年末特別企画

よく使った新幹線のオフィス車両。騒がしくてもJabraヘッドセットが大活躍!【私の2021】

筆者がオンラインミーティングに愛用するJabraのヘッドセット「EVOLVE2 30」

2021年は新型コロナウィルスに右往左往させられた。緊急事態宣言が何度もあり、解除されるたびに保留になっていた取材で全国を回る、そんな年だった。10月にいたっては在宅がたった2日間……。そこで超! 超♪超★重宝したのがJabra(ジャブラ)の通話用ヘッドセットとイヤホンだ。

オンライン会議がないときに持ち歩いているJabra「Elite 7 Active」。音楽も聞けるし電話もOK。ひそひそ話がないオンライン会議ならコレでもOK!

あまり耳にしない人もいるかもしれないが、デンマークのGNグループに属していて、ヘッドセットや補聴器などを手がける世界的な企業だ。創業から150年の老舗(最初は通信用ケーブル敷設会社)で、コールセンターなどで使われる業務用のヘッドセット、携帯電話の時代からのハンズフリー機器の開発販売などで世界的に有名な製品群を持っている。最近は黄色い電車広告を出していて見たことがある人もいるのではないだろうか?

広告などにも黄色のカラーが使われるJabra

また主力製品の補聴器も長年手がけているので、カナルタイプのイヤホンの技術にも強い。技術的にも骨伝導マイクを使った通話機能やノイズキャンセリングマイク、ノイズキャンセリングイヤホンの技術にも強いので、「知る人ぞ知る」ヘッドセットメーカーなのだ。

新幹線の「オフィス車両」試験導入でJabraにビッグウェイブ!?

2021年のダイヤ改正から東海道・山陽新幹線は7号車の「S work車両」(予約制)、JR東日本(西日本管轄の北陸新幹線、北海道管轄の北海道新幹線含む。また、こまち、つばさ、つるぎ号は対象外)の8号車は「オフィス車両」(自由に利用可能、自由席券でも可)として、座席での電話をはじめとした通話やオンライン会議が可能となった。元々新幹線にはフリーWi-Fiがあるので、通話料やパケットを気にすることなくZoomやTeamsでのミーティングができ、寒いデッキにPCを持ち出す面倒もない。

JR各社のオフィス車両利用方法や制限については、それぞれホームページで詳細を調べて欲しい。現在はあくまで「試験運用」という形のためサービスの追加や統廃合が頻繁に行なわれる可能性がある。とくにビジネス向けのデバイスのレンタルサービスが続々登場し、え? これタダで使えるの? というものまでたくさん。

ただしトンネルの多い区間は、通過ごとにWi-Fiが切断されるのであらかじめ路線図などで確認しておくといいだろう。東海道新幹線だと小田原~三島間、東北新幹線の盛岡以北、上越新幹線の高崎以北はトンネルの連続でWi-Fiが途切れることに注意したい。

ある程度乗りなれてトンネルの場所が分かってないと、突然Wi-Fiが切れてキレることになる

車内でのオンライン会議はJabraのヘッドセットがオススメ

オンライン会議の必須アイテム「ヘッドセット」。ヘッドホンにニョキッ! とマイクが付いたアレだ。コレはほぼ業務用(航空/放送/電話オペレーター業務)がメインで、家電量販店で購入できるものが少ない。しかも量販店で購入できる製品の多くは、PCパーツのサプライヤーで簡易的なもの。しかし音響メーカーでかつ業務用も製造する「Jabra」のヘッドセットが新幹線にベストマッチ! これマジ!

はやぶさ号のオフィス車両。筆者が乗った時、仙台以北は昼間ガラガラだった
集中力を高める謎アイテムやサブモニタにできるスマートグラスの無料貸し出しも! 使わんけど(笑)

さてオフィス車両は時間帯や列車によっては混雑し、喫茶店以上にザワザワとしている。自分以外にもパソコンをバリバリ打っている人もいれば、座席で通話している人もいるので普通車よりうるさい。その上に走行音や、すれ違いの音、鉄橋や駅の通過音など、会議をしてみて初めて音のデカさに気づく。

こんな中でパソコン内蔵のスピーカーとマイクを使って会議をするのはほぼ無理。「キーン」とハウリングしないように自分がしゃべっている間はスピーカーの音を下げ、無言のときはマイクを絞るため、しゃべり出しが聞こえないときが多々あり「はい? 今の頭(最初の部分)聞こえなかったんですけど!」と何度も言われることになる。

安いヘッドセットでも、しゃべっていないときはアプリ側で列車の走行音などの騒音を自動ミュートにするので、話し出しと話し終わりの声が凄く小さくなる。コレは自分では分からないが、相手はもの凄く聞きづらいのだ。だから相手がお客さんだとヒヤヒヤもの。

EVOLVE2 30。ケーブルにヨレやネジレが起こらない芯線が入っている気遣いが、日本製にも負けないところ

筆者が使っているのはマイクにノイズキャンセリング回路が入っていて、耳はスポンジで耳栓のような遮音性を持たせたパッシブノイズキャンセリングタイプ。Jabraのホームページにその効果の具合を示すサンプルがあるのでぜひ聞いて欲しい。

