イベントレポート IFA 2013
フィリップス、Wi-Fi対応の調理家電やコーヒーマシン、空気清浄機など
~これからの家電に何ができるかを提案
(2013/9/13 00:00)
国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2013」が、ドイツ・ベルリンの国際見本市会場において9月6日~9月11日(現地時間)に開催された。
IFAは、世界最大級のコンシューマー・エレクトロニックス・ショーで、白物家電をはじめ、テレビやオーディオなどのAV機器も多数出品される。今年で53回目で、前回の2012年は、出展企業が56カ国/1,439社、来場者数は延べ約24万人だった。
家電Watchではその中から、洗濯機や冷蔵庫などの生活家電に焦点を当てて、レポートする。
展示コンセプトは「Digital Innovation」~これからの家電に何ができるのか
オランダの大手家電メーカーのフィリップス。日本では電動歯ブラシやシェーバー、ヘッドフォンなどの音響製品で知られるが、エアフライヤー(日本での製品名はノンフライヤー)などの調理家電や掃除機、アイロン、空気清浄機などの生活家電にも力を入れている。
今回のIFAのブースでは「Digital Innovation」というコンセプトを展示の大きな柱とし、これからの家電に何ができるのかを提案していた。
Wi-Fi対応の調理家電「ホームクッカー」
そんな「Digital Innovation」の1つが、すでに発売されている調理家電「ホームクッカー」のWi-Fi対応モデルだ。タブレットと連動させることによって、さまざな調理メニューを選ぶことができ、自分のタイムスケジュールに応じた調理時間の設定もできるというもの。時間だけでなく、温度調整なども自動で行ない、かき混ぜ機能もあるため、つきっきりで調理をせずに済む。
また、調理終了時間に帰宅できなかった時も、自動で電源がオフになる機能を備えている。展示されていたものはプロトタイプなので、メニューが15種類ほどしか用意されていなかったが、働く母親や子育てで忙しい主婦のために、より良いものを開発している段階という。
Wi-Fi対応のSaecoのコーヒーマシン
フィリップス傘下に入ったSaecoのコーヒーマシンも同様に、Wi-Fi対応により、タブレットによるメニュー設定が可能だ。豆の濃さや抽出量、ミルクの量など細かい設定もアプリを使うことで自在にできるだけでなく、好みの味を記憶させて、いつでもその味を再現することができるほか、SNSでそれを発信してコミュニケーションにも役立つという。
デモンストレーションでは、スパイスを使った複雑なコーヒーメニューも、画面の指示通りに行なうことで誰にでも失敗なく作れることをアピール。今後は豆の産地まで入力してコーヒーをカスタマイズするなど“ワイン”のようなコーヒーの楽しみ方を提案していきたいとしていた。
Wi-Fi対応の「スマート空気清浄機」
「Digital Innovation」は空気清浄機でも提案されていた。これもWi-Fiによるスマートフォンとの連携で、部屋の汚れ具合や温度・湿度などの空気環境や、マップにより地域別の現在の空気環境まで把握することができるというもの。データの蓄積により、1日の中で空気が汚れる時間を把握し、それに応じて自動で空気清浄機の運転の強弱を調整する機能も備えている。2014年春には、最も空気環境に敏感になっているといわれる中国で、600ユーロ程度で発売される予定だという。
デモンストレーションでは、空気の汚れ具合によって、スマホの画面や空気清浄機本体がどのように変化していくのかを示したり、1日の中での空気環境の変化を示したグラフの提示などがあった。
スマホで赤ちゃんの様子を確認できるベビーモニター「AVENT」
フィリップスではすでに子ども用品なども取り扱っているが、その延長線上に展開されるものとしてベビーモニター「AVENT」を発表。切れにくく高性能なモニターを使うことで、スマートフォンで24時間赤ちゃんの様子を身近に感じることができるのが特徴だ。
単に離れたところで赤ちゃんの様子を確認できるだけでなく、アプリの操作で好みの音楽を流したり、同社のLED照明「hue」との連弩で、部屋の照明の調光をする機能も備え、部屋の温度・湿度の確認もできる。部屋を暗くした際にも、赤外線カメラ機能でしっかりと赤ちゃんの様子をとらえることができるという。
なお、「hue」はタブレットなどにより、1,600万色の色を表現することができるLED照明で、アップルストアなどですでに導入されているという。
好みの髭をアプリとカメラで試せるサービスも
そしてもう1つ、「Digital Innovation」の提案として、好みの髭のスタイルをタブレットのアプリとカメラを使って自在に試せる「グルーミングガイド」サービスも紹介していた。髭のスタイルを選んだら、シェーバーの使い方も教えてくれるサービスで、同社のシェーバーを使用していない人でも使えるフリーアプリだ。ものを売るだけでなく、ユーザーにどう正しく使ってもらうかも「顧客サービス」として大切なことだという。
また、ブース内では、同社のフラッグシップモデルの掃除機の吸引力の強さを示すために、壁に吸着させてリモコンで操作するというデモンストレーションが行なわれていたほか、バクテリアを除去するという空気清浄機も展示されていた。
さらに、低温かつたっぷりのスチームで、シルク製品も安心してアイロンが掛けられるというジェネレータータイプのアイロンのデモンストレーションにも注目が集まっていた。
このほか、日本でもすっかりおなじみとなったエアフライヤー(ノンフライヤー)はデジタルタイプが登場しており、より使いやすくなっていた。カラーバリエーションにホワイトもあり、日本での製品展開が待たれる。