長期レビュー
パナソニック「3つ星ビストロ NE-R3500」その1
■速さで選ぶならパナソニックのビストロ
パナソニック「3つ星ビストロ NE-R3500」 |
今回から3回に渡って紹介するのは、パナソニックのスチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-R3500」(以下ビストロ)だ。今年も各メーカーから様々な特徴を持ったオーブンレンジが発売されたが、ビストロの特徴を一言で言うと「早い」ということ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | 3つ星ビストロ NE-R3500 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 132,800円 |
2段同時調理が可能で庫内容量が大きいオーブンレンジの場合、まず庫内を温めるのに時間がかかる。そのため、これまではパンを焼くのに10分以上かかるという製品もザラにあった。毎朝のトーストにそこまで時間がかかるのは困ると言って、高級オーブンレンジの横に小さなトースターを置いて使っているという人も多かった。
一方、今回の新モデルではその問題を劇的に改善。3つ星ビストロでは、従来から加熱方法としてマイクロ波と光ヒーターで直接グリル皿を加熱する独自の「光ヒーターシステム」を採用しているが、新モデルでは加熱するエリアを絞ることで、さらに加熱スピードを向上しているのだ。
加熱エリアを絞るとはどういうことか――ビストロのグリル皿を見るとわかりやすい。横半分に区切るように点線がついており、1~2人分の調理をするときはこの点線の手前側のみに食材を置くのだ。すると、手前側だけを集中的に加熱するので、調理時間が短くなるというわけ。
ビストロ付属のグリル皿 | よく見ると、中央部分に点線が入っている |
また、グリル皿を設置する場所も特徴的だ。上ヒーターに食材がくっついてしまいそうなほど近くで、効率的な加熱を行なっているというのが、見た目にも伺える。ハンバーグを焼き上げるのもたった10分(2人分)で、両面にしっかり焦げ目が付く。
ハンバーグを加熱するときも点線の半分側、手前のみに置く | 10分で両面ともしっかり加熱された |
パン2枚の加熱時間も4分20秒でトースターと変わらない、どころかトースターよりも早いくらいだ。これならばオーブンレンジとトースターを2台設置する必要は全くない。
グリル皿をセットする位置も特徴的。上ヒーターのかなり近くに設定する | 4分20秒できれいな焦げ目がついた | 裏側もこの通り |
■共働き夫婦に嬉しい機能が盛りだくさん
と、冒頭からいきなり機能の説明から入ってしまったが、毎日料理をする主婦にとって調理時間というのはかなり重要なポイント。約1カ月間ビストロを使ってみたが、調理時間以外にも忙しい主婦に嬉しい機能が盛りだくさんだった。
詳しい機能の説明に入る前に、製品の詳細についても説明しておこう。本体サイズは、509×468×414mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約22.2kg。決して小さいとはいえないサイズだが、上方向に20cmのスペースを空ける以外は、背面も側面も壁にピタっとくっつけて置ける。2つ前のビストロをレビューした時には置き場所に困って、ダイニングテーブルに設置したが、今回のモデルはキッチンの棚に収納することができた。
製品本体。基本的なデザインは従来モデルと同じ | 扉を開けたところ | 本体上部 |
本体背面 | 本体上部の注意書きシールには、設置時の注意が書いてある。上方に20cmのスペースを設ける以外は特に指示がなかった | キッチンに設置したところ |
操作は大きなタッチパネル液晶と、操作ボタンで行なう。音声によるガイドもあってわかりやすい。加熱後は毎回、液晶画面に電気代が表示され、とてもわかりやすい。
庫内容量は30Lで、スチーム、過熱水蒸気、オーブン、レンジ、グリル加熱に対応する。本体には、2つのオーブン皿とグリル皿、グリル皿を取り出す時に便利なミトンが付属する。
2枚のオーブン皿 | ミトン2つ | 加熱後の液晶には電気代が表示される |
取り扱い説明書(左)と、「10分でちゃんとごちそう100レシピ」(右)。全てカラーページで、見ているだけでも楽しくなるような造り |
また、「10分でちゃんとごちそう100レシピ」も付属する。これは加熱時間10分間のレシピを100個掲載したレシピブックだ。お肉やお魚などのメイン料理のほか、酒の肴やスイーツまで掲載されていて、見ているだけでも楽しい。何より、10分という加熱時間で、これだけの料理ができるというのは、夢が広がる。
もう1つ、ビストロならではの調理メニューが自宅で調理・冷凍した食品を解凍から一気に焼き上げる「凍ったままグリル」だ。土日に料理をまとめて作るという人にはとにかく便利。これら10分レシピと、凍ったままグリルについては次回で詳しく紹介する。
■最新オーブンレンジの魅力は自動メニューだけにあらず!
