やじうまミニレビュー
エナジャイザー「LEDアウトドアランタン MFAL35YJ」
■2種類の電池が使える防水ランタン
エナジャイザー「LEDアウトドアランタン」 |
先日は、夏のレジャー向けに、パナソニックの防水LEDライトを紹介したので、今度は防水機能を持ったLEDランタンを紹介しよう。エナジャイザーの「LEDアウトドアランタン」だ。
その名の通り、室内よりも屋外で使うのが似合う製品で、一見すると、フツーのLEDランタンに見える。
しかし、この製品は“IPX7準拠の防水機能”と、“単一乾電池と単三乾電池の両方が使える”という大きな特徴を持っている。いったいどういう仕組みで2種類の乾電池に対応しているのか知りたくて購入してみた。
エナジャイザーは、以前、電池室内が工夫され、単一/単二/単三がすべて使える懐中電灯を販売していた実績があった。今度はどんな手を使っているのか興味があるところだ。
メーカー | エナジャイザー |
製品名 | LEDアウトドアランタン MFAL35YJ |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba |
購入価格 | 2,920円 |
LEDランタンというのは、デザインがシンプルなので、写真だけで見ると大きさがわかりにくい製品だ。このアウトドアランタンも写真で見ると、122×104×234mm(幅×奥行き×高さ)で、高さが25cm近くあり、バッグに入れて持ち歩くには大きく、自動車での移動が似合う大きさだ。たぶん、想像しているよりも実物は大きいと感じるので、通販で購入する方は注意してほしい。
パッケージはブリスター型 | 台紙の背面が取扱説明書になっている |
パッケージはブリスター型だ。ちょっと開けにくい構造なので、ハサミかカッターを用意した方が良い。台紙が取扱説明書代わりになっている。
正面にボタンが1つある | 背面には何もない |
側面も何もない | 操作ボタンの表示は絵文字。一見、ボタンを回すようにも見えるが、押した回数で切り替わる |
本体の素材はABS樹脂で、黄色と黒のツートンカラーが目立つ。工事現場にあっても似合いそうなデザインだ。電池抜きの重量は431gしかなく、見かけの割に軽い。
樹脂の質感は安っぽく、正直、3,000円近くもする感じはしない。いくらに見えると言われれば、1,500円から1,800円ぐらいと答える人が多いだろう。
しかし、よくよく見ると、きちんと考えられた製品であることがわかる。
底面に吊り下げ用のフックが内蔵されている |
たとえば、取っ手の指が当たる部分は、柔らかい樹脂になっており、指を保護してくれる。また、テントの中などで吊れるように、底部に折りたたみ式のフックが備えられている。たぶん、樹脂の質感の問題にしても、実用的に問題のない範囲で割り切った判断なのだろう。
■2種類の電池が使える理由
さっそく電池を入れてみよう。本体の底部が電池室のフタになっている。
電池は付属しておらず、3本必要だ。電池ボックスに入れるときは、1本だけ入れる方向が異なるので注意してほしい。
底面のフタを開けた状態。電池の入れ方を書いた紙が入っている | 単三用のアダプタは三角形の不思議な形だ | アダプタが入った状態 |
単三を入れた状態 | アダプタを外すと単一用になる | 単一を入れた状態 |
どうやって2種類の電池を使い分けているのかと思ったら、電池ボックス自体は単一に合わせてある。単三を使うときは、付属している専用アダプタを使う。この専用アダプタは、よくできていて、間違った方向にはセットできないようになっている。
当初は、単一と単三で別々の電池室が用意してあるとか、各電池ごとにエネループ用のようなアダプタが付属しているのではないと思っていたのだが、なるほどこういう手があったか。
電池室のフタは、閉めるときに位置決めを考える必要がある。またバネが強いので、閉めるときにちょっとコツがいる。設計は良くできているのだが、作り込みが甘い感じだ。とはいえ実用的には問題はない。
単一と単三では、電池の重さが違うので、どちらの電池を使うかで、ランタンの重さが大きく異なる。実測した重量は、単一を使うと799gで、単三を使うと499gになる。単一だとずっしりと重い感じ。単三だと電池が入っていないかのような軽さだ。
単三を入れると499g | 単一を入れると799gで、300gも重い |
1つだけ困るのは、単一電池を使っているときに、単三用の専用アダプタをどこにしまっておくかだ。必要なときに見つからないと困るので、置き場所を決めておいた方がいいだろう。
なお、取扱説明書には書かれていないが、このランタンでは充電式電池ではなく乾電池を使うことをお勧めする。ニッケル水素充電池は過放電されたときにガスが出る場合があり、電池室の密閉度が高い防水型の製品には向いていないのだ。
■明るさは控えめだが、電池はむやみに持つ
光源は白色LEDが4個、琥珀色LEDが1個内蔵されている。点灯操作は、プッシュボタンで、強(白)→弱(白)→常夜灯(琥珀)→切と変わる。スイッチはストロークが深く、最初は戸惑う。ただし、モード切り替え時は、カチッと明確な音がする。
