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食パンのカビを防ぐ保存ボックス。カルテックの光触媒除菌脱臭機

FOODFLESH KEEPER KL-K01

カルテックは、光触媒を活用して食材を長持ちさせる常温保鮮ボックス「FOOD FLESH KEEPER(フードフレッシュキーパー) KL-K01」を12月15日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は21,780円。12月2日より、同社ECサイトにて予約販売を開始する。

光触媒フィルターを搭載し、庫内の空気をキレイに保つ食品保管ボックス。本体は食パン1斤を入れられるサイズで、パンへのカビの発生を抑えるほか、果物などの鮮度も保つという。常温で保存できる調味料の収納にも適しているとする。

食品から出るエチレンガスやカビ菌などを光触媒によって酸化分解し、除菌/脱臭する。同社が行なった実験では、食パンをボックス内で光触媒あり/なしの状態で保管。光触媒なしの場合は9日目には黒カビが発生していたのに対し、光触媒を用いた方にカビは見られなかったとする。

庫内奥に光触媒を搭載
光触媒ありで保存したパンにはカビが付かなかった

光触媒フィルターは定期的な浸け置き洗いにより継続利用が可能。交換の必要がなく、経済的としている。

ハンドルには吉野桧の間伐材を利用。柱などに使用した木の端材を活用し、キッチンやリビングに馴染む木製のハンドルに仕上げた。使っていくうちに風合いの変化も楽しめるという。

本体サイズは370×256×235mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.3kg。電源はAC100V(50/60Hz)。消費電力は約2W。使用温度範囲は0~40℃。光触媒フィルター、トレイ、ACアダプターが付属する。

パンや果物、調味料の保管に

「水・空気・食」を安全に。光触媒技術の応用

カルテックは2日に新製品発表会を開催。代表取締役社長の染井潤一氏が自ら製品を紹介しながら、同社のこれまでの歩みと今後の展望を語った。

2018年に創業した同社は、「『水・空気・食』の安全をデザインする」を企業のビジョンとして掲げ、これまでに光触媒技術を活用した除菌脱臭機などを販売。2020年には光触媒が新型コロナウイルスに対する有効性を確認するなど、空気の浄化に力を入れてきた。

企業ビジョンは「『水・空気・食』の安全をデザインする」

同社が次のステージとして定めたのは「食」分野。今回発表の「FOODFLESH KEEPER」をはじめ、光触媒による除菌技術を応用し食材を長持ちさせることで、食品ロスの削減を推進していくという。現在は無菌状態で葉物野菜を育てるテストや、コンテナに光触媒を取り付け、輸送中の食品の鮮度を保持する取り組みなども行なっているとする。

さらには「水」分野にも光触媒を投入し、河川の浄化などに活用していく考え。また、水を光触媒で分解し水素を取り出す技術を、京都大学の阿部竜教授と共同で研究していくという。染井氏はこの技術について「将来的にはソーラーに代わるエネルギーとして注目されている。我々も技術を進化させ、携わっていきたい」と語った。

同社は2022年1月に米・ラスベガスで開催予定の「CES 2022」に初出展し、米国市場での本格的なビジネス展開を開始するとしている。

光触媒技術を応用し、無菌状態で野菜を育てるテストなどを実施
河川の浄化など「水」分野にも進出