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油分がついた衣類の洗濯乾燥で発火も!? 洗濯機の誤った使い方にNITEが注意喚起

NITEが洗濯機の使用方法について注意を呼びかけ

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、洗濯機や乾燥機による事故の事例を紹介した。ドラム式洗濯乾燥機への子どもの閉じ込め事故や、洗濯乾燥機で取り扱わないことを推奨する洗濯物について、実際の事例を取り上げながら注意喚起した。

ドラム式洗濯乾燥機の中で子どもが死亡していた事例

親が目を離したすきに、チャイルドロックを設定していないドラム式洗濯乾燥機の中に子どもが入り込んでしまい窒息、死亡してしまったと思われる。洗濯機本体や説明書には、「子どもをドラムの中に入らせない。ドラム内に閉じ込められて窒息したり、やけど、感電、けが、おぼれるおそれがある」との記載があった。

誤った使い方をすると、中に閉じ込められて窒息したり、やけどや感電してしまう危険があるため、取扱説明書の記載内容は守るようにと注意を促す。また、小さな子どものいる家庭では、子どもが洗濯機を開けてしまわないよう「ロック機能」を活用し、使用しないときにはドアを閉め、子どもが乗りやすい台などを近くに置かないよう呼びかけている。ロック機能は各社によって操作方法が異なる。取扱説明書を確認するか、わからない場合は各メーカーへ問い合わせるよう促している。

洗濯乾燥機の内部が焼損し、洗濯物の一部が焦げた事例

油分が付着したキッチンマットを洗濯乾燥機で洗濯、乾燥後、洗濯槽内に放置していたところ、洗濯機内部が焼損した事例。キッチンマットに残っていた油分の酸化熱で温度が上昇し、熱がこもって自然発火したと考えられる。

油分が残留していると、酸化熱で自然発火する可能性があるという。美容オイルや食用油、動物油、塗料が付着したタオルは、洗濯後でも乾燥機能で乾燥しないよう注意喚起する。

NITEの再現実験の様子

シャワーカーテンの洗濯中に洗濯機が倒れた事例

防水性のあるシャワーカーテンを洗濯中、脱水時に回転が不安定となり異常振動し、転倒したと考えられる事例。本体と取扱説明書には、「防水性のシートや衣類は、洗い、すすぎ、脱水をしない。異常振動により本体が転倒するおそれがある」と記載されていた。

取扱説明書で禁じられている防水性のものを洗濯したり、容量を超える量を洗濯しないよう促す。洗濯機が大きく振動し、本体や周囲に被害を与えるおそれがある。

洗濯機に手を入れたら指を切断した事例

洗濯機の回転が完全に停止しないうちに槽内へ手を入れてしまい、洗濯物がからんで指を切断した事例。洗濯槽のブレーキが摩耗して故障した状態でもあった。また、別の事例では、蓋のロック機構が壊れた状態で使用してしまったため、洗濯槽の回転中に、洗濯が終了したと勘違いして手を入れてしまい、洗濯していたシーツがからんで指を切断した。

洗濯機の回転が完全に停止するまでは、絶対に洗濯物に触らないよう喚起する。特に、古くなった製品ではブレーキが劣化して回転停止までの時間がかかる場合があるという。日本電機工業会では、「ふたを開けてから15秒以内に脱水槽が止まらない場合は、故障のおそれがあります。速やかに、ご購入の販売店にご相談ください」と呼びかけており、機器の異変に気付いたら使用を中止して点検を受けるようNITEも促している。

NITEの再現実験の様子