プッシュボタンを押すと、強で点灯し、弱、常夜灯、切へと順番に切り替わる |
LEDを覆っているシェードは、白い樹脂だが、透明ではなくて、すりガラス状になっている。そのせいもあってか、強と弱の差は少ない。また、強にしても明るさはほどほどだ。
点灯した状態。上方向が明るく、側に置いた電池はあまり照らされていない | 周囲は360度まんべんなく照らす。床面よりも上方向が明るい | LED部分は白色の樹脂で覆われており、光源はぼんやりとしか見えない |
常夜灯は琥珀色のLEDを使っている | 「強」で点灯した状態でも、まぶしさは感じられない |
1mほど先の廊下を照らした状態。前方だけでなく周囲全体を照らしているのがわかる | 側に置けばA4の本を読めるぐらいの明るさはある |
このランタンの明るさは55lmとされている。過去に紹介した同じエナジャイザーのソーラー折り畳みランタンは66lmだったが、数字以上に明るさの差がある。ソーラー折り畳みランタンは、もっと明るく白い印象の光で、このアウトドアランタンはまぶしさがなく穏やかな印象なので、そう感じるのだろう。光の白さも折り畳みランタンほど強調されていない。
光は周囲360度まんべんなく照らしている。上下方向については本体の斜め上方向を照らしている。テーブルの上に置くと、テーブルの天板よりも、周囲の壁が明るく照らされる。何かの台の上に置くよりも、床に置いた方が使いやすい特性だ。床全体を照らしたいときは、底面のフックを利用して逆さに吊り下げると良い。
電池寿命はとにかく長い。単一を使うと、ハイで195時間、ローで380時間持つとされている。単三でも29時間と58時間だ。380時間と言えば約15日半になる。さすがにそれは試せなかったが、単三の富士通製アルカリ乾電池を使って、ハイモードで24時間以上使用できるのは確認できた。ハイとローでは見た目の明るさの差が少ないので、ローに設定しておけばさらに電池寿命が長くなる。
■防水性は高い、浮力も大きい
この製品の特徴である防水性能は、IPX7準拠ということで、1mまでの水深に30分沈めても浸水しないとされている。
とりあえず、洗面台に置いて、蛇口から強い水をかけてみたがなんともない。浴室でシャワーを浴びせても、浴槽に放り込んでも同様だ。これぐらい水に強ければ、ちょっと汚れたときでも、水で流してしまえば良い。
蛇口から水をかけても大丈夫 | LEDの周囲は密閉性が高く、強い水を浴びても大丈夫だ |
水が増えると斜めになり | 最後は横倒しになって浮く |
なお、本体は水に浮く。浮力が強くて、本体のほとんどが水面に出るぐらいだ。川や海に落としても、すぐに拾えるだろう。このランタンでは、LED周りの空間が浮力を得るための浮き袋の役目を果たしているようだ。重い単一乾電池が入っていても、楽々と浮いている。
本体の浮力が強く、手で押さえつけても強く浮き上がってくる |
防水なので、浴槽の横に置くような使い方をしても怖くない | 吊り下げ用のフックを使うと、3~4畳ぐらいのスペースが明るく照らされる |
1つだけ注意してほしいのは、電池室のフタだ。ここがきちんと閉まっていないと、電池室に水が入ってしまうので、きちんと閉まっていることを確認しよう。また、本体が濡れた状態で、フタを開けると、電池室にも水滴が入りやすい。電池交換をするときは、本体を乾いたタオルなどで拭ってからにしよう。
■夏の川遊びやキャンプに似合うランタン
エナジャイザーには、大型のランタンが3製品ある。光源が折りたたみできてスタンド代わりにもなる「LED折りたたみ式ランタン」、それにソーラー充電機能を追加した「ソーラーLEDランタン」、そして本機だ。
いずれも特徴のある製品だが、本機を選ぶ理由としては、なんといっても防水機能だろう。“アウトドアランタン”という名前の通り、屋外で泥汚れなども気にせずにガシガシ使うのが似合う。この季節であれば、海や川での軽いキャンプなどに向いている。ワンボックスカーの中での照明や、タープ(日よけ)の下に広げた折りたたみテーブルの照明に似合う製品だ。
防水と並ぶ利点であるバッテリ寿命の長さを生かして、活躍するシーズンの初めにフレッシュな乾電池を入れておくことをお勧めしたい。汚れや水滴を気にしなくてよいので、夏の間は車の荷台に置きっぱなしにしておけばいいだろう。
また、9月1日の防災の日に向けて、防災用品として備えて置くのにも向いている。東京都で来年4月から施行される「帰宅困難者対策条例」に合わせて、会社の備品として揃えておくのにも向いている。とりあえず、単一乾電池を入れておき、電池が消耗したときには単三乾電池が使えるのは、大きなメリットだ。たいていのオフィスでは、単三乾電池の買い置きはあっても単一電池の買い置きはないからだ。エマージェンシーシートや非常用の食料/水とともに防災用品として準備しておくと良いだろう。
2012年 8月 2日 00:00
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