やじうまミニレビュー

新考社「ちょこっとミニ 3点セット」

~手間もスペースも省く! 切れ味爽快スライサー
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


新考社「ちょこっとミニ 3点セット」

 一人暮らしの台所は狭い。いつもコンロと流しの隙間でちまちまと一人前を作っているのだが、調理道具も最低限しか揃っていないので、とにかく包丁1つで肉なりきゅうりなり、さばいていた。

 今回紹介する「ちょこっとミニ 3点セット」は、狭い調理スペースでも簡単に使える、一人暮らしの強い味方となりそうなスライサーだ。


メーカー新考社
製品名ちょこっとミニ 3点セット
希望小売価格2,310円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,890円

 その名のとおりかなり小型で、おろし用、千切り用、V字の3つのスライサーに、受け皿2つと安全ホルダーが付属して、1つの収納ケースにおさまっている。全体のサイズは約128×71×67(mm)、スライサーのサイズはそれぞれ約120×64×14(mm)で、女性の手にも収まるくらいコンパクトだ。

受け皿が収納ケースにもなっているスライサー×1、受け皿×2、安全ホルダー×1がセットになっているパッケージの中に丁寧な説明書がある

  しかし、こんなに小さくて本当に使えるのか? 実際に使ってみた。

 まずは、おろし用スライサー。穴と穴が交互に並んでいて、45度に傾いたステンレス刃が内側に向いている。この独特の刃によって、引っかかりや詰まりがなく、スムーズにおろせる仕組みになっている。大根や生姜、チーズや果物など、幅広く使える。

おろし用スライサー確かに刃が内側に傾いているこのなめらかなカーブが使い心地を抜群に良くしている
大根をおろすと切れ味の良さがわかる

 このスライサーで大根おろしに挑戦したところ、力をいれずに、ショリショリとスムーズにおろせた。いつもの100円ショップで買ったプラスチックの安物と比べたら、格段に切れ味が良く、処理速度も早い。おろし金部分がゆるく湾曲していて、すりおろしやすい。100円グッズの20倍の値段の意味がわかった気がする。

 大根が小さくなってきたところで、付属の「安全ホルダー」を使用した。ホルダーの裏の突起が、食材を押さえつけて滑らないので、とても使いやすい。大根の薄さの極限まですりおろすことができ、食材を余すことなく使えた。おろした大根おろしを見てみると、100円グッズの安物と比べても、とてもきめが細かい。口にいれると、ふわっとした食感でみずみずしかった。

 

大根が滑らず、力もいらずにおろせた安全ホルダー安全ホルダーの裏の突起が、食材をしっかりホールドする
とてもきめが細かくて雪のようだちょっとガングロにやけてしまったお魚のお供に

  V字スライサーは、V字の一枚刃を備えており、きゅうりや長ネギ、ピーマンなどをスライスする際に使用するものだ。きゅうりを切ってみると、スライサーの上で軽く滑らせるだけで、1mmほどの薄さで切れた。刃にひっかかる感じもせず、切れ味がいい。少し力を入れると、2mmほどの厚さになった。V字の刃にきゅうりがこびりつくこともなかった。

V字スライサーきゅうりを切る
包丁で切るよりも薄く切れるので、ポテトサラダなどの和え物にしてもいい酢の物にしてみた。さわやかな酢の味がきゅうりにしみこんでいてみずみずしい

 最後の千切り用スライサーは、平刃と櫛刃が二段構えになっている。くし刃の先は上を向いて尖っているが、刃の一本一本に刃研ぎを施して、ダブルの切れ味の良さを実現したという。

千切り用スライサー刃を拡大

 ここでもきゅうりに挑戦。手前に引くと、シュッ、シュッとまっすぐ切れていく。切れ味がいいのであまり力はいらないが、しっかり力を入れないと完全に切れていない時があるので、気をつけたい。

きゅうりの千切りに挑戦力を均一にかけるようにするときれいな千切りになる

 使用後は、刃の周りに食材が付着していた。普通のスライサーやおろし器だと、繊維が刃にこびりついて取れにくかったり、洗っていてケガをしてしまったりと面倒なのだが、3つとも水ですすぐだけでほとんどの汚れが落ちるので、手間がかからないのも良い。

 
 保管も簡単だ。スライサー本体には、フックにかけられる穴が開いており、他の調理道具などと一緒に干しておくことができる。こうして調理スペースの近くにかかっていれば、次に使うときも便利だし、場所もとらない。

水ですすぐだけで、次の野菜に使い回しがきく穴があるので干しておける

 また、付属の受け皿を使わずに、そのまま手で持って使える点も魅力的だ。一般的なスライサーやおろし金は大きいため、一度ボウルにおろしてから、器に盛り付けるという手間がかかる。本製品は、どれも手に持って使えるサイズなので、カットした食材をそのまま料理に掛けることができる。調理スペースもいらないし、受け皿を洗う必要がない。

安全ホルダーを使えば最後まで無駄なくおろせる

 そこで、おろし用スライサーを持ち、サラダの上でパルミジャーノ・レッジャーノチーズをおろしてみると、粉チーズのような細かいチーズがサラダの上に降りかかった。使用後は軽くたたいて削りかすを落とし、サッと水洗いするだけで十分にきれいだ。これさえあれば、チーズおろし器をわざわざ別に買う必要がないので、モノが増えずに助かる。ねぎをラーメンの器にそのままスライスしたり、冷やし中華にきゅうりの千切りを盛り付けたりというのも良さそうだ。

 ただし、キャベツのような大きなものはスライスできない。また、3点セットで2,000円前後というと、一人暮らしを始めたばかりの身にはやや高めの価格だけれども、調理の時間と手間が省け、洗うのも楽で、力を入れる必要もないことを考慮すると、一人暮らしにはちょうど良いスペックだろう。正直に言うと、これを使った後に、包丁一本の生活に戻るのは、ちょっと辛く感じられた。

 必要なものを必要な分だけおろしたい単身者や高齢者の方々にぜひオススメしたい。

 


 



2010年 8月 13日   00:00