長期レビュー
東芝「大清快VOiCE EDRシリーズ」
東芝「ルームエアコン 大清快VOiCE EDRシリーズ」その2
~PM2.5対応のエアコンは「大清快」だけ!
(2013/5/9 00:00)
省エネ暖房の心地よさに感激
11年ぶりにリビングのエアコンを買い替えた。これまでエアコン嫌いで暖房も石油ファンヒーターを使っていたわが家だが、意を決して東芝ホームアプライアンスの「大清快」EDRシリーズを選んだ理由については、第1回に詳しく述べたとおりだ。
第2回となる今回は、PM2.5にも対応するという空気清浄機能について、紹介するつもりだったが、その前に暖房機能についても少しふれておきたい。設置時期を考えると、暖房機能について検証するのは難しいかなと思っていたが、この春は気温の差が激しく、4月になってからも肌寒い日が続いた。
大清快を設置後の4月下旬にも、夜になってかなり冷え込んで足元が冷たい日があった。暖房機能を試すのは、秋以降だと思っていたが、せっかくのエアコンを使わない手はない。さっそく暖房のスイッチを入れてみた。
設定温度はこれまで使用していた石油ファンヒーターの設定温度とほぼ同じ20.5℃に。20℃でもいいのだが、大清快は設定温度が0.5℃単位で設定できるので、今回はあえて20℃より少し高めの20.5℃に設定した。
運転開始後、しばらくすると暖房運転が始まり、フラップがぐっと下向きになって足元にしっかりと温風を送り出す。11年前に設置したエアコンの暖房をほとんど使っていなかった理由は、電気代のこともあったが、何より温風が顔にばかり当たってしまい、足元がちっとも暖まらなかったからだ。その点、最新のエアコンであるEDRシリーズでは、季節に応じて気流をコントロールしてくれるため、不快さは一切感じなかった。
部屋がふんわりと暖かさを感じるようになってから、リモコンの暖房ボタンを2度押しして「保温」設定に変更してみた。保温設定では、消費電力を抑えた暖房運転で室温を17℃以上に保つという。時期的にも寒さの厳しい真冬とは違うため、まさに「保温」でちょうどよい。この日、エアコンを消した後、「おしえて」ボタンを押して運転状況を確認してみたところ、暖房から保温運転に切り替えて1時間18分ほど使用した際の電気代はなんと1円! いやはや、驚くほどの省エネでびっくり。これなら、寒さをがまんせずに快適に暖房を使えそうだ。
電気集じん方式のプラズマ空清でPM2.5にも対応
東芝のエアコンは「大清快」という名のとおり、空気清浄機能が充実しているのも大きな特徴だ。2年前のモデルからこれまでのプラズマ空清に加え、ピコイオンの放出も加わり、よりパワーアップしている。また、0.3、1.0、2.0μmのタバコの煙粒子径での実証試験での評価により、最近話題の「PM2.5」にも対応していることが認められている。
大清快シリーズでは、一般的な空気清浄機で多く用いられている静電式空清フィルター方式でなく、プラズマ空清方式を採用しており、捕集できる粒子サイズが幅広いのだ。PM2.5のほか、黄砂、花粉なども集じんし、ウイルスやカビ菌を抑制するというのは心強い。
とはいえ、エアコンで本当に空気清浄できるのか――と不安に思う人もいるかもしれない。ここでピコイオンとのダブルで行なうプラズマ空清について簡単に紹介しておこう。まずは、室内機に搭載された「ピコイオン発生器」から部屋にピコイオンを広げ、空気中の菌を除菌&脱臭する。続いて、プラズマイオンチャージャーにより、除菌した浮遊菌やハウスダストをマイナスに帯電させ、アクア洗浄熱交換器(特殊コーティングされた熱交換器)でしっかりとキャッチする。空気清浄運転終了後、捕獲した汚れは、除湿運転によりドレン水で屋外に自動排出される仕組みだ。
「ピコ空清」モードは冷暖房をせず、単体で行なうこともできる。実際に試してみたところ、運転開始時には25Wと表示され、風量も比較的多めで部屋全体の空気を吸い込んでいるのがわかる。しばらくすると、音や風量も小さくなり、本体の表示も10Wになって安定した。この日、約4時間空気清浄運転させた際の電気代は、1円未満だったため、リモコンでの表示は0円だった。これだけ低消費電力で空清運転を行なってくれるのなら、つけっぱなしにしても良いと思える。リビングに空気清浄機を別に置く必要はないかもしれない。
