ニュース

電子レンジ、掃除機、冷蔵庫、「家電リサイクル」必須の家電は1つだけ! 正しく理解してますか?

 家電リサイクル法が施行されて17年経ったが、「対象となる家電」と「対象外の家電製品」を即答できるだろうか。また「家電リサイクル法」にのっとった家電の捨て方は理解しているだろうか。

 家電製品協会は7月31日、家電製品の捨て方について「やってはいけない家電の捨て方」を公開し、注意喚起を行なった。注意喚起を紐解きながら、いま一度「対象家電」と「その捨て方」をおさらいしてみよう。

家電製品協会の「やってはいけない家電の捨て方」はPDFで配布される

家電リサイクル法の対象は、4品目だけ!

 2001年4月1日に施行された家電リサイクル法は、正式には「特定家庭用機器再商品化法」という。名前からも分かる通り、不要になった家電製品に使われている素材や部品を、リサイクルすることが目的だ。

 家電リサイクル法が対象としている家電は、4品目しかないということはご存知だろうか。「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」だ。つまり、「電子レンジ」「炊飯器」「掃除機」などの家電は対象外となる。対象外の家電製品を廃棄する場合は、自治体のゴミ捨てルールに従おう。また買い替えなら、販売店が旧品を引き取ってくれる場合もあるので、相談してもいいだろう。

家電リサイクル法の対象はこの4品目(「やってはいけない家電の捨て方」より)

家電リサイクル法どおりに捨てると、お金がかかる……

 家電リサイクル法どおりに不要家電を捨てようとすると、家電を使用した消費者は「リサイクル料金」「収集・運搬料金」を負担しなければならない。「リサイクル料金」はメーカーごとに、「収集・運搬料金」は回収業者ごとに金額が変わる。以下は、経済産業省による「リサイクル料金」例だ。

家電リサイクル料金例(税込・経済産業省より)
エアコン972円~
テレビ(ブラウン管・15インチ以下)1,296円~
テレビ(ブラウン管・16インチ以上)2,376円~
テレビ(液晶/プラズマ・15インチ以下)1,836円~
テレビ(液晶/プラズマ・16インチ以下)2,916円~
冷蔵庫・冷凍庫(170L以下)3,672円~
冷蔵庫・冷凍庫(171L以上)4,644円~
洗濯機・衣類乾燥機2,484円~

 実際にリサイクルするには、家電を購入した販売店か、買い替え品を購入する販売店に依頼すれば良い。家電購入時に「リサイクル料金」を支払っている場合もあり、その際は「家電リサイクル券」が発行されているので、それを利用すれば、収集・運搬料金だけを負担すればよいケースもある。さらには「リサイクル料金」だけを振り込み、家電を指定引取場所へ持ち込むことも可能だ。だが、いざ捨てる時になってお金を払うとなると、負担を感じる人もいるだろう。

「無料不用品回収業者」には要注意!

 これら料金をケチって、例えば地域を巡回する「無料不用品回収業者」へ家電の回収を依頼したとしよう。家電リサイクル法にもとづく各種料金がタダになって嬉しい反面、家電がリサイクルされず、さらには不法投棄や環境破壊の温床になっていることはご存知だろうか。

 経済産業省によると、無料回収業者は、回収した家電のうち「お金で売れる製品や部品」を売却した後、不法投棄する場合があるという。またフロンガスや鉛など、環境破壊につながる物質を、処理せずに廃棄する場合もある。さらに無償で引き取るという誘い文句にも関わらず、最終的に回収料を請求される場合もあるので注意が必要だ。

 適切に回収された場合は、有害物質を回収したり、素材ごとに分別されるなどして、再利用される。

 家電リサイクル法は、家電製品で使われている有害物質を回収するほか、プラスチックを始めとする素材を回収・再利用するのが目的だ。環境保全とリサイクルを行なえる仕組みなので、ぜひ遵守していこう。

冷蔵庫のリサイクル例(「やってはいけない家電の捨て方」より)