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パナソニック、海洋で分解可能な成形材料を開発。家電の筐体などに

海洋環境で完全に分解可能な成形材料を開発

パナソニックホールディングス MI本部は、植物由来のセルロースファイバーを高濃度に樹脂に混ぜ込む技術を海洋生分解性の植物由来樹脂へ展開し、海洋環境で完全に分解可能な成形材料を開発した。家電の筐体や車載機構部材など幅広い用途を想定している。

同社は2015年から石油由来の樹脂使用量削減を目的とした研究開発を進めている。その過程で開発された混練技術や成形技術を改良し、ポリプロピレンと同等の機械強度を維持しながら、土壌と比べて微生物密度が低い海洋での完全生分解性を実現したバイオマス度100%の成形材料の開発に成功した。

従来のkinari(セルロースファイバー55%)と同様に白色のペレット化が可能で、木質感や褐色化を含む高いデザイン性も実現できるという。

2027年に海洋生分解性ペレットの販売を開始する予定とし、家電筐体や車載機構部材、高強度とデザイン性を活かした大物家電外装や美容家電、服飾衣料品や日用品、また飲料・食品容器への展開を見据えている。このような取り組みを通して、樹脂使用量の削減に貢献し、持続可能社会の実現を目指すとしている。

なお開発した成形材料は、1月7日~1月10日に米国ラスベガスで開催されるCES 2025にて展示される予定。