3つのセンサーで電気のムダを省くecoモード
続いて、チェックしたいのが、エアコン選びで最も大切なポイントにもなる省エネ機能について。1回目でも紹介した通り、大清快では独自のデュアルコンプレッサー搭載により、圧倒的な省エネ性を実現しているが、人の有無や明るさ、さらにはお天気まで感知して、運転を制御してくれるecoモードも備える。
本体には「人サーチセンサー」「明るさサーチセンサー」「お天気サーチセンサー」の3つのセンサーが搭載されており、人の動き、明るさ、お天気をチェック。生活シーンに応じて電気のムダを省いてくれる。エアコン室内機の表示部左の帯状の白いプレート部分に人サーチセンサー、右の小さな四角いプレート部に明るさ・お天気センサーがそれぞれ内蔵されている。
これらのセンサーを働かせるには、リモコンのメニューボタンで「設定あり」にする必要がある。
3つのセンサーの設定が終わったら不在節電の設定もしておきたい。これは設定した時間が経過すると運転を自動で止めて電気のムダをカットするもので、1・2・3時間の3種類から選択が可能だ。運転停止にしたくない場合は、「設定なし」にすることもできる。わが家の場合、愛犬のためにつけっ放しにしておきたいので夏になったら「設定なし」にするつもりだが、今回は1時間で設定してみた。
「人サーチセンサー」は、人(発熱体)の動きを検知して、暖房時に人の動く量に応じて省エネ運転を行なうほか、快適気流の「自動風あて」に設定しておくと、人の位置を検知して自動で風向きを調整して人のいるところだけ空調することで、省エネ運転になる機能も備える。また、不在を検知すると、30分後に最小能力運転を開始し、不在節電の設定時間に応じて運転を停止するのにも使われる。
「明るさセンサー」は、室内機周辺の明るさレベルを検知して、暗いと判断した時には自動で弱めの運転に切り換わる仕組みだ。さらに「お天気センサー」で気圧の変化から現在の天気を予測し、天気に合わせて自動で弱めの運転を行なう。冷房運転時に雨や曇りと判断すると、設定温度よりも高めに調節した運転を行ない、暖房時に晴れと判断したときには、設定温度を低めに調節した運転をしてくれるというわけだ。今回は、明るさやお天気による省エネ運転については確認できなかったが、自動でより省エネな運転をしてくれる機能がついているのは、ありがたい。
また、室内機のお天気センサーとボイスコントローラとが双方向でのやりとりを行なうことが可能なため、ボイスコントローラにる「天気予報」も可能だ。気圧のトレンドデータをマイコンに蓄積しているため、それをもとに天気を予測して教えてくれるのだ。ちょっとした遊び心みたいなものだが、「お天気」とたずねると「お天気は晴れになるでしょう」などと答えてくれるのは楽しい。
冷房運転も快適気流ボタンで「風当て」「風よけ」自由自在
5月初旬のゴールデンウィークの最終日、ようやく気温が上がってきたので、冷房運転を試してみる機会が訪れた。室温が23.9℃だったため、設定温度はわずかに低めの22.5℃にした。
リモコンをスライドさせて「快適気流ボタン」で「自動風あて」に設定してみると、ルーバーがしっかりと自分のほうに向いて、冷風を送ってくる。その後「自動風よけ」にすると向きが変わり、風が当たらなくなったのは「人サーチセンサー」があればこそ。好みに応じた快適運転も、省エネ運転も自在にできる大清快。頼もしさを実感できて、使うのがますます楽しくなってきた。
その後、ecoモード+空気清浄運転に設定して、1時間半ほど外出し帰宅したところ、冷房のランプがついたまま10Wの表示で空気清浄運転のみ行なわれていた。運転停止になっていなかったのは、近くに愛犬がいて動いたりしていたため、「人」と検知されたのかもしれない。帰宅時には、30分経過後の「最小運転」をしていたところだったようだ。
実は外出前に、室内で鉢植えの観葉植物の植え替えを行なったため、部屋中がかなり埃っぽい状態になっていたのだが、帰宅してみると、あれだけ埃っぽかった室内が、驚くほど気持ちのよい空間になっていて家族共々、びっくり。「ピコ空清」の威力を実感できた一瞬だった。
最終回となる次回は、これから梅雨のシーズンに向けて使う機会の増えそうな除湿運転や衣類乾燥モード、そのほか、フィルターの自動クリーニングなどのお手入れなどについても詳しく紹介する。引き続きご愛読お願いします。