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基本料金0円の電気プラン「Looopでんき」に新メニュー、蓄電池との併用で最大5円割引に

 再生可能エネルギーを中心に事業展開する、小売電気事業者のLooopは9月4日に記者発表会を行なった。同社が展開する家庭向け電力プラン「Looopでんき+」の割引メニューとして、新たに「Looopでんち割」を導入することを発表した。

9月4日に行なわれた記者発表会で、「Looopでんち割」を発表

 Looopでんきは自然エネルギーの使用率26%という新電力で、昨年4月のサービススタート以来、着実にユーザー数を伸ばしてきており、現在約58,000件の契約と業界11位となっている。

契約件数は現在50,000件を越えている

基本料金0円。Looopの別サービス導入で従量料金も割引に

 Looopでんきの最大の売りは、基本料金が0円で契約期間の縛りも解約金もいらないという点。従量料金は、家庭用の「おうちプラン」の場合、東京電力管内の場合26円/kWh、関西電力管内なら22円/kWhと割安だが、Looopが展開する別サービスを導入すると、さらに値引きする「Looopでんき+」という割引メニューを設けている。

 具体的には、同社の太陽光発電システムを家庭の屋根に設置すると1kWhあたり1円値引きする「LooopHome割」、他社製品も含め屋根の太陽光発電による余剰電力をLooopに売電する場合は、別途1円値引きする「ソーラー割」を用意。

 今回新たな割引メニューとして、Looopの家庭用蓄電システム「Looopでんち」を導入すると3円値引く「Looopでんち割」を発表した。この3つを組み合わせた場合、最大1kWhの値段が5円安くなり、東京電力管内なら21円/kWh、関西電力管内なら17円/kWhとなる。Looopの試算によれば、基本料金を組み合わせた一般家庭の電気料金は月額6,300円程度になるという。

「Looopでんき+」の割引メニュー。「Looop Home割」と「ソーラー割」に加えて、「Looopでんち割」を新たに発表した
3つのメニューを組み合わせると、最大1kWhの値段が5円安くなる。東京電力管内なら21円/kWh、関西電力管内なら17円/kWhに
5円値下げすることにより、一般家庭の電気料金は月額6,300円程度になる見込み(Looop試算)

エネルギーは売電から蓄電へ。FIT期間終了に向けて投入した格安蓄電池「Looopでんち」

 一方、今年3月に発表した蓄電池「Looopでんち」は、蓄電容量4kWhと他社製品と比較してやや小容量だが、価格的には他社の1/3~1/2程度となる898,000円を打ち出したもの。主に太陽光発電との組み合わせ想定した蓄電池であり、AI制御することで4kWhの容量で十分実用的な活用ができるのだという。

 このAI制御とはビッグデータにアクセスするとともに、各家庭ごとの使用電力を学習し、天気予報データなどを組み合わせることで、もっとも経済的な蓄電・放電を自動計算し制御するというものだ。

Looopでんち

 株式会社Looopの執行役員で電力事業本部長の小嶋祐輔氏は、「LooopでんちをAI制御することで、電力会社であるLooopにとっても電力コストを安く抑えることができる。これを原資とすることで、kWhあたり3円の値引きを実現できている」と話す。ただし、LooopでんちはAI制御のための通信費が月額900円(初年度の通信費は無料)かかるのがネック。小嶋氏も、この通信費は下げられるよう努力すると話していた。

 このLooopでんちは、この7月から契約がスタートしたところで、実際の設置はこれからとのこと。だが、最大の需要は2019年11月にあるという。この時期、約52~54万件の家庭で、太陽光発電システムがFIT期間の終了を迎えるためだ。

 これにより売電するよりも、蓄電池に貯めて夜間に使うほうが安く電気を使えるようになるからだが、今回の「Looopでんち割」もそうした需要を狙った布石といえそうだ。

株式会社Looopの執行役員で電力事業本部長の小嶋祐輔氏