やじうまミニレビュー
エナジャイザー「ソーラー折りたたみ式ランタン」
エナジャイザー「ソーラー折りたたみ式ランタン」 |
ちょっと前までランタンといえば、アウトドア用品の扱いであって、あまり一般家庭にあるようなものではなかった。しかし、東日本大震災と、その後の計画停電および節電活動以来、ランタンは一般家庭の防災用品としてニーズが高まっている。
今回紹介するのは、個人用の小型な製品ではなく、2~3人以上で使える大型のランタン「ソーラー折りたたみランタン SOLFL452J」だ。屋内で使用すると1つの部屋を照らすのに十分な明るさがある。
また、もう1つの特徴として、本体にソーラーパネル(太陽電池)を備えており、直射日光に5時間当てることで2.5時間の点灯ができるという。乾電池、特に単一形乾電池の入手が困難だった震災直後の状況を考えると、とても魅力的な仕様だ。
メーカー名 | エナジャイザー |
製品名 | ソーラー折りたたみ式ランタン |
型番 | SOLFL452J |
価格 | オープンプライス |
購入先 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 5,980円 |
■大きな筐体で8畳の部屋の空間が照らせる。読書にも使えるなど使い道は広い
本体は大型で、高さは約20cmある。正確なサイズは119×94×192mm(幅×奥行き×高さ)。カバンに放り込んでおけるような大きさではなく、持ち歩くときは片手でぶら下げる感じになる。本体は樹脂製で、白・赤・黒の配色は目立つ。家族で楽しむアウトドア用品というノリだ。
ソーラーを意識したオレンジ色のパッケージ | パッケージの背面 | ソーラーでは2.5時間使用できる |
本体は白と赤と黒という目立つ配色 | スイッチとソーラーパネル | はっきりした配色と曲線デザインでオモチャのような楽しさがある |
LEDとソーラーパネルを開いた状態 | 本体内に乾電池が入るので、これぐらいの角度でも安定して立っている | ソーラーパネルは赤い枠で存在を主張する |
主力の電源は単一乾電池が3本。アルカリ乾電池が推奨で、約165時間点灯するという。これとは別にもう1つ、先に述べたソーラーパネルで充電するニッケル水素電池を内蔵しており、満充電時で約2.5時間点灯するという。
メーカーのエナジャイザーは乾電池の大手メーカーだが、この製品では電池は別売。本体が大きい上に、重い単一乾電池を3本入れるので重い。乾電池込みの実測値は1,165gと、1kgを越える。
LEDを開いたところは鏡面になっていて、光を前方に反射する | 鏡面の部分を開くと電池ケースになっている。単一乾電池が3本入る | 乾電池を入れた状態 |
緑色の部分はソーラーパネルで充電するニッケル水素充電池だ | 乾電池を入れた状態で1,165gある |
光源はLEDだ。半透明の筒の両端にLEDが配置されており、パッと見では蛍光管が使われているように見える。1つの筒の両端に2個ずつ、2本の筒があるので、計8個のLEDが搭載されている。発光色は白だ。これとは別に、常夜灯用の琥珀色のLEDが1つあるので、計9個のLEDが搭載されている。
光を導く筒が目立つので、正面から見ると蛍光灯器具のようにも見える | 筒の両端にLEDは配置されている | 筒全体が光るので、横方向も明るい |
常夜灯を点灯した状態 | 常夜灯のLEDは琥珀色 | 常夜灯は程良い明るさだ |
LEDライトの部分は、折りたたみ式になっており、折り畳んだ状態では、前方だけを照らす。本体の部分が鏡面になっていて、光が無駄なく一方向に向かう。LEDライトの明るさは66lmとされているので、片手で持てば懐中電灯の代わりにもなる。
LEDライトを持ち上げた状態では、前後左右の広い範囲を照らす。この状態でも、8畳間ほどの空間を照らすことができた。これがランタンとしての本来の使い方だろう。部屋の隅に置くときはLEDライトを畳んだ状態で、中央に置いて周囲全体を照らすときは立てた状態で使うと良い。
