やじうまミニレビュー

コクヨ「ハリナックス(ハンディ8枚タイプ)」

~8枚綴じOK、強度もUP。より進化した“針なしステープラー”
by 正藤 慶一


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コクヨS&T「ハリナックス(ハンディ8枚タイプ)」

 仕事で印刷した紙を綴じる際には、普通ならステープラー(ホッチキス)を用いる。しかし、私の場合はコクヨS&Tの針なしステープラー「ハリナックス(ハンディ4枚タイプ)」を使っている。針を入れ替える必要がないし、針に未対応のシュレッダーにもそのまま掛けられるからだ。

 昨年から使ってきたお気に入りの製品であるのだが、普通のステープラーと比べると、紙が4枚までしか綴じられない点、綴じた部分の強度が弱めな点が気になっていた。しかしこの5月に、「ハリナックス(ハンディ8枚タイプ)」という新製品が登場した。製品名にあるとおり、8枚の紙が綴じられるステープラーで、同社によれば針なしタイプでは“業界最多”という。さっそく使ってみよう。


メーカーコクヨS&T
製品名ハリナックス(ハンディ8枚タイプ)
希望小売価格945円
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格945円

 この8枚タイプを、従来の4枚タイプと比べると、外見ではあまり違いが見当たらない。8枚タイプのサイズは32×135×95mm(幅×奥行き×高さ)で、4枚タイプが32×125×77mm(同)。見比べて、やや大きめだと気付くくらいだ。本体重量も従来の133gに対し、8枚タイプが137gと、ほとんど変わらない。

 ハリナックスで紙を綴じる場合は、ハリナックスの開口部に紙を差し込み、本体のハンドルを握れば、綴じ穴が開いて複数の紙が綴じられる。今回は投入枚数が4枚から8枚に増加されたが、開口部の幅は約3mmなのは従来と同じ。開口部の幅が広くなったのではなく、その内部にあったガードが省かれたため、8枚も投入できるようになったのだ。小指すら入らないほど狭いので、「間違って指に穴を開けてしまわないか」なんて心配する必要はない。

ハリナックス(ハンディ8枚タイプ)のパッケージ。「業界最多8枚」のマークが光る本体デザインは従来の4枚とじタイプとほとんど同じ
サイズは従来の4枚タイプ(上)よりもやや大きいくらい左が新しい8枚タイプ、右が4枚タイプ。紙を差し込む開口部の幅は、従来とほとんど同じだが、ガードの有無に差がある
綴じ穴の形状は、矢印型に変更された

 さらに、綴じ穴の形状も変更された。従来は山型だったが、今回は矢印型に変更されている。この矢印の先端部分が、紙の内部に引っかかる構造となっているため、綴じた部分が剥がれにくいというのだ。

 さっそく、綴じてみよう。まずは従来モデルで限界だった4枚で挑戦。開口部が広くなったので、4枚でも開口部にスッと差し込めて、簡単にセットできる。ガチャンとハンドルを握ると、紙に矢印型の穴が開いた。何の問題もなく綴じられた。

 次に、8枚にも挑戦。これもやっぱり難なく綴じられた。紙が多くなると外れやすくなるのでは……と心配したが、先ほど述べた矢印型の綴じ穴の効果か、ちょっと引っ張ったくらいではびくともしない。“綴じパワー”はかなりアップしたようだ。


8枚のコピー用紙を綴じているところ

 何度か使っているうちに、「あれ、何だか4枚タイプよりも握りやすい」と感じるようになった。実は、8枚タイプのハンドルには、手の形状に合うように凹みが設けられている。これは4枚タイプになかった仕様だ。メーカーのリリースには記されていなかったが、こうした細かい部分まで進化しているのはうれしい。

本体を上から見たところ。8枚タイプ(左)では、手の平で握る部分に凹みが付けられているハンドルも、握りやすいように角部分がカットされている

 強度に不安がある場合は、1カ所だけでなく、縦と横の2カ所を綴じるのが良い。これは説明書に書いてあった綴じ方だが、これなら紙が外れる心配はほとんどないと言って良い。4枚タイプのレビューでは“4カ所留めればより強固になる”と述べたが、8枚タイプでは2カ所だけで十分だ。

8枚をカットした綴じ穴。上が表、下が裏写真のような2枚綴じにすれば、ほとんど剥がれることはない

 では、8枚以上の紙ではどうだろう。実は、紙は10枚くらいまで投入できることはできるが、綴じ穴がキレイでなかったり、開口部にスッと投入できないという問題点もある。使い勝手を考えると、やはり8枚が限界だろう。それ以上の紙を綴じる機会の多い人は、従来どおり針留めのステープラーを使うのが良い。

 今回の8枚タイプは、“綴じられる枚数が少ない”“紙が剥がれやすい”という、従来モデルにあった2つの大きな不満点が解消されたことで、より実用的に進化した。まだハリナックスを使ったことがない人はもちろんオススメだが、従来のハリナックスを使ったことがある人にも、一度手に取っていただきたい。きっと進化が感じられるはずだ。





2011年 6月 3日   00:00