに5タイプが加わり、全部で28タイプのマッサージが搭載される。

 新たに追加された揉み方は、痛みを感じる部位の周囲を円で囲むようにマッサージする「ループもみ上げ」「ループもみ下げ」「ループたたき」、肩筋に沿って平行移動しながら行なう「肩たたき」、もみ玉が背筋を上下するときに、半回転しながら移動する「波ローリング」の5つ。いずれも複数のモーターを組み合わせた動きとなっており、従来より広範囲で、より人の手に近いマッサージができるという。

新搭載の機構「極(きわみ)メカ2.0」を搭載したことで、これまでなかったもみ技が実現できるようになったという本体のカットモデルフットレスト部分。左右のエアークッションのほか、足裏部分には小型のもみ玉が配置される

もみ玉が動く様子。動きによって様々なモータを組み合わせている

 また、強弱の調整幅も従来の7段階から12段階に変更した。段階幅を増やしたことで、手でさするような動きを再現する「さすりモード」や、さらに強い力でマッサージを行なう「極メカモード」などが追加された。

強弱幅はもみ玉の前後の動きで調節する強弱幅の調整は12段階

 揉み方や、強弱の調整幅が増えたことにより、自動コースも従来の12種類から18種類に変更。強い力で凝り固まった筋肉を首や腰ほぐす「極メカ疲労回復コース」のほか、強いマッサージが苦手な人用の「ソフトコース」などが追加された。

 本体のリクライニングやフットマッサージャーの上下は全て自動で行なわれる。体格の違いにより変化する肩位置なども自動で検知されるほか、手動での微調整にも対応している。

 リクライニング使用時の本体サイズは750×2,010×780mm(幅×奥行き×高さ)、リクライニング収納時の本体サイズは750×1,240×1,230mm(同)。重量は81kg。消費電力は110W。本体カラーはブラックとベージュ。

 また下位機種として、肩の両側からのマッサージや、一部コースを省略した「AS-740」が3月1日より発売される。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は348,000円前後。本体カラーはブラックとベージュ。

フジ医療器 会長 木原定男氏

 フジ医療器 会長 木原定男氏は、AS-840について「マッサージしているときに感じる、ここもうちょっと強く、ここはこうだったらいいのにという要望にきめ細かく応えられる製品」と話し、AS-840のコンセプトを「感性に響くマッサージ感という意味で“もみアート”」と表現した。

マッサージチェアマイスター 藤代光明氏

 また会場では、製品の企画・開発に携わった同社のマッサージチェアマイスター 藤代光明氏も登場。藤代氏は同社で25年にわたりマッサージチェアの開発に関わっており、マッサージチェアのコンマ0.1秒の動きも見逃さない「マッサージチェアマイスター」として知られる人物だという。

 会場からは「どうやって新しい方法のマッサージを思いつくんですか」という質問が出た。それに対し藤代氏は「全国の色々な場所のマッサージに行って、マッサージ師さんの動きを盗むんです。これいいなと、思ったら社内に持ち帰って、チームの中で試行錯誤しながら動きを開発していきます」と話した。

同社でマッサージチェアの商品開発ユニット部長を務めると藤代氏。これまでマッサージチェアの上で過ごした時間は2,000時間にも及ぶというコンマ一秒の差も見逃さない藤代氏の実力を試すコーナーも。エアー調整によるわずかな差も言い当てて会場を沸かしていた




(阿部 夏子)

2010年2月24日 15:40