ニュース
サステナビリティ賞を新設。ダイソンの創業者が選考する、学生・若手エンジニア対象の国際アワード募集開始
2020年3月24日 12:07
ジェームズダイソン財団は、「問題解決のアイデア」をテーマにした、学生~若手エンジニア向けの国際エンジニアリングアワード「ジェームズ ダイソン アワード 2020(James Dyson Award、以下JDA)」の募集を開始した。締切は、日本時間7月17日(金)午後5時。
JDAは、デザイン、エンジニアリング(工学)、プロダクトデザイン、工業デザインを専攻している18歳以上の学生(専門学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院)、または卒業・修了後4年以内の人を対象にした、国際エンジニアリングアワード。対象国は27の国と地域。2005年開催の時から一貫して「問題を解決するアイデア」をテーマに掲げる。
過去の受賞者が取り組んだのは、プラスチック廃棄、再生エネルギーなど。これまでの国際最優秀受賞者は5組中1組の割合で、アイデアの商業化に成功しているとする。
2019年の国際最優秀作品「MarinaTex」は、魚廃棄物と紅藻類を活用した、家庭でたい肥化可能なバイオプラスチック。プラスチック製品寿命を循環型へシフトさせる助けになるとしている。
選考フローはまず、JDAホームページにてユーザー登録後、必要提出物を所定フォーマットに入力して応募。第1審査となる国内審査では、国内審査員が最大3作品を選出。その中の1作品が国内最優秀賞として発表され、賞金が送られる。国内最優秀賞の賞金は2,000ポンド(約28万円)。
日本国内の審査員は、デザインエンジニア/Takramディレクター・緒方 壽人氏、デザインジャーナリスト・川上 典李子氏、デザインエンジニア/Bsize代表取締役・八木 啓太氏の3名。
第2審査となる国際審査では、ダイソンのエンジニアが第1審査通過作品を審査し、国際TOP20を選出。最終審査では、ダイソン創業者であるジェームズ・ダイソン氏自身が、国際TOP20作品から国際最優秀賞1作品、準優秀賞2作品、そして今回から新設されたサステナビリティ賞を選出する。
ダイソン氏はサステナビリティ賞設立の理由について、次のように述べているという。
「毎年、現存する深刻な問題解決に取り組む若者の独創性やアイデアの源泉となる想いに心を動かされます。JDA応募作品の多くは、エンジニアリングとテクノロジーで世の中をより良くすることに焦点を当てています。エンジニアや研究者は、持続可能な未来を創り出すことに重要な役割を担っています。そのことを体現する1つの形として、環境面に取り組むアイデアを称する、2種目となる国際賞を新設しました」
賞金は、国際最優秀賞が30,000ポンド(約420万円)で、在籍・卒業の学部に寄付金5,000ポンド(約70万円)。国際準優秀賞には、賞金5,000ポンド、サステナビリティ賞には、賞金30,000ポンドが、各チームに送られる。
審査基準は、「1.問題を解決する」「2.開発のプロセスが描けている」「3.持続可能で現実的なアイデア」「4.製品化への実現性」。常識にとらわれない他とは違う考え方で、試行錯誤を繰り返したより良い機能を持つ作品を求めているとする。