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Looop、0円でスタートできる太陽光発電システム「MY自家消費セット」を中小企業向けに発売

 太陽光発電システム事業を手掛ける株式会社Looopは、2月27日、導入費用が実質0円でスタートできる「MY自家消費セット」という太陽光発電システムの発売を発表した。

発表会で登壇した株式会社Looop執行役員兼EPC事業本部 本部長 渡辺安彦氏

 これは店舗や幼稚園、町工場などの中小企業での活用をメインに考えたシステムで、使用する電気を太陽光発電に置き換えると同時に、電気代にかかるコストをこれまでよりも安く抑えるというコンセプトの商品。太陽光発電による売電の優遇措置=FIT制度がほぼなくなった現在、国の制度などに頼らずにメリットある形で導入可能にするという、新しい取り組みだ。Looopでは「ソーラー無料化大作戦」というキャッチフレーズの元、この新製品を展開していく。

 2012年にスタートした産業用太陽光発電のFIT単価は当初40円/kWhからスタートし、36円、32円…と毎年下がり、2018年には18円となる見込みだ。一方で購入する側の電気代は再エネ賦課金の上昇もあり、毎年上がってきており、現在25円/kWhとなり、売電価格を超えてしまった。その結果、現在においては発電した電気は、売電するよりも自家消費をしたほうが得という状況に大きく変わったのである。

太陽光発電による売電の優遇措置=FIT制度がほぼなくなった現在、発電した電気を自家消費する方が得という状況にシフトチェンジしている
2012年にスタートした産業用太陽光発電のFIT単価は当初40円/kWhからスタートしたが、毎年下がり続け、2018年には18円となる見込みだ

 今回、Looopが発表した「MY自家消費セット」は店舗や工場などの屋根に設置し、発電した電気を自家消費することを前提とした太陽光発電システム。またそれと同時に、電力の売買も含めたワンストップのサービスとなっているのが特徴だ。太陽光発電は、当然ながら日中のみ発電を行ない、夜間は発電しないため、太陽光発電システムを導入した場合は、3つのパターンに分類できる。つまり、発電した電気を自家消費するパターン、発電しすぎた余剰電力を売電するパターン、そして夜間や雨天などでは電力会社から電気を買うパターンだ。このうち、電気の購入元である電力会社として、同じLooopが展開しているLooopでんきを使うことで、通常の電気代よりも安く抑えるようにしているのがポイントだ。

Looopでんきを使うことで、自家消費だけでなく、余剰売電や電力供給まで全てカバーできるところが「MY自家消費セット」のポイント

 Looopがモデルケースとして挙げた美容院に導入した場合の試算によると、設置工事を含めた25kWの太陽光発電システムの導入費用が約450万円になる。それに対し自家消費分による電気代の削減が332,000円/年、余剰電力の売電収入が326,000円/年、さらにLooop電気を使うことによる電気代の削減が83,000円/年と、合計で約74万円/年の導入メリットを出せるため、単純計算では導入費用を7年以内に回収できるということになる。

 とはいえ、中小企業が450万円もの初期費用を負担するのは、なかなか難しいのが実情。そこでLooopのMY自家消費セットでは、Looopが金融会社と提携し、10年のローンを組むことによって、初期費用をゼロにすると同時に、ローンの支払額を従来の電気代よりも低く抑え、同時にそれ以上のメリットを出せるようにしているのだ。

 もちろん、どの程度の自家消費ができるかが、電気代を大幅に下げる最大のポイントになる。Looopでは、現在Looopでんきに集まっているビッグデータや需給予測のノウハウを生かした自家消費シミュレーションを行なうことで、ユーザーごとに精度の高い事業計画を提供した上で、それに合わせた個別のシステムを提供するという。屋根への設置が前提となるため、それなりに大きな屋根のある店舗や幼稚園、工場などのみが対象となるものだが、FIT終了後の新たな太陽光発電の在り方として注目を集めそうだ。