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LIXIL、顔認証で開く玄関ドア 鍵穴も不要に
2025年2月26日 17:00
LIXILは、TOSTEMブランドの玄関ドア「XE」の2025年モデルを4月1日に発売する。シームレスモデルとスタンダードモデルの2タイプを展開。価格は1,419,000円~(Seamless Model 20C型/高さ2,330mm、幅1,138mm/ショートバーハンドル シルバー色の場合)。オプションとして、顔認証システム(275,000円)、非接触屋内ボタン(93,500円)、自動開閉(255,200円)を用意。
シームレスモデルには、オプションで子扉側に顔認証システムを搭載可能。解錠と連動して扉が開く自動開閉機能とあわせて、ドアに触れず、足を止めない「ウォークスルーでの帰宅」を実現する。スマホや電子キーが不要のため、鍵の置き忘れによる締め出しの心配もないという。
同社は2024年にハンドル一体型の顔認証システムを搭載した玄関ドア「ジエスタ2」を発売しているが、ジエスタ2にはディスプレイが搭載されていない。新発売のXEの顔認証システムでは、ディスプレイで自分の顔が認証されているかどうかを確認でき、よりユーザビリティが向上している。
ディスプレイはタッチ操作が可能で、各種設定や登録が可能。パスワード入力による施解錠にも対応するほか、顔とパスワード認証のダブル認証でセキュリティ性を向上できる。
ディスプレイ一体型のカメラで検知できる範囲は身長約120~190cm。カメラ位置は変更できないが、認証距離を変更すれば(50cm~2mの範囲内)、より幅広い身長に対応できるという。扉の開閉速度と角度は室内側の電動クローザーで調節可能。
顔認証システムのオプションとして、室内から手をかざすだけで解錠できる非接触屋内ボタンも用意。扉が閉まると自動で施錠されるため、大きな荷物を持っているときにもスムーズに外出できるとする。
このほか、顔認証と自動開閉の組み合わせによりハンドル操作が不要になったことで、これまで実現が難しかったハンドルやシリンダー(鍵穴)が一切ないミニマルなデザインが可能になった。なおシリンダーレスデザインは、停電時などに屋外側から扉を開くことができないため、セカンドエントランスや勝手口など、XE採用玄関以外に出入りできる場所がある住宅に限定される。
顔認証システム非搭載タイプには、スマートロックシステム「FamiLock」を標準装備。スマホやリモコン、カードキーなど5タイプの鍵から選択できる。FamiLockにも扉の自動開閉オプションを付帯でき、センサーがスマホやリモコンを感知すれば自動で鍵と扉が開くような設定も可能。
よって、XEの施解錠システムと開閉の組み合わせは、顔認証+自動開閉、顔認証+手動開閉、FamiLock+自動開閉、FamiLock+手動開閉の4パターンとなる(顔認証はシームレスタイプのみ)。
選べる表面材には、エクスクルーシブガラス「メタリックディープグレー」と金属調「ブリュームメタルブラウン」を新採用。
メタリックディープグレーは艶やかで透明感のあるメタリック塗装ガラス。周囲の景色が美しく映り込み、空間に溶け込むという。木や石などの自然素材と調和するグレーカラー。ブリュームメタルブラウンは赤錆の風合いをリアルに再現した奥行きのある色合い。自然素材にも馴染み、素材MIXの空間を上品に演出するという。
また、一部の表面材は門扉「AX」シリーズにも採用され、エントランス空間のデザインを統一できる。
一般的なドアは錠やラッチ、電気錠デバイスなどのパーツ類が戸先(ハンドルが付いている方)に配置されている。またハンドルと連動して動くラッチを採用しているため、ハンドルの意匠や位置に制約があった。XEではこれらのパーツ類をすべて機能ユニットと呼ばれる子扉側(大小の扉で構成されるドアの小さい扉側)に収める新構造を採用。さらにハンドルと連動しないローラーラッチによりハンドルの意匠やデザインの自由度が高まった。
ハンドルのラインナップには、国際的デザイン賞を受賞するドア・パーツブランド「Designer Doorware」から、焼杉技法を用いた天然木製の「ウッドバーハンドル」や真鍮素材に金属皮膜を蒸着させた「ディスクハンドル」を追加。また「XE」シリーズ発売以降、好評だという「ロングバーハンドル」にはリサイクルアルミ使用比率100%の「PremiAL R100」を採用する。
シームレスモデルには、従来の高さ2,330mmよりも高い2,730mmのハイサイズを追加。天井近くまでドアが開くことで、室内の天井と軒天とがシームレスにつながり、一般的なドアでは味わえない開放感を実現するという。
XEシリーズはフラッグシップモデルとして2023年に販売開始。発売直後から好評で、想定を2倍以上上回る売り上げを記録。アッパー層や住宅のデザインを重視する人が主に採用しているという。