ここまで、ビストロの機能を簡単に説明してきたが、時短調理やまとめ買い・まとめ調理にフォーカスしており、共働きや時間に追われている主婦に嬉しい製品だということが分かっていただけた思う。ただし、ビストロの魅力はそれだけではない。
解凍や野菜の下ごしらえなど、ちょっとした機能が本当によく作られている。たとえば、お肉の解凍。一昔前の電子レンジでは加熱ムラがひどく、一部は加熱しすぎ、またはドリップ(肉汁)がドボドボなんてことが当たり前だった。それが、ビストロの肉解凍機能では、スチームを使いながら、お肉をふっくらと解凍してくれる。
一番わかりやすい例は挽肉だ。箸を入れると、お肉がパラっと分かれるので、ストレスなく調理が始められる。
肉の解凍は「スチーム全解凍」を選択。仕上がりも5段階から選べる | スチームを使うメニューの時は、扉の下に備えられている給水タンクに水を入れてからスイッチを押す | 解凍後の挽肉。箸がすんなり入るほどの固さで、その後の調理が楽 |
また、ジャガイモなどの根菜加熱もお上手。加熱しすぎや加熱ムラがなくふっくらと仕上げてくれる。トウモロコシを蒸すのもボタン1つでできるので本当に楽ちんだ。
解凍や根菜の加熱など、普段の料理の前の下ごしらえがここまでストレスなくできるのは嬉しい。たとえばスーパーに行って、じゃがいもやトウモロコシが安くなっていても、「この暑いなか蒸したり、ふかしたりするのは面倒だな」と思い、買うのを避けていたが、ビストロを使い始めてからは、「ビストロがやってくれるから買おうかな」と思えるようになった。
そうすると、コロッケやポテトサラダ、コーンスープなどちょっと手のかかる料理へのハードルが一気に下がって、無理なく料理を楽しむことができるのだ。
ジャガイモなどの根菜は「ゆで根菜」メニューを選択 | こぶりのジャガイモを洗って、耐熱皿の上に載せる。加熱時はこの上からふんわりとサランラップをかぶせる | 加熱後のジャガイモ。中までホクホクに仕上がっていて、このまま食べてもおいしい |
トウモロコシはグリル皿を使ったスチームメニューを選択。今回は、加熱後に冷凍するので、加熱時間はやや短めの10分にした。そのまま食べるのであれば、加熱時間は25分くらいがおすすめ | 加熱後のトウモロコシ。粒がはち切れそうだ |
最近のオーブンレンジは何百という自動メニューを搭載しているものが多いが、オーブンレンジの魅力は自動メニューだけではない。加熱方法1つとっても、数年前より格段に進化している。蒸したり、茹でたりといった下ごしらえは人がやるよりも正確で、失敗がない。「電子レンジなんて壊れるまで買い替える必要はない」と思っている人は是非、その点も頭に入れておいてもらえると良いと思う。
1回目では、ビストロの加熱の早さ、下ごしらえの便利さといったあたりを中心にご紹介してきた。2回目では、10分レシピ、凍ったままグリルなどビストロならではの自動メニューを中心にご紹介する。引き続き、よろしくお願いします。
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2012年9月18日 00:00