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ルンバやブラーバで、ソファ周りなどピンポイント掃除も。“史上最大”の機能強化

アイロボットがソフトウェアアップデートを発表

アイロボット・コーポレーションは、ロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」の機能を改良する本体ソフトウェアアップデート「iRobot Genius(アイロボット・ジーニアス) ホームインテリジェンス」を日本時間8月26日に発表した。アップデートは、同日より2週間を目安に提供。アプリを最新版にすると、本体も同時にアップデートされる。

アプリ「iRobot HOME」の仕様およびロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」のWi-Fi対応製品を対象とした、同社史上最大というソフトウェアアップデート。アップデートされる主な機能は「Where/When/How」の3カテゴリで、“どこを/いつ/どうやって”掃除するかを、部屋や生活に応じて設定できるパーソナライズによって、使う人の思いのままに掃除できるようになるという。

アップデート機能は以下の通り。

【Where】
・物体認識機能
・部分清掃エリア

【When】
・お気に入り機能
・スケジュールの提案
・生活ルーティンの設定

【How】
・進入禁止エリアの提案
・季節に応じた提案

ルンバ s9+/i7+/i7、ブラーバ ジェット m6は、すべての機能に対応。ルンバ 900/e/600シリーズは、スケジュールの提案/生活ルーティンの設定/季節に応じた提案のみに対応する。

ルンバ s9+/i7+/i7、ブラーバ ジェット m6は、すべてのアップデート機能に対応

本アップデートでは、業界初となる「物体認識機能」を追加。最先端のロボットAIを採用し、機械学習によってソファやテーブルなど特定の家具を自動的に検出。これにより「ソファの周りを掃除する」といったピンポイントでの清掃が可能となった。

清掃エリアを手動で指定する「部分清掃エリア」を採用し、汚れやすい場所を部分的に清掃することができる。従来の「進入禁止エリア」と組み合わせることで、掃除したい箇所としたくない箇所を自在にコントロールできるという。

「お気に入り機能」では、日々の清掃パターンに名前を付けることで、どこを掃除するかを簡単に設定できるという。例えば「夕食後」とお気に入りに登録し、清掃エリアにダイニングテーブルとキッチンを選択しておくと、これを起動することで夕食後にダイニングテーブルの下とキッチンをルンバで掃除したあとブラーバで拭き掃除する、といった清掃がワンタッチでできるとしている。

部分清掃エリアを設定することでピンポイントの清掃が可能
お気に入り登録した運転エリアや条件をワンタッチで呼び出せる

通常のスケジュール機能に加え、市販のコネクテッドデバイスやアプリと連携し「家から離れたらブラーバを起動する」といった実用的なスケジュール設定も可能。iRobot HOMEアプリ内ではIFTTT連携の操作ができる。

アップデートにより掃除のタイミングや方法をAIが学習し、提案も行なう。例えば、金曜日の夜はリビングに掃除機をかけることが多いなど、よく使われる清掃パターンを学習し「これを清掃スケジュールに追加しませんか?」とアプリ上で提案する。

ほかにも配線が多い箇所など、ロボットが停止することの多いエリアを自動で検知し「このエリアを進入禁止に設定しませんか?」といった提案を行なうことで、使う人や環境に合わせてパーソナライズされていくという。

配線が多い箇所などロボットが運転停止したエリアを検知し、進入禁止エリアとして提案
花粉やアレルギーの季節に沿った提案も行なう

ルンバ/ブラーバは「家庭のメイン掃除機」へ

アイロボットジャパン 代表執行役員社長の挽野 元氏によると、アイロボットのロボット掃除機カテゴリにおける国内シェアは77.1%、掃除機カテゴリでは11.1%を達成。7月末時点で世帯普及率は6.6%に到達したという。同社は2023年までに世帯普及率10%を目指している。

挽野氏はルンバが誕生した当初はその性能に懐疑的な人も多く、なかなか市場に受け入れてもらえなかったと語る。一方で、2020年5月に同社が行なった調査では「在宅時間の増加で今まで以上に役に立っている家電は?」という質問に対し45%が「ロボット掃除機」と回答。

「最近では、ロボット掃除機が掃除の手助けをしてくれるパートナーとして徐々に認められるようになりました。ルンバ、そしてブラーバは今回のアップデートを通じて、家庭のメイン掃除機として成長していきます」(挽野氏)

アイロボットジャパン 代表執行役員社長・挽野 元氏