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電力自由化で電力会社を変更した人は3.7%、「変更意向なし」は増加~電通調査

 電通は、4月にスタートした電力自由化後、生活者のエネルギー自由化への意識がどのように変化したかを調査する「第3回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を実施した。

 対象は、20~69歳の男女5,000名。調査時期は2016年6月10日~17日で、調査手法はインターネット。調査エリアは、9電力会社管内(沖縄電力管内を除く)。

電力自由化の認知度は上がったという

 同調査は、2014年12月に第1回、2015年11月に第2回を行なっており、過去の調査結果との比較も踏まえて結果を発表した。

 調査によると、電力自由化について「内容まで知っている」(24.3%)、「内容はわからないが、自由化されたことは確かに知っている」(55.8%)を合わせると、全体の80.2%が電力自由化を認知している結果となった。前回が62.2%に留まったため、電力自由化の認知度は18.0ポイント増加。「知らない」は前回の13.6%から5.1%へと低下したことからも、自由化の認知は一通り行き渡ったとしている。

 また、電力の購入先の「変更意向」は全体の13.9%(前回21.0%、前々回16.9%)で、変更は「特に検討はしない」と回答した人は38.3%(前回20.0%、前々回26.3%)という結果になり、電力会社の変更に対して様子見な様相へと変化した。変更意向がない人の理由は、「メリットがよくわからない」(52.0%)、「なんとなく不安」(37.2%)、「慣れてる会社の方が良い」(28.0%)が上位3つの回答となった。

電気の購入先変更は「特に検討しない」は増加

実際に電力会社を変更した人は3.7%

 なお、電力自由化で実際に「電力会社の購入先を変更した人」は3.7%、「電気の料金プランを変えた人」は3.1%で、全体の6.8%が電力会社または料金プランの「変更者」となった。変更した人は、電力利用料金がやや高めで、世帯人数もやや多めという傾向があり、さらには全体よりも電力自由化に関する理解度も高い傾向にあるという。

 「1カ月あたりの電気料金がどの程度下がれば購入先を変更するか」という質問には、電力会社もしくはプランを変更した人では、1,000円を超えれば半数が変更すると回答。それに対し、「非変更者」では1,500円を超えれば半数が変更すると回答。「非変更者」の方が、料金に対するハードルがやや高くなっていることがわかった。

電力会社やプランを変更した人は全体の6.8%

 このほか、2017年4月に予定されているガス自由化についての調査も実施。ガス自由化については、「内容まで知っている」(7.6%)と「内容はわからないが、自由化されることは確かに知っている」(27.0%)を合わせると、34.6%が「認知」しており前回から5.9ポイント上昇。一方で、依然として「知らない」が45.0%を占めており、より一層の認知拡大が望まれるという。

 ガス自由化後の購入先変更意向は、「すぐにでも変更したい」(3.1%)と「変更する方向で検討したい」(10.0%)を合わせた13.3%となっており、前回の15.0%から1.7ポイント微減。「検討するが、変更するかどうかはわからない」(37.9%)も前回から10.9ポイント低下しており、電力と同様に様子見な状況という結果になった。

ガス自由化の認知度