長期レビュー

パナソニック「食器洗い乾燥機 NP-TR5」 前編

~エコナビによる節電・節水・時短が魅力!
by 神原サリー

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



パナソニック「卓上型食器洗い乾燥機 NP-TR5」

 新築マンションに引っ越してきてからちょうど10年。入居時にキッチンに備えた卓上型の食器洗い乾燥機が年明けと同時に故障してしまった。

 10年使えば寿命といっていいだろう。買い替えのタイミングを逸してしまい、3か月ほど手洗いをしていたが、手は荒れるし水道量も増加。食洗機を使っていたころのように、油汚れのついた食器が“すっきり、ピカッ”となかなか落ちず、ストレスも倍増。何より、食後に食器洗いのひと手間がかかり、リラックスできる時間が減ってしまい、「やっぱりなくては困る!」のが食洗機だと納得し、新しいものを購入することに決めたのだった。

 これまで使用していたものが松下電器(現パナソニック)製だったこともあり、やはり今回もパナソニック製が第1候補に挙がった。室温・食器量・汚れ具合・泡立ち具合をセンサーで検知して自動的に節電・節水・時間短縮をするエコナビ機能が搭載されているのも魅力的だ。そのほか、「洗い」に入る前に食器についた汚れを浮かしてはがす「パワー除菌ミスト」機能もついている。これも、10年前の製品にはなかったものだ。 

 少人数家族向けのプチ食洗も評判だが、わが家は3人家族で来客も多く、設置スペース的にも問題ないので大容量タイプの「NP-TR5」を購入した。


メーカーパナソニック
製品名食器洗い乾燥機 NP-TR5
希望小売価格オープンプライス
購入場所ビックカメラ.com
購入価格65,800円(取り付け費・送料込み)

 

形状や大きさ別に細かく入れ場所が決められた食器かご

 こうして3か月ぶりにわが家に食洗機が復活。前機種では、時間が経ってしまって、こびりついた汚れは落ちにくいときがあったが、それはどうだろうか? 食器の入れやすさはどうだろう? 順を追って様子を見ていこう。

 設置したのは、これまで同様キッチンシンクの左脇にある幅32cmほどのスペース。本体の奥行きは34.3cmなので若干シンクにかかる形になるが、使用にあたって特に問題はない。ドアはスモーク状になっており、うっすらとだが、中の様子が見えるようになっている。

 上段のかごは、左と右で高さがやや異なり、左側のスペースには、ごはん茶わんや小ぶりの汁わん、小皿、湯のみなどを入れる。高さ12cmまでのマグカップなども入りそうだ。カップ類は伏せて、茶わんや小皿などは汚れた面を右側に向けて縦に重ねて入れるのがポイント。右側のスペースには、直径7cm、高さ11cmまでのコップ類を斜めに立てかけて入れられる。

 取扱説明書によれば、耐熱プラスチック容器のお弁当箱などもここ入れると良いらしい。わが家では通常の小鉢よりもさらに小さな“ミニ小鉢”とでもいうような小さな食器が多いので、上かごの左スペースに入りきらなかったものは、このコップスペースに入れて使っている。

キッチンに設置したところ。本体サイズは550×343×564mm(幅×奥行き×高さ)扉は扉中央付近の横長のボタンを押すと上下に開閉する仕組み上段を引き出したところ。左側は高さ12cm以下の茶碗や小皿などに対応、右側は高さ11cm以下、直径7cm以下のコップに対応する。耐熱プラスチック容器や弁当箱もここへ入れる
上段に小皿や小鉢を入れたところ。水色のものが回転ノズル上段右側の棚に、コップやミニ小鉢を入れたところ

 次に下かごをチェックしていこう。左のスペースは、高さのあるグラス類や大きめの汁わん、中鉢など。ここは、そんなに細かく仕切られていないので、自由に使えるところでもある。右のスペースは、直径23cmまでの大皿やラーメン鉢などを入れる。さらに大きな皿の場合は、上段のコップ入れ用の上かごの位置を少し上に付け換えることでスペースを確保できる。

 下かごでも、基本的にグラス類は伏せて、鉢や皿の汚れた面を内側に向けて入れるのがポイントになる。上段・下段ともに、かごを手前に引き出して食器を収められるので、奥のものでも入れやすい。また、まな板を一緒に洗浄したいときには、最後に下かごの手前にセットすればOK。その際も、基本どおり“汚れた面は内側”を守ろう。