もう1つの使い方として、LEDライトの部分を半分開いた状態にすると、小型のデスクライトとしても使用できる。十分に読書が可能な明るさと照明範囲がある。本体が大きく、床に置いた状態でも広い範囲を照らせるので読書に向いているのだ。防災用品としてしまい込むのではなく、ごろ寝のときの読書灯として使っていると、非常時にすぐ使えて良いだろう。
ランタンとして使用するときは、LEDパネルを立てる | LEDパネルを閉じた状態。強い光が前方に向かう | LEDパネルを立てた状態。全方向を照らすことができる |
パネルを斜めにするとデスクスタンドや読書灯として使える | 読書灯としての使用例 |
大きめなA4版の本を見開きで照らせるほど照明範囲が広い | 机の上に置くと、7畳ほどの部屋全体が照らせる |
ちょっと残念なのは、このLEDライト部分が開きにくいのと、動かすときの感触がヤワな感じなことだ。樹脂同士がこすれ合うよう感じで、剛性感が足りない。とはいえ、一度開いたら、そのままの形で使うことが多いので、実用的にはあまり問題ないだろう。
■アルカリ電池は長持ち。ソーラーはあくまでも予備的な存在
ここからは電源に視点を移そう。まず、乾電池の寿命を測るために、新品のアルカリ乾電池を入れて、部屋の隅で点灯し続けて置いた。しかし、3日や4日では電池がなくならなかった。予備の乾電池は、一式(3本)用意しておけば十分だろう。
ベランダに置いて直射日光で充電すると、晴天時なら1日で満充電できる |
ソーラーによる充電は、自宅のベランダに置いて試してみた。晴天の日に出しておくと、1日で満充電できる。連続点灯時間は2.5時間をちょっと超えて3時間ほどまで続いた。ただし、充電の度合いがわからないので、曇天時などは判断が難しい。時には2時間持たない日もあった。いずれにしても、乾電池での点灯時間に比べると、充電池による点灯時間は短いので、ソーラー充電は、予備的な存在と思っていた方が良いだろう。
また、本体は防滴/防水仕様ではないので、ベランダなどに出しておいて雨に濡れないように注意が必要だ。
操作はスイッチが1つだけ。左にスライドするとソーラー、右にスライドすると乾電池を使う |
なお、本製品には操作スイッチが1つあり、消灯、ソーラーによる点灯、ソーラーによる常夜灯、乾電池による常夜灯、乾電池による点灯の5つが設定できる。LEDの光量は調整できない。
ここで迷ったのが、ソーラーと乾電池のどっちの電源を使っているのかわからないときが多かった。スイッチをスライドさせれば、電源が何であろうと点灯する。照明のオンオフと、電源の種類が別のスイッチになっていれば、なお良かったと思う。
■明るく使いやすく好印象。ソーラーなしで3千円安い姉妹品もある
2週間ほど使ってみたが、操作や機能でわかりにくいところがなく、LEDも明るいので好感が持てる。常時持ち歩く大きさの製品ではないが、その大きさがかえって使いやすさにつながっている。剛性感や精密さはないが、大らかで実用的な感じだ。時節柄、各家庭に1つあると良いだろう。
あえていえば6,000円前後という実勢価格は、ちょっと高い。その場合、姉妹機の「FL 452G J」という選択肢があるので、これも紹介しておこう。
姉妹モデルの「FL 452G J」。ソーラーはないが安くて実用的 |
FL 452G Jは、本体の形はL452Jと共通だ。こちらはソーラーパネルと充電池を搭載しておらず、単一乾電池を4本搭載する。LEDの数は9個でおなじだが、明るさは50ルーメンなので、ちょっとだけ暗い。逆に、乾電池が4本と多く、2段階の明るさ調整が可能なので、暗い方の設定にすると点灯時間は245時間と長い。10日間点けっぱなしにできる計算になる。
筐体が同じなので、読書灯として使えるなどの機能は共通。それでいて、実売価格は3,000円前後だ。SOLFL452Jとの差額は3,000円、というか半値だ。コストと実用性優先ならばFL 452G J、ソーラーで充電できるという楽しさと、万一の際に乾電池が入手できなくても動作するという安心感をとるならSOLFL452Jという選択になるだろう。本体色の違いで、製品のムードも異なるので、その好みで決めても良いだろう。
2012年 4月 25日 00:00
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