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手を振るだけでエアコン操作、AI“Zinrai”など、富士ゼネ「ノクリアX」がフルモデルチェンジ
2018年12月4日 17:14
富士通ゼネラルは、4年ぶりにフルモデルチェンジし、Bluetoothリモコンを採用したエアコン「nocria(ノクリア)」Xシリーズを、2019年1月下旬より順次販売する。暖房時の適用畳数6畳の「AS-X22J」~26畳「AS-X80J2」の計8機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は28万円~41万円前後(税抜)。
同社のエアコン「ノクリア」シリーズの最上位モデル。4年ぶりのフルモデルチェンジとなり、据え置き型のBluetoothリモコン、ユーザーの使い方を学習して温度を調節するAI機能、丸みがあり圧迫感を軽減したラウンドフォルムの室内機などを新たに採用した。
リモコンは、テーブルなどへの据え置きタイプに一新。業界初となるBluetooth方式のリモコンで、部屋のどこに置いても操作できるという。リモコンにはモーションセンサーを備え、手をかざすと画面が点灯してまず室温を表示。その後リモコンの上で手を左右に往復させると運転のON/OFFができる。このほか現在の設定モードや設定温度などを確認でき、モード切替や清掃機能など細かな操作は画面をタッチして行なう。
また新モデルでは、同社エアコンで初めて無線LANアダプターを標準装備。別途アダプターを購入する必要がなく、スマートフォンからの操作や、スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズや「Google Home」との連携がしやすくなった。Googleアシスタント搭載のソニーのAndroid TV「ブラビア」(2016年9月以降発売)であれば、スマートスピーカー不要でノクリアを音声操作可能。
富士通のAI技術「Zinrai」で、ユーザーが快適だと思う空調を実現
新たに搭載したAI機能は、同社が蓄積したエアコンに関するデータと、富士通研究所が30年以上研究している人工知能の技術を融合して開発。さらに学習・予測制御の役割を富士通のAI技術である「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」とXシリーズで連携・分担させることにより、高精度かつ高速レスポンスなAIとしている。
これにより、運転中にちょっと暑い、寒いなどと感じて変更した温度操作を学習し、学習後はユーザーが快適だと思う室温になるように設定温度を自動制御する。設定温度は0.5℃刻みで調整され、使うほどユーザー好みの空調を学習し、次第にリモコン操作が不要になるという。
ほかにも普段の運転中に、設置されている部屋の暖まりやすさ・冷えやすさをAIが学習。設定温度に到達するまでの時間などを計算し、外気温などとの関係も分析して部屋の状況を認識する。温湿度センサーは室内機だけでなくリモコンにも搭載されているため、室温はより正確に検知可能。各家庭に適したエアコンとなり、気づかないうちに快適な空間を実現するとしている。
気象情報に合わせて、帰宅や起床前にあらかじめ運転をしておくかの提案もスマートフォンに通知。通知を受け取ったユーザーはアプリから帰宅/起床時間を入力すると、AIで学習した部屋の特徴に合わせ、その時間に設定温度になっているように運転をスタートさせる。ムダを抑えた運転で、快適な空間を実現するという。
起床時間に合わせた運転提案では、外気温など気象データをもとに、翌朝が冷え込みそうなときも温かい部屋にしておける。なお、夏に1日中冷房をつけっぱなしにしている場合は、AIが常に運転中と判断し、運転の提案はしない。
気流の制御機能では、中央のメイン送風口のほか、左右にサイドファン「デュアルブラスター」を備え、独自のハイブリッド気流を生み出す点を、引き続き特徴としている。暖房時はメインの送風口から吹き出す暖気をデュアルブラスターが押さえ込み、足元までしっかり温かくするという。反対に冷房時は冷気をデュアルブラスターが持ち上げ、部屋のすみずみまで涼しくする。
本体機能のアップデートも可能になった。今後はスマートフォンのようにインターネットを通じて、機能拡張やプログラムのバージョンアップなどもできるようになるという。
サイドファンを稼働させた状態でも親しみのあるラウンドフォルムに
室内機は、ラウンドフォルムに変更。AIには先進的なイメージがある反面、機械的で冷たいと硬質なイメージもあることから、室内機デザインを親しみのある安心感のある形状に変更したという。ラウンド(丸)を基調としており、圧迫感を軽減した。
停止時だけでなく運転時もラウンドフォルムを維持しており、サイドファンが稼働した状態でもシルエットはあまり変わらないという。