やじうまミニレビュー

ヤザワコーポレーション「LED2wayランタン L114WH」

~両面が明るく、開いても使えるLEDランタン

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新機能の平たいLEDランタン

ヤザワコーポレーション「LED2wayランタン L114WH」

 東日本大震災後の直後、発電所の被災などにより電力が不足し、東京電力管内では計画停電が実施された。地域単位で何時間も停電すると言われても、ほとんどの人は照明の用意もなかった。ディスカウントショップやドラッグストアの店頭には聞いたことも無いメーカーのLEDライトやLEDランタンが並び、飛ぶように売れていた。

 あれが、LEDランタンが広く認知されるきっかけだったのだと思う。いまでは、大型家電店の一角にLEDランタンの売場が確保され、一定の市場があることを示している。

 市場ができれば、新しい機能を持った製品も増えてくる。今回紹介する、ヤザワコーポレーションの「LED2wayランタン L114WH」も、その1つだ。さっそく使ってみた。

メーカーヤザワコーポレーション
製品名LED2wayランタン L114WH
希望小売価格オープンプライス
購入場所yodobashi.com
購入価格2,980円

光る板のような本体デザイン

 L114WHの特徴は、板のような本体デザインだ。板の両面にLEDが配置されており、両面が光る。

本体正面
本体側面
本体裏面
取っ手に電源スイッチがある

 本体は2つ折りになっており、開くと2倍の面積になる。もちろん、明るさも2倍だ。

本体裏面に本体を開くスイッチがある
開いた状態
ジョイントの構造

 本体はABS樹脂製で、硬い感触だ。写真だけでは、本体の大きさが分かりにくいデザインだが、片手で持てる大きさだ。本体サイズは、130×48×224mm(幅×奥行き×高さ)、開いた状態で365×130×115mm(同)となっている。

片手で下げてLEDライト代わりにもなる
開いて下げた状態。揺れるので、このまま歩くのは無理だが、1カ所を照らすには有効だ
本体の高さは約24cm

 電源は単三形電池4本だ。電池の種類は指定されていない。

 本体の上部は取っ手になっていて、ここに電源スイッチがある。スイッチは、「Low←→切←→High」という配置で、明るさが2段階に調整できる。常に両面が点灯するようになっており、片面だけ点灯することはできない。

 LEDは、0.5WスーパーLEDが、片面に7灯、全部で14灯配置されている。明るさは、Lowでも十分で、Highにすると6畳間全体が照らせるほどだ。

LEDを点灯した状態。片面に7つのLEDが配置されている
裏面も同様に点灯する
両面を同時に照らす
開いた状態で点灯
吊り下げ用のフックが折りたたまれている

 通常は、立てた状態で両面を照らして使う。また、開いた時は、内部にたたまれているフックを起こして、吊ることができる。アウトドア用のLEDランタンによくある逆さ吊り用のフックを、うまく取り入れた形だ。

パッケージはブリスター型
取扱説明書はなく、パッケージの裏面に書かれている
基本操作の説明
本体の仕様

そのままでも、開いても便利

 使う前の準備は、電池を本体内に入れるだけだ。今回はアルカリ乾電池を主に使ったが、エネループでも使用できた。重量はアルカリ乾電池4本込みの実測で452gだった。

 電池ボックスは、本体を開いた内部にある。2本ずつ並べて入れる形で、ちょっと入れにくい。フタがなくならないようにヒモで結んであるのは変わったデザインだが、実用的ではある。

ジョイント部分の近くに電池ボックスがある
電池ボックスのフタは紛失しないようにヒモがついている
乾電池を入れた状態。2本ずつ2段重ねで入れるで、コツが必要だ
フタはスライド式

 実際に、いろいろな場所で使ってみた。本体を普通に立てた状態では、ほぼ全周を照らすので、一般的なLEDランタンと同様に使える。本体が板状で、場所を取らないのが良い。また、テーブルなどで使うときは、テーブルの中央に置けるので、都合が良い。左右に光が向かうので、テーブルを区切ったような配光になる。

 意外に便利だったのは、広げて床に置いたり、立てかける使い方だ。合計で7WのLEDが照らすので、かなり明るい状態が作れる。

テーブルの中央に置くと、2つに区切るような面白い効果がある
ベランダでの作業例
前後に光が向かうので、洗面台全体を照らせる
床に置いて、上向きに照らすこともできる
本体を開いて、壁に下げることもできる
LEDランタンは、光が真横に向かうので読書には使いにくいが、新書程度なら読める

 逆に、立てた状態で読書灯として使うときなどは、片面の明るさだけで十分であり、両面が光る必要がない。また、手に下げて、LEDライト代わりに使うときも、片面だけ点灯すれば良い。電池寿命が伸びるので、片面だけ点灯する機能の追加を検討してほしいところだ。

 良い点では、開いた状態では内蔵のフックが便利だった。フックの位置が重心近くなので、板状の本体が安定して下を向く。すべてのLEDが下をむくので、LEDランタンとしては図抜けて明るい環境が作れる。バスルームでも、浴槽だけではなく、部屋全体を照らすほど明るく快適だった。アウトドアの趣味がある方は、テント内や車中泊の照明として便利だろう。

 ただし、本体は防滴仕様ではないので、湿気のある場所や屋外で使うときは水滴などに注意する必要がある。

これまで試した吊り下げができるランタンの中では図抜けて真下を明るく照らせる。手前の洗い場も含めてバスルーム全体が明るい
吊ったLEDランタンを下から見上げた状態

 使っていて惜しいと感じたのは、何かを操作するときの質感が低いことだ。本体を開くためのスイッチの操作がはっきりしなかったり、フックが起こしにくいなど、細かい点が気になる。価格相応ではあるのだが、もう少しがんばってほしい。

 電池寿命は、Lowで約14時間、Highで約2.5時間とされている。実際は、もう少し短くてLowが11時間程度、Highが2時間程度だった。電池の消耗とともに暗くなっていくタイプなのと、最後はLEDがまたたく場合もあって、最後のほうは実用にならないのだ。

 なお、LED点灯中は、取っ手の部分がほんのりと暖かくなるが、連続点灯していても熱くなることはなかった。

面白いデザインと機能

 「発光する板」というデザインモチーフは魅力的で、この本体デザインのまま、面発光できる有機ELで作ったら、どんなに格好良いだろうと思ったぐらいだ。

 もちろん、現状のLEDでも秀逸なデザインで、立てても開いても便利に使えた。とくに、開いた時の明るさも十分なので、作業用のワークライトとしても実用性が高い。

 また、一般的なLEDランタンよりも、圧倒的に省スペースなので、使わないときの置き場所に困らないのも良い。机の隅や本棚の一角に置いておける大きさと底面積だ。

 伝統的なランタンに形にとらわれず、便利なLED照明器具が欲しいという方は、候補に入れて良い製品だ。

伊達 浩二