写真はひとつ上のモデルのデモだがキャンセリング効果は同様。製品情報サイト内で切り替えると違いが分かる
こちらの写真は最上位モデルのマイクノイズキャンセリングだがこれに近いレベルまでクリアに聞こえた。選択肢の「他のUC認定オーバーイヤーヘッドセット」「主要な非UC認定イヤホン」はたぶん皆さんが聞きなれた音

Jabraのヘッドセットには、耳に聞こえる方のノイズキャンセリングと、マイクが拾う方のノイズキャンセリングがある。そのうち耳のノイズキャンセリングの方式には、低反発のヘッドホンで耳を覆って耳栓の役割をするパッシブノイズキャンセルと、周りの音を拾ってデジタルでノイズをキャンセルするアクティブノイズキャンセルがある。デジタル式はけたたましい騒音がまるでホテルの一室にいるように静かになる。マイクのノイズキャンセルもすごく、周りのガヤガヤから50mぐらい離れたところに移動して話しているかのようにクリアな音声に感じた。

耳に当たる部分が低反発スポンジでできていて、オープンイヤー方式だけど密閉式なみの静かさ

「なにもオンライン会議のためにヘッドセットを持っていくまでもなく、通話機能付きのイヤホンでもいいのでは」という方も多いだろう。確かに当たり障りのない会議であればそれでもいい。でも「お金の話」「機密情報」「自分の素性を隠したい」など、ちょっと小声で話したい内容も、中にはあるかもしれない。そんなときイヤホンだと声が小さすぎてマイクで拾えないときがある。骨伝導タイプを使ったとしても、声帯が震えないヒソヒソ話だと、相手に「はい? 今なんて?」と言われることも。でもヘッドセットならマイクと口を覆うようにすれば、マイクがささやきまで拾ってくれるだけでなく、口元を見られる心配もないのだ! 最強セキュリティ!

口元をかくしてヒソヒソ話もできるのがヘッドセットの魅力
飲み物を飲んだり、こちらだけの話をしたいときはブームマイクをアップすると自動的にマイクミュートになる。素晴らしき人間工学的なインターフェイス!

急にオンライン会議が始まるなんてことは稀で、「何日の何時」と決まっている場合がほとんど。だから筆者は新幹線での移動中に会議が当たる場合にだけ、ヘッドセットを持っていくようにしている。

またヘッドホンとしての性能も高く会議の声がはっきり聞こえるのはもちろん、音楽用として使ってもまったく問題ないほどだ。

ワイヤレスで片耳仕様のモデルもある。ヘッドセットに慣れている人や周りの音も聞きたい人に便利

なおJabraのヘッドセットはたくさんのラインナップがある。まず有線イヤホンジャック/USBと無線のBluetooth。さらに開放式のオープンイヤーと密閉式(耳を覆う形)、片耳と両耳、パッシブノイズキャンセル(耳栓方式)とアクティブノイズキャンセル(デジタルで周囲のノイズを低減する)など。Jabraのホームページを調べたり、家電量販店で実際に音を聞いてみるといい。コールセンターの業務用なんかを使えば、新幹線から会議に参加しているなんて分からなくなるかも? アリバイ作りが必要な会社の上司との会話、プライベートでも秘密の会話をしたい方などにはぜひ業務用もオススメしたい。

耳に超フィット! 仕事の集中力も高められるノイキャンつきイヤホン

音楽を聞いたり動画を見たりするのにスマホと一緒に持ち歩く人も多いイヤホン、いわゆるカナル型(耳栓型)ってのを持ち歩く人も多いだろう。でもよく聞くのが「耳からポロリと落ちちゃって紛失」すること。筆者も仕事柄、自分で買ったものからメーカーさんに借りたもの、体験会で聞いたものや頂きものまで、これまで100個近いイヤホンを使ってきた。その中でも一番ジャストフィットしたのはJabraだ。

筆者の愛用する防水&スポーツでも耳から落ちないフィット感のElite 7 Active。だいたい22,000円

Jabraのカナル型イヤホンがスゲーフィットする理由は、元々補聴器メーカーであるという点とワールドワイドで耳の穴の形状を62,000以上もサンプリングしているトコ。筆者はElite 7 Activeを愛用しているのだが、今まで試したおよそ100個の中で一番フィット感が良かった。「ジョギングなどスポーツしてもジャストフィットする」というのがElite 7 Activeのセールスポイントだが、休憩中にイヤホンをしてご飯を食べていても一回も挿し直さなくてもフィットし続けた(もぐもぐすると大抵のイヤホンは、ずれたり落ちた)。

最近は月に10日以上出張に出ることが多く、ホテルではテレビを見るよりYouTubeを見ながら過ごすことが多い。でもノートパソコンの小さいスピーカーだと音が悪いのでヘッドホンをしっぱなしなのだ。それでも落ちないし耳に圧迫感がない!

ケースは普通のプラスチック。充電用コネクタはUSB Type-C

また全体がゴム素材で覆われているので「IP57」の防塵・防水基準。つまり完全防塵じゃないけど機能に問題なし。防水は一時的に水没しても問題なしというタフさなのだ。イヤホンをしたままシャワーを浴びたことはないが、お風呂に入るのはしょっちゅうだ。

さらにノイズキャンセリング機能もついているので、これまた新幹線の中で便利。実はオフィス車両は仕事をする人が集まってくるので、パソコンのタイプ音やら会話やらのざわつき感が普通指定席より大きい。思いっきり仕事できるからエンターキーのパコーンという音も。まぁ自分もパソコンを叩いてオンライン会議やってるから仕方ないんだが、集中して原稿書きたいときは「すごく周りがうるさい」(笑)。そんなときはイヤホンをスマホにもPCにもコネクトせず電源ONにする。

アプリで効き具合の調整が可能。イヤホンのボタンでは、ANC ON/OFFと集音モード切り替え

ANC(アクティブノイズキャンセリング)をONにすると、周りの音が消えて静かになる。この機能はボタンひとつでON/OFF/集音が切り替えられるので、車内販売や車掌さんが近くに来たときは集音にして周囲の音を聞けば、イヤホンを外したように回りの音が聞こえる。だから検札(JR東日本はオフィス車両が自由席扱いなので検札がある。東海は指定席なので基本検札なし)や、ドリンクを買うのもスムーズなのだ。ちなみに集音モードは、実際に耳で聞くより大きな音で聞こえる(ボリュームにも依存する)。

難点は動画を見ちゃうと若干口パクと声がズレていた点。現時点ではiPhoneのSBCとAndroidのAACコーデック(Bluetoothでどうやって音声データを飛ばすかの方式)のみ対応なので、低遅延なaptX-LLコーデックに対応できていない。コレだけが残念!

音質はニュートラルなJBL系だと感じたので、BOSEのような低音派は、思いっきり低音を上げて音楽を聞くといい。会議のときはノーマルな音声を選ぶ
イヤホンやケースのバッテリー状況などが確認できて、ANCの効き具合、集音モード、ノイキャンOFFの切り替えもOK

そしてJabraのもうひとつの特徴が無償のアプリだ。スマホにコネクトすると、イコライザー機能が使える。音楽なら低音を上げたり、会議なら中音で人の声を聞きやすくしたりと超便利だ。

またこのアプリは最後にJabraを使った場所(スマホと接続していた場所)をスマホのGPS情報を使って記憶している。したがって紛失場所をある程度絞り込めるので便利だ。筆者の場合、集中時は静かな方がいいのであまり使わないが、鳥の鳴き声や滝の音などの環境音を流すことも可能だ。

プリセットされた環境音を流すこともできる
以前にコネクトしたときの場所。名古屋のホテルで使ってました

加えてアプリを使うとイヤホン内部のファームウェア(プログラム)が書き換え可能。新しい機能に対応したときなどに使われるかもしれない。

もちろん通話機能もついているので、簡易的なヘッドセットとしても利用できる。Jabraのヘッドセットを忘れてきたときや駅など騒音の激しいところで通話するのに使うと、発車ベルや到着案内で相手の声が聞き取れない! なんてこともない。

新幹線で気兼ねなく仕事をできる「Jabra」は今年の俺押しアイテム!

少し長くなってしまったが、緊急事態宣言が開けるたびに怒涛の出張の日々を過ごしてきた2021年。筆者が一番重宝したのは、Jabraのヘッドセットとイヤホンだった。

Jabraのヘッドセットとイヤホンをたくさん使った

2021年のJRダイヤ改正以降、オフィス車両はJR九州と四国を除く各社が期間限定(JR東海が2022年3月いっぱい、JR東日本・北海道は期限を切っていない)で提供しているが、利用者も多く非常に便利なので、本格運用に移行する可能性大だ。さらにはビジネス客の多い「ひたち」や「あずさ」にも登場するかもしれない。

利用にあたってはぜひJR各社のホームページを参照して欲しい。そして自分のビジネスや目的にあったJabraのヘッドセットやイヤホンを探してみてはいかがだろうか?

藤山 哲人

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。 「マツコの知らない世界」(番組史上最多の5回出演)「ゴゴスマ」(生放送2回)「華大の知りたいサタデー」(生番組4回)「アッコにおまかせ」「NHKごごナマ」(生放送2回)「カンテレ ワンダー」(5回)「HBC 今ドキ!(生中継4回)」はじめ、朝や昼の情報番組に多数出演し、現在インプレスの「家電Watch」「PC Watch」やサイゾー「ビジネスジャーナル」などのWeb媒体をはじめ、毎月ABCラジオなどで連載やコーナーを持っている。 趣味は、鉄道、飛行機、バス、車の旅行や写真とシステム&構造。電子工作、プログラム。あと神社めぐり。

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