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ダイキンが関東初となるエアコン新工場建設へ。国内向け供給強化

ダイキン工業は国内向け製品供給力を強化

ダイキン工業は2日、空調機の新たな生産拠点を設立するために茨城県つくばみらい市の土地を取得することを決定したと発表。関東に新工場を設けることで、国内の空調機需要に対する供給の最適化を図り、さらなる拡大を目指す。

同社は世界約90カ所で空調機や関連部品を生産しており、国内では、大阪府の堺製作所と淀川製作所、滋賀県の滋賀製作所と、関西圏に集中している。新工場建設の目的については「海外の生産を国内に移す『生産の国内回帰』ではなく、純粋な『国内生産の強化』」と位置付けている。

つくばみらい市に建設する新工場は、関東におけるダイキン初の空調機の生産拠点となる。敷地面積は約98,000m2。投資金額は約200億円。

新工場建設地をつくばみらい市の「圏央道インターパーク つくばみらい」に選定した理由について、同社は「茨城県の南西部に位置し、都心から40km程度、つくばエクスプレスまたは車で1時間程度の立地。茨城県は北関東3県で唯一、港湾と空港を有しており、高度な交通インフラの活用もできる。近郊市の生産年齢人口は増加傾向であり、豊富な労働力と人材育成の基盤がある」と説明。

また、今後も大きな製品ニーズが見込まれる首都圏にあり、需要変動に応じたタイムリーな製品供給が可能なこと、今後ますます深刻化する輸送費の高騰やドライバー不足といった長距離輸送の課題に対しても効率的な対応が期待できるとする。

関東以北の寒冷地市場に対しても、陸上、海上輸送の両面で優位性を持っており、燃焼暖房からの置き換えによって需要の高まりが見込まれる寒冷地向けエアコンや、ヒートポンプ式給湯機などのスムーズな供給が可能になるという。

ダイキン工業としては、新拠点の設立は国内の生産能力に余力を持たせるねらいもある。拠点間の機能を再編することで、供給力の増加と最先端技術の実証実験が両立できると期待を寄せる。

つくばみらい市の新工場では、第1ステップとして2027年から2028年にかけてルームエアコンの生産を開始する予定。