下かごの左部分には鉢、中皿、高さのあるコップを入れる。真ん中にあるのがお箸やスプーンを入れる小物入れ。右側には大皿やラーメン鉢が入る下かごに長いコップ、大皿、汁椀、おたまや調理器具などを入れたところ。小物入れにお箸を入れる場合は汚れた面を下向きに、スプーンやフォークは汚れた面を上向きにするのがポイント下かごを引き出して収納できるので、食器類を入れやすい

効率的な洗浄のために、汚れた面は内側に

 NP-TR5では、本体の3か所につけられた回転ノズルと、様々な方向を向いて穴が開けられた背面ノズルから順番に水を噴射し、その力で食器を洗ったり、すすいだりする。そのため、噴射した水が食器に効率よく当たることがポイントになるのだ。慣れるまでは、こうした食器の入れ方を面倒に感じるかもしれないが、パズルをするように食器を収めていくのは案外楽しいもの。

本体内部には3つの回転ノズルのほか、背面にもさまざまな方向に向いて穴があいたノズルがあり、ここから順番に水を噴射して食器を隅々まで洗う仕組みになっている本体手前左側にある専用洗剤入れ。ここが除菌ミスト発生部になる

 また、日常的に使う食器というのはそんなに種類が多いものでもないので、使っているうちに「この食器はここ」というように、入れる場所や順番が固定してくるものだ。NP-TR5のかごは、以前使っていた機種に比べて仕切りが細かく、このサイズの食器はここという風におのずと決まってくる。以前の機種はここまで入れ場所が決まっておらず、もう少しアバウトだったので、最初は私自身、少し億劫に感じたが、それも慣れるまでのこと。実際に、使用してみて、汚れ残しはほとんどないことからも、食器の入れ方は大事だなと実感している。

直径26cmのフライパン用のふた。下かご右側は、通常直径23cmまでのものしか入れられないため、上段右側の上かごを掛け替えるか、外して収納する通常の状態の上かご。右半分は上下をひっくり返して付け替えられるようになっている上かごを取り外せば、かなり大きめのふたや皿でも洗うことができる
上かごの右半分を掛け替えることもできるまな板をあらう場合は、汚れた面を内側に向けて収めるザルやフライパン、ボウルなども入る、たっぷりした食器かご
汚れた食器は事前にブラシでサッと汚れを落としておきたい

 そしてもう1つ、以前から実行していたことだが、食洗機に入れる前に、食器についた汚れをサッと落としておくことが大切だ。水を流しながらだともったいないので、ボウルに水をため、柄付きブラシを使って汚れを落としてから、食洗機に入れるようにしている。

 詳しくは後編で述べるが、NP-TR5にはエコナビ機能が搭載されており、光センサーを使用して洗浄水の濁度で汚れの度合いを検知し、洗い時間と温度、すすぎ回数を調整する。洗い残しを防ぐという意味もあるが、エコナビで節電・節水・時短を実現させるためにも、予洗のひと手間をかけることを惜しまないようにしたい。

除菌ミストで油汚れや調理器具、ミキサーの汚れもすっきりきれいに

 NP-TR5の特徴の1つに「パワー除菌ミスト」がある。これは、少なめの水で溶かした高濃度な洗剤を超音波で霧状の粒にし、油汚れや菌の周囲の膜に穴を開け、洗剤のパワーで汚れや菌を食器から浮かせるというものだ。実際に使ってみると、スタートボタンを押した後、除菌ミストランプが点灯し、しばらくすると本体の窓が曇ってくる。10分弱その状態が続いた後で、ノズルから水が噴射されて「洗い」が始まるのが分かる。

 これまで落ちにくかったミキサーの汚れや、鍋などの調理器具などの汚れも驚くほどすっきりときれいになるのは、まさに感動もの。効率のよいノズル噴射の威力もあるかと思うが、除菌ミストのパワーにはびっくりした。NR-TR5は庫内容量が大きいので、ざるやフライパン、鍋などの調理器具も楽々入る。たわしなどでこすらないとなかなか汚れが落ちにくいざるも、食洗機だとすっきりきれいになるので、毎日の食器洗い以外にも、こうした調理器具を定期的に洗浄することをおすすめしたい。

ミキサーについた果汁やヨーグルトなどの汚れは落ちにくい耐熱温度の高いミキサーを使用しているため、食洗機の使用ができて便利だ細かいところまで洗いにくいミキサーも、ご覧のとおりすっきりきれいに洗える

 今回は、基本的な使い方を説明したが、後編ではエコナビの威力、80℃すすぎ、乾燥機能を使う・使わない? など、消費電力の検証も含めて、上手な使い方を探っていくので、どうかお楽しみに!



前編  / 後編




2012年5月24